基本的に男は敵だった
いかに男の目に止まらないようにするか
いかに男の暴力の吐口にならないか
そういうことにばかり心を砕いていた

自分が恋愛の対象になる可能性なんて
思いつくはずもなかった

好きと言ってもらっても
罰ゲームなんだなかわいそうにと
何も疑問を抱かず同情していた

今では自分も恋愛の対象になり得ることは
理解できるようになったはず
少なくとも好きと言っていただいて
罰ゲームを疑うなんて失礼なことはしない

自分が恋愛対象外と感じているとき
実は恋愛の問題は傷ついた自分の隠れ蓑
正確には隠れ蓑のカバー

なぜ恋愛対象外だと感じるのか
自分はブスだから
自分は不潔だから
自分はダサいから
自分には可愛げがないから
自分は家事が苦手だから
ほら本当の傷の隠れ蓑っぽい

本当の傷に気付いてもさてどうするだけど
隠れ蓑に疑問を持ってみなよと
自分に教えてあげるのには役立つ

自分のことを恋愛対象外だと
感じていることにも気付いていないなら
恋愛に興味がないとか恋愛は無駄だとか
そういう言葉が隠れ蓑のカバーのカバーかも

好きと言っていただいて
反射的にそんなわけがないと思ったら
きっと未解決の心の傷があるはずだ

厳重に隠されている心の傷
厳重に隠されていればいるほど
実は早く見つけてほしくて泣いているのかも