いま、女として―金賢姫全告白 上・下 | 書評無情の響きあり。

いま、女として―金賢姫全告白 上・下

金 賢姫《キム/ヒョンヒ》, 金 賢姫, 池田 菊敏
いま、女として―金賢姫全告白

1987年、バグダッド発ソウル行大韓航空858便・ボーイング707型機を

時限爆弾で飛行中に爆破したテロ事件の北朝鮮工作員実行犯、

金賢姫の告白手記。こちらも実家より持ち帰ったもの。


当時、大変物議を醸した事件だったため、比較的記憶に

新しいがあの時からすでに20年経過。

にもかかわらず、北朝鮮の拉致問題(本告白により李恩恵女史の存在が

明らかに)及びその他の多くの政治的問題がいまだ大きな進展を

見せていない点はなんとも歯痒く、一方では北朝鮮の統治体制の

強さが見てとれる。


本書では、北朝鮮工作員の生活を細かに窺い知ることが

できるが、そんな中で垣間見られるイチ女性(というより女の子)としての

心情描写(ファッションについて、友達とのおしゃべりetc)が個人の犠牲の

上に成り立つ共産主義国家の実情をさらに浮かびだしていて何とも

やるせない気持ちになる。



しかし 近年、本事件は韓国の国家安全企画部が仕組んだ謀略ではないのかという

疑惑も浮上しており(実際、韓国国家情報院による事件の再捜査が決定)、

こうなると世の中で報道されているニュースの一つ々の真偽性も疑わざる得ない

状況で、何が何だか正直良く分からない。

一つ言えるとすれば、物事を常に表裏から見る必要がある ということであろう。

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