数年前の地球白書によると、60億を超える人口の内、12億の人が栄養過多で太り過ぎ、12億の人が飢えに苦しみ、12億の人が安全な水を手にすることが出来ず、10億近い成人が読み書きが出来ないと言う。日本人はどの位置にいるのだろうか。最初の栄養過多の部類に入るとしても、有り余るほどの飽食の中、さらに、あれが足りないこれが足りないと栄養やサプリを求め、3食バランスよく摂りましょうとカロリー計算までしている。野人から見れば単なる栄養過多に過ぎないのだが・・・人間と食の本質を理解していないように思う。人の遺伝子の中には、三食規則正しく食べることなど何万年も組み込まれてはいない。北国では冬に野菜は食べられず、人類は「季節のものを食べられる時に食べられるだけ」食べてこれまで生き延びてきた。それは他の哺乳類と何ら変わらない。その為に必要以上の「糖」を「脂肪」に換えて備蓄、何も食べなくても一ヶ月くらいは生きられる構造になっている。人間の体の本質から見ると毎日三食規則正しく食べる今の食生活は明らかに過剰だ。雑穀であろうが野菜であろうが果物であろうが、体はすべてを「糖」と言うエネルギーに変えて生命を維持し、残りを脂肪に変えて備蓄する仕組みになっている。冬場はエサに苦しむ草食動物も、飼育牛のように毎日規則正しく「ドライサラダ」をたっぷり食べさせたら脂肪がのり。運動させずにさらに工夫すれば「霜降り牛」が出来上がる。人間もこれと変わらないようだ。霜降り牛は旨いが健康的な肉とは言えない。立派で綺麗で美味しい野菜や果物も同じ事が言える。これらの「加工食品」もまた人間の立派な文化。しかしそれらばかりを食べていれば体が「食材」と同じようになるのは当たり前の事だ。
人の体内には1世紀前には存在しなかった約500種の化学物質が測定可能なレベルで蓄積されている。これらの物質が健康にどのような影響を及ぼすかはわかってはいない。食品においては添加物にしろ、農薬にしろ「微量安全範囲」の名において多種使用され、連日のように体内に取り込んでいる。まるで人体実験しているようなものだ。それらは先進国独特の病気を生み出している。さらに薬を飲み、病気を治す努力をするなら、海藻や魚、山菜や放任野菜を1ヶ月も食べていれば、おかしくなった体は元に戻るはずだ。
食糧事情により、インドでは成人の49%、子供の53%が体重不足で、米国では成人の23%が肥満、子供の20%が太り過ぎ、または肥満だ。人の体は脂肪と糖分に対して満腹感を感じにくく、それらを多く含む食品を過剰摂取しやすい。食べるものも満足に食べられない国もあれば、世界最高の科学技術を持ってしても体一つコントロール出来ない国もある。世界最高齢を誇った日本の食文化は、米国を見習い、同じ方向に向かって走り続けてきた。日本の世界最高の食文化は、米国でもインドでもなく、日本人が長い年月をかけて創りあげた「世界で最も道理に適った」大切なものだ。質素な一汁一菜の時代に戻れるはずもなく、今の食生活も避けては通れない。「生命力のある自然の恵み」を出来るだけ摂取すれば済む事だ。