自分の書く文章が大っ嫌いだった
とにかく嫌で嫌で仕方なかった
表現が大袈裟になったり
事実を盛って書きたくなったり
自分の嘘つきで卑怯な姿が露わになるのが
耐えられなくて目を覆いたくなったし
周りの人が私のそういう側面に気付くかもと
怖くて仕方なくて何度も何度も書き直して
とにかく目立たないようにと工夫した
嘘つきは悪だと教えられるし
私はどこまでも正直で誠実でいたかった
だけど私の文章には必ず嘘が混ざる
どんなに正確に表現しようとしても
そもそも正確に表現しようとしてもが嘘
正確に表現しようとするふりだから
嘘まみれになるのは当然
それが本当に嫌だったけれど
文章で嘘をつくのは別にかまわない
だんだんそう感じるようになってきた
実際私は嘘まみれで卑怯な文章を
大袈裟な表現や華美な台詞を
敵を陥れようとする策略を
そういうものが散りばめられた作品を
実はとても楽しんでいることに気付いた
正直な文章と嘘つきの文章
上手な文章と下手な文章
整然とした文章ととっ散らかった文章
わかりやすい文章と意味不明の文章
学術論文や教科書や記録でもない限り
どちらがいい文章でどちらが悪い文章か
きっとそんな判定は無意味だ
私には嘘つきの文章が書ける
そのことが嫌で嫌でたまらなかったけど
嘘つきで下手でとっ散らかっていて意味不明
もはや文章だかなんだかよくわからない
今はそういうものを書けるようになりたい