山麓の落ち葉の下にヤマタチバナがひっそりと実を付けていた。高さ20cmにも満たないがこれで成木だ。学名はヤブコウジだが、古名はヤマタチバナとして万葉集や源氏物語にも登場する。漢方では生薬名「紫金牛」(シキンギュウ)、呼吸器系の薬草とされている。
マンリョウもこの仲間で正月用に使われるが、野人はこのヤマタチバナが好きだ。地面すれすれに真っ赤な実を数個だけ付ける。その美しい輝きに健気なヤマタチバナの生き様を感じてしまうのだ。色んな薬草を採取したが、どうしてもヤマタチバナだけは引き抜く気持ちにはなれなかった。頑張れよ・・と声をかけたくなる。何でも食う野人もこの実だけは食べずに我慢している。
