まみーです。
お盆の頃からすこし夜が涼しくなったきがするのですが。
長男のことを思い出しながら文章に整理していきながら、私のなかに、これまではあまり感じていなかった気持ちがでてくるようになった気がします。
それは、私はほんとうによく頑張ってきたんだなあという、自分を労うような、自身の頑張りをちゃんと認めようという思いがしっかりと自覚できるというか。
そしてその気持ちは、また新たな私の気持ちを引き出してくれたとおもいます。
それはまた後日に。
「もう、出て行け」
私はその言葉を、何度も息子に投げつけていた。
その夜もそうだった。
まったく学校へ行こうとしない息子に苛立っていたと思う。
二学期もまた一学期のようなことをしなければならないのかと考えると、どっと疲労感に襲われた。
職場に迷惑をかけ続けることにも気が引けていた。
「そんなにお母さんの言うこときかれんなら出て行け」
その夜もまた同じ言葉を投げつけた。
息子はその日、本当に家に帰ってこなかった。
実のところ、どうせ24時間営業のネカフェにでもいるのだろうと思い、さほど心配はしていなかった。
せいぜい一晩あたりが関の山、いつまでもそんなことしてられるものか、とも思っていた。
今の時代じゃそう呑気に構えてもいられないかもしれない。
まさか犯罪に巻き込まれていたら、みたいなことは思っていなかった。
が、その翌日も帰ってこなかった。
やっぱりちょっと心配になって仲のいい友達の家に電話をかけたのじゃないだろうか。
もし明日も帰ってこなかったら警察に捜索願とか出したほうがいいのか?そんな考えがチラッと頭をよぎった。
夕方、仕事から戻ると家の電話が鳴った。
担任からだった。
「お母さん、息子さんが家出しているって聞いたのですが、本当ですか?」
「は、はい…」
「実は今日、クラスメイトの子から〇〇くんが家出しているとききまして」
「あ、そうなんですか…
実は親子げんかになって私が出て行けと言ったら、ほんとに出て行ってしまったんです。
警察とかに届けたほうがいいのでしょうか」
「いえ、警察に届けても警察が息子さんを探してくれるわけではありません」
担任はまた掛けなおしますといって電話を切った。
そうか、たぶん友達から担任に話がいったのだなと思っていると、また担任から電話が入った。
「お母さん、今から学校の先生たち総出でK崎の街を探します」
その言葉は、今でも忘れることができない。
中2のときの、あの担任と話したときの何とも言えない失望感と
どうせ学校は助けてくれない、
相談したところでなんにも解決なんかしないという絶望感は私の心のなかにずっとくすぶっていたのだ。
でも今度は違った。
私だけじゃK崎をひとりで探すなんて無理だし、とてもできることじゃなかった。
ありがたかった。
先生たちに、人間味を感じた。
迷惑をかけて申し訳ないと思いながらも、私は少し救われた気がした。
「えーーー?そうなんですか…
あ、ありがとうございます、よろしくお願いします…」
学校の先生たち総出でK崎を大捜索する、
ときいて、そんなことできるのか、してもらっていいのか、息子はみつかるのか、どうなるのか、
と電話を切ってそのまま座りこんでいると、5分位でまた電話が鳴った。
息子からだった。
「あんた、何しよん?先生たち心配して大ごとなっとるよ」
「お前が出て行けっち言うたけ出ていっただけやん」
私はすぐに学校へ息子から帰ってくると電話があったことを連絡、しばらくして息子は家にしらっとして帰ってきた。
息子はK崎にあるNS屋というショッピングセンターの屋上手前の進入禁止の踊り場にこっそり入って一晩は過ごし、
次の晩は公園のベンチだったか忘れたが、野宿をしたということだった。
しかしだ、不思議なのは、あの日学校の先生たちがK崎を大捜索するということが息子にすぐに伝わっていたということだ。
たぶん息子はそのとき学校の近くにいたのかもしれない。
友達がすぐに担任からの情報をききつけて教えたのだろう。
なにはともあれ、先生方が街へ出て行ってしまう前でよかったと思った。
そして、息子に情報が行く速さにも驚かされたというか、
心配してくれる友達もいるんだなと思うと、そういう意味では生きていけるヤツではあるだろうという気はした。
そしてまた事件が起こった。
つづく
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