野人流「ハモのちらし寿司と潮汁」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは



これからの季節ハモが旨い。昨日活きたハモを4匹知人の漁師からもらった。ハモ二匹を使った野人流レシピを紹介する。題して「ハーモ2ーの調べ」だ。食べきれないから後の二匹は水槽に活かしておいた。ハモの生命力は抜群で、朝の6時に海から揚げて9時まで箱に入れていたものをもらったのだが、水槽に入れたら元気に泳いでいた。

メイン料理は「ハモのちらし寿司」で、ハモを3枚におろして頭と背骨に「ベタ塩」をして5分置いてから熱湯をかける。ぬめりの臭みを抜く為だ。これを熱湯で20分、ダシが出たらスープの半分で寿司米を炊く。この時電気釜に背骨を数枚入れてさらにダシを出す。残りの頭と骨のスープは寿司が完成するまで1時間さらに煮詰めて濃厚にする。ご飯が炊き上がったら骨を取り出し、合わせ酢をかけてうちわで冷まし寿司飯を作る。ハモの身は丁寧に「骨切り」、1匹は「ベタ塩」を当てて15分、さっと酢で洗い、コブを入れた酢に20分浸す。これを沸騰した湯にくぐらせて白くなったら氷水で冷ます。つまり寿司ネタを湯霜にしてしまう。これをぶつ切りにして寿司飯にちらして、刻んだ青シソをかけて完成。もう一匹の半分は塩を当てずに湯を通してワサビ醤油で。残りの半分は吸い物に最後に入れる。1時間以上煮つめたスープは濃厚でうっすらと脂が浮いていた。味付けは昆布のダシと粗塩だけだ。ハモ寿司も旨かったが、このスープは言いようもないくらい旨い!昆布のグルタミン酸とハモのイノシン酸と海水を煮つめた塩だけだ。余計な薬味は使わない。魚ではこの味は出ないだろう。ハモにはウナギやアナゴのような脂分が少ないが、旨味成分のアミノ酸をより多く含んでいる。ハモの味の本質を知ればこのほうが良い。だからここまで煮詰めてスープをとった。上品な京風の吸い物も旨いだろうが、野人は下品で狂喜乱舞するようなスープが好み。海老も蟹も魚も、余計なものを入れず、見た目よりも素材そのものを味わうのが好きで、これは味の薄いハモの味がはっきりとわかる逸品だ。ハモ寿司と吸い物と湯通しを見てもわかるが、ハモ以外で使っているのは粗塩とコブと青シソくらいだ。野人はハモに梅肉は一切使わない。シソは香りも良いが本来は魚毒を消す「薬味」。ハモのスープはマッタケとの相性が良いが、これだけ濃厚でも相手の味を殺さないだろう。やはりハモはハモを純粋に味わえる料理が最高だ。