「学校も休みだし、僕にできることある?」

「今日、私これから由美ちゃんのアパートに行こうと思うの」

「それなら行ってきたら」

「洗濯の途中だけど、すすぎが終わったら干してから行ってくる。ごめんね。たーちゃんお昼外食でお願いするわ」

 

林太郎はうなずいて作業に戻る。

仮組み立てでガムテープで箱を仮貼り付けして、具合を見ている時に留さんが呼んだ。

 

「岡本くーん、電話よ」

「はい、今行きます」

タオルで汗を拭いながら、林太郎は良子の方を見る。良子は少し微笑みながら「はい、電話よ、ちょうどいい休憩になったじゃない。朝から休みなしでやっているからでてきなさい」

林太郎のタオルを受け取ると、別の洗濯カゴに入れた。

 

明日の洗濯ものである。タオルはいくらでもあった。

 

洗濯はすすぎに移り、女物の下着などあったから、自分で部屋内に干してから由美の所と銀行に行くつもりになっていた。

「うん、じゃあ電話に出てくる。野々垣の見舞いの報告かな」

そう言いながら、林太郎は外階段の手すりにつかまりながら上がった。

少々疲れていたせいかもしれない。

普段なら、意地でも手すりなど掴まないのだが。

 

「はい、もしもし」

「岡本君か?」

「ええそうですけど、どちら様?」

「土方といいます。僕は青年農園のリーダーだけど、こちらに原田顕二君と立花由美さんが働いているんだけど、君と親しいらしいね。君と話したいと言うから連絡したんだが、今日の夜中には台風来るみたいだね。こちらは農作物の収穫で大変なんだ。とりあえず原田君に代わるよ」

林太郎は由美の名が突然出てきたので驚いたが、そんな所に顕二が行っているとは思ってもみなかった。そちらの方がもっと驚いた。

 

「おう、元気」

といつもの調子で顕二が話しかけてくる。

「なんだよ、ビックリしたぜ。電話しても留守みたいだし、野々垣たちも心配してたぞ」

「ああ、悪かったな。バイト忙しくてよ、家に帰ってるヒマがねえ。おまけに台風が小型化して早く来るってよ。1日早くなるらしい」

「今どこにいるんだ?」

「あはそれは内緒。ところで立花君の幼馴染だって。こっちこそビックリしたぜ。こんな偶然てあるもんだな」

「なんで立花さんがそこに?」

「なんでも女子大に入学して、世間がこんな状態だろう?女子大でも休講が続いていたらしくて、彼女もバイトで気をまぎわらそうと思ったらしいんだ。えらいよ、今じゃちょっとしたリーダーやってるよ」

「そんならいいんだが。彼女とは5,6年、いや10年近く会ってないな、小学校以来だから懐かしい。逢ってみたいな。だいぶ成長したんだろうな、どう美人?」

「ばーか、お前と野々垣は女の事しか考えていねえ。ま、山崎よりましだが。ところでみんな大丈夫だったのか」

「その山崎が入院した」

「え、なんで」

「投石受けて頭蓋骨にヒビが入って入院だよ。脳のほうは大丈夫だったみたいだが、10針縫ったらしい。オレ見舞いに行ってきたけど、今東京女子医大に入院中さ。お袋さんが来てたぞ」

「あの山崎が? まったく女にしてもケガにしても日ごろの行いが悪いせいじゃないのか?ま、こっちの収穫が終わったら、見舞いに行ってやるか、じゃ立花に代わるよ」

 

林太郎はやっと原田と連絡がとれてホッとした。

山崎も大怪我だが命に及ぶほどではない。おまけに、あれほど良子が心配していた当の本人の声がきけるとは、縁とは不思議なものである。

 

「もしもし、たー兄ちゃん?」

「おっ、由美ちん元気。大きくなったか」

「はははは、そうだね、もう何年も会ってないもんね」

由美はつとめて明るくふるまおうと思った。ここで心配かけてはいけない。土方の、鮫島の恐ろしさを懸命に隠そうとふるまった。

「そうだよ、東京に来たんなら連絡くれてもいいのに」

林太郎はふと新宿での女の子の事が浮かぶ。

「うん、早稲田に行ってるって聞いた。でも早稲田でも学生運動すごいんでしょう。たー兄ちゃんも就職活動してるんじゃないかと思って、遠慮しちゃった」

「まだ3年生だぜ。学校は休校続きだし、代わりのレポート提出でバイトしているヒマもない。あ、そうそう、姉貴が東京に出てきた」

「りょうこ姉ちゃんが?声聞きたい」

「ちょっと待ってな、今呼んでくる」

 

林太郎は急いで階段を降り、原田と由美ちゃんからの電話だと告げると、良子の顔色が変わり、急いで階段を駆け上がる。今日も彼女のアパートに行くつもりで林太郎に打ち明けたばかりだった。

 

「もしもし」

良子が電話に出た時は、電話は切れていた。

 

 

ちょっと色っぽい良子ーモデルの八木アリサさんかわゆい 💛

 

 

こんな娘さんが由美ちゃんだったらな・・・昭和51年ごろ原宿でモデルになってくれた女の子

なんと中学3年だって

 

 

2人で遊びに来てた  もう60代になってるよ

 

幸二もモデルに。

 

 「全然平気な僕だけど・・・Ⅱ」書いてます。いつこちらに書けるかな。津田塾大でのバイトから読売新聞東京本社でのバイト。長嶋茂雄さん、渡辺恒雄さん(漢字あってなかったらすんません)萩本欽一さんやらマスコミでのお仕事だから超有名人がぞろぞろ出てきます。ま、出版局でのお仕事だから当然か。幸二も一緒に始めるよ

 

 

当時のおいら