大学ノートと鉛筆 | 踊るヘルパー! 二枚閉め子

踊るヘルパー! 二枚閉め子

ホームヘルパー業務において、技術的にプラスになる様な記述はほぼありません。



が、「人」対「人」。文面から何か掬い取ってもらえれば幸いです!


こんにちは、閉め子です。

日中暑かったけど、木陰などに入ると、とても涼しかった。

だんだん夏が遠のいていく。

涼しい木陰で、精一杯の蝉の鳴き声を聞いていると、なんだか切ない。

もうすぐ秋。

もの思う、秋。

な~んて、ワタシは何にも考えませんよ。

無我の境地。

なんちゃって。



さて、

Wさん、八十四歳のおばあちゃん。

今日初めてお伺いしたが、それまでに入っていた同僚に、さんざん脅されていた。

「ややこしいよ~、あのばばあ」

お客様に向かって、「ばばあ」。

もう、これだけで、どれだけややこしいのか、経験の浅いワタシでも、大体分かるもんです。

で、多少覚悟して行ったんですね。

「こんにちは~。今日からお世話になります、二枚閉め子で~す!」

なんて、元気に。

「は~い」

お返事から察すると、そんなに危惧することもなさそうだ、と思った。

玄関が開き、そこに立っていたのは、大学ノートと鉛筆を持った、Wさん。

「何か書きモノしてたんですか?」

と聞くと、

「アンタ、名前ナニ?」

「あ、二枚閉め子です。一枚二枚の二枚に、扉を閉めるの閉めに、子供の子、と書きます」

「ふ~ん、けったいな名前やな」

Wさん、さらさらと、大学ノートにワタシの名前を書く。

書き終えると、ワタシを、頭のてっぺんから足の先まで、それこそ舐めるように観察し、

「アンタ、B型やろ」

「いえ、O型です」

「B型に近いO型やろ」

「いえ、両親共々O型なので、生粋のO型だと思います」

「気に入らんな」

気に入らん、て、どんなケチのつけ方?

「アンタ、いて座やろ」

「いえ、おうし座です」

「いて座に近いおうし座やろ」

いて座とおうし座は、近くな~い!

危うく大声を出しそうになったわ。

一時間半のサービス中、ずっとそんなやり取りをした。

ようやくすべての質問に答えて、お仕事を終え、ぐったりしながらバイクに跨ろうとすると、携帯が鳴った。

コードネームGからだ。

「あいあ~い、どうしたの?」

「あ、閉め子ちゃん、わたし次キャンセルになったから、お茶せえへん?」

くぅ~、気がきくぜ、コードネームG。

「行く行く、今行くすぐ行く」

じゃじゃ~ん。


踊るヘルパー! 二枚閉め子

ワタシが大の珈琲好きなのを知ってるコードネームGは、こんな洒落たものが設置してある喫茶店を発見していてくれた。

持つべきものは、分かりあえる友よ。

で、

その洒落た喫茶店に、二人してジャージにTシャツで入って行き、

珈琲一杯で、散々他のヘルパーや、気に入らないお客様の悪口を言い合ったのだ。

うう、これって、学生時代に、「絶対になりたくないおばちゃん」の典型だ。

歳はとりたくないですね。


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