日本の歴代の都を3つ挙げるなら
東京京都奈良だろうと思うけれど
観光地として人気なのは東京京都だ

京都の人には異論があるのかもしれないが
現在の都は東京で間違いないだろう
とにかく人間のパワーに圧倒される
さすが現役バリバリの都だ
人間の生み出す光の強さと闇の濃さとが
痛いぐらいに打ち付けてくる

最も長い間都だった京都
文句なしの華やかさと英雄の息づかいと
学問と血生臭さと神様との共同生活と
そういったものがバランスよく感じられる

対していにしえの都である奈良
奈良にうまいものなしと言われてしまうとか
掘ったら必ず遺跡が出るから
地下街が発達しなくて大都市になれないとか
今のところ新幹線が止まらないとか
残念ポイントは少しあるけれど

ここには濃厚すぎる神様の気配があって
共同生活ではなくて神様が優先
神様の隙間で人間が頑張って生きてきた
そんな人間の小ささ健気さを感じる

人間でいると自分を過大評価してしまって
自信を持つのはもちろんいいことだけど
その方向がおかしくなって
何でも自分の望むとおりになるのが当然で
自分の思うようにならないと許せないこと
そんなことが少なくとも私にはある

奈良に行くと鹿ですら思うようにならない
当たり前だ彼らは神様の御使いだから
人間の思うようになるわけがない
鹿せんべいでご機嫌を伺うのが関の山だ

だから自分の身の程を知って
つまり自分がちっぽけだと実感して
自分の立ち位置を確認して
身の丈に合った幸せのかたちを確認するのに
奈良観光は合っているんじゃないかなと思う