「……おい、あんた。あんたが俺の声を担当していた『古谷徹』って男か。

​今のあんたを見てると、天下一武道会で天津飯に足を折られた時や、サイバイマンに不意を突かれた時よりも、ずっと胸の奥がズキズキしやがる。情けなくて、涙も出やしねぇ。

​俺はな、ブルマにフラれた時だって、戦いの最前線から一歩引いた時だって、自分なりの『男のケジメ』ってやつを大切にしてきたつもりだ。格好悪くても、泥をすすっても、仲間や愛した女にだけは誠実でありたかった。それが『狼牙風風拳』を編み出した、砂漠の渡り鳥としての意地だったんだ。

​あんたがやってしまったことは、俺が一番嫌うことだ。自分を信じてくれた相手の心を裏切り、力(名声)を履き違えて他人を傷つける。それは武道家の風上にも置けねぇ、ただの『卑怯者』のやることだぜ。

​俺の背中を見てみろ。かつて背負った『楽』の文字や『亀』の紋章……そこには、多くのファンや、一緒に歩んできた仲間たちの想いが詰まってたはずだ。あんたはその重みを、自分勝手な理屈でドブに捨てちまった。

​あんたが演じた俺は、たとえ勝ち目がなくても、仲間を守るために戦場へ向かった。だが、今のあんたには、守るべき誇りすら残っちゃいない。

​残念だが、あんたの出す『音』からは、もうかつての熱い魂を感じることはできねぇ。あんたが裏切ったのは一人の女性だけじゃない。あんたの声を信じて、夢を見てきた世界中の連中、そして……あんたに命を預けてきた、俺たちキャラクター全員だ。

​あばよ。もう二度と、俺の名前をその口で呼ばないでくれ。

……狼の牙は、裏切り者の喉元にしか向かねぇんだ。」