昨日が満月なら今夜はたぶん十六夜の月
満月の次の日の少しだけ欠けた月
そんな中途半端にも見える姿の月に
十六夜と書いていざよいなんて読む
素敵な名前が付いていると知ったときが
日本人に生まれてよかったと
最初に思ったときだったかもしれない
そして十六夜の月って美しい
もちろん満月もとっても魅力的だけれど
月ってこんなに明るかったっけ?と
満月にはいつも驚かされるけれど
満月かな?いや今日は十六夜か
言われてみれば欠けているように見えるな
完璧だと思っていたものが
実は欠けているとわかった瞬間にしか
味わうことのできない染みるような美しさ
みんなで綺麗だねと愛でるのではなく
ひとりっきりのときにこっそり味わいたい
それが十六夜の月の美しさだと思う
十六夜の月だけじゃなくて私たちは
実はこっそりひっそり欠けているものに
ぐっととくるようにできている気がする
仕事が完璧で容姿端麗で優しくて
完璧にしか見えない先輩が
実は料理が下手だったり
完璧に見える和音の構成の中に
たった1つの不協和音が混じっていたり
鹿威しの音がこっそり静寂を破ることで
静寂の質が高まったように感じられたり
ほんの少し欠けているものには
完璧なものにはない独特の美しさがある
それはほんの少しの欠けに私たちは
限りない物語を感じるからではないだろうか