ソーシャルアプリ企画に関する考察、第二回は
「そのアプリのテーマ(モチーフ)はヒットするのか?」
ということの検証方法についてです。
ソーシャルアプリのなかでも、日本では特にモバゲー・GREEのように
携帯アプリが大いにヒットしているというのは周知の事実です。
では、その中でも「大ヒットするアプリ」を作るためには
どのようなモチーフを取り扱うのがいいのでしょうか。
モチーフについてですが、
大雑把にわけると「リアル」と「ファンタジー」の
二種類に分けられると思います。
ここでは、
「リアル」・・・現実を元にしている、またはユーザーの大多数が現実同様に慣れ親しんでいるもの
「ファンタジー」・・・提供者側が独自に作り上げた世界観を基にしているもの
ということでいったん定義します。
前者は農園ゲーム、後者はよくあるRPG系などがその代表例ですね。
で、ソーシャルアプリを企画する祭にはモチーフ決めから入ること、
すなわちどんな世界をアプリ化しようか考えることから入ることが多いのですが、
この「リアル」「ファンタジー」の概念は
アプリがヒットするかどうかに大きく関わってきます。
以下は経験則とヒューリスティックな分析からのまとめなのですが、
【リアルなモチーフ】
■メリット
・世界観を説明する必要がないため大多数のユーザーが受け入れやすい
・実際のモチーフに沿って考えれば、ゲームを設計しやすい
・ストーリー性があまり重要ではないためシナリオライターなどのアサインが不要→コストがかかりにくい
■デメリット
・モチーフ選びに失敗すると全く日の目を見ない
→例えば「アメフト」というテーマに食いつくユーザーの母数は日本ではかなり少ない
・作りやすいため、同じモチーフの競合アプリが多くなりがち
→例えば、今から農園系アプリを作るのはかなり厳しい
・課金力が弱くなりがち(非日常感が薄いため?)
→イベント設計のうまさなど、高度なノウハウが必要
【ファンタジーなモチーフ】
■メリット
・課金力を強めやすい(非日常感が強いため?)
・オリジナリティを出せるため競合とモチーフがかぶりにくい
・アイデアが無限に出せる
■デメリット
・ストーリー性が弱いと陳腐な内容になりやすい
・シナリオライターのアサインなど、コストをかける必要が発生しやすい
・ゲームの設計が難しい
上記のような特徴があると思います。
実際にはこの「リアル」「ファンタジー」の両軸から
バランスをとって作り上げていくことが多くなります。
戦国モノなんかがいい例だと思います。
ちなみに、『怪盗ロワイヤル』は、リアルとファンタジーのバランスが非常にいいと考えています。
ルパンⅢ世という大人気作品の存在もあり、
日本では怪盗というものが非常に受け入れられやすい土壌がありますし。
というところで一度、携帯ソーシャルアプリのヒット作品を見てみると、
■リアル系のヒット作の例とモチーフ
・怪盗ロワイヤル(怪盗。モバゲー)
・戦国ロワイヤル(戦国時代。モバゲー)
・釣りスタ(釣り。GREE)
・ハコニワ(ガーデニング。GREE)
・サンシャイン牧場(農場牧場。mixi)
■ファンタジー系のヒット作の例とモチーフ
・大乱闘ギルドバトル(勇者もの?モバゲー)
・ドラゴンコレクション(モンスターもの。GREE)
などが挙げられるかと思います。
※分類は若干あやしいのであまり突っ込まず・・・
こうしてみると、ファンタジーよりもリアルに近いもののほうが
ヒット作を挙げやすいようです。
実際には「熱血硬派くにおバトル」や「喧嘩番長」も十分ヒットしているのですが、
これらのように元となるゲームがあり、それがヒットしている場合は
モチーフの受け入れやすさという意味でリアル系に分類したほうが
考え方としてはわかりやすいと思い、ファンタジー系に分類していません。
ファンタジー系として挙げてみた2つのアプリについては、
どちらもあまり世界観やストーリー性を前面に打ち出していないようです。
つまり、「ストーリー性で魅せる」というよりは
「ストーリー性をボトルネックにしない」という戦略で
ヒットさせたといえるのかもしれません。
開発者の方がどう考えているのかはわかりませんが・・・
ちなみに手間味噌ながらサイバーエージェントグループでは
・コーデマニア(洋服コーデ。GREE)
・星空バータウン(BAR。mixi)
・行列のできるラーメン屋さん(ラーメン。モバゲー)
という、どこに出しても恥ずかしくないヒットアプリがあるわけですが、
これらはすべて、リアルなモチーフです。
限定イベントなどではファンタジーな部分もあったりしますが、
リリース時は99%リアルというくらいに、世界観がスムーズに伝わるものだったかと。
ドリームプロデューサーについては微妙なところですが、
個人的にはリアル7割、ファンタジー3割くらいで
リアルに寄っているという感覚で企画していました。
現状の評価としては、
やはり大多数のユーザーが受け入れやすい「リアル系」のモチーフのほうが
集客において圧倒的なアドバンテージがあるためヒットしやすいようです。
ソーシャルアプリを企画する方は、
リアルとファンタジーのどちらによった企画を作ろうとしているのか、
ファンタジー寄りならばその世界観は多くの人に受け入れてもらえるのか、
自身の考えを客観的に評価しながら企画を進めていったほうが失敗はしにくいのかなと思います。
なおここからは完全な私見ですが、
今後の携帯ソーシャルアプリにおいては
ファンタジー寄りの要素をどれだけうまくハンドリングしていくか、
という点がヒットアプリかどうかの分かれ目になるのではないかと思います。
すでにリアルなモチーフについては、
既存のものを超えるようなアイデアが出尽くしてきているという感が否めないため、
ユーザーを飽きさせないためにはどうしても
世界観を創作して付け足していく必要があるからです。
ちょうどファミコンが出たてのころは
「テニス」「ベースボール」というような、リアルのモチーフをシンプルに表現したものが多かったのが、
しばらくしてドラクエなどのRPG系、ロックマンなどのオリジナルキャラ系アクションなど
ジャンルが細分化していったというのと同様かと思います。
なお、ここでは携帯ソーシャルアプリの話として書いています。
PCを含めると、端末性能が段違いであるため、
リアルのものを使っても表現部分で大きく差別化することが可能です。
よってPCのソーシャルアプリでは、
まだしばらくはリアル系モチーフががんばり続けるのではないでしょうか。
今回は実務上すぐに役立つ内容とは言いがたいかもしれませんが、
企画の迷走を防ぐうえで重要なことだと思ったため
思考の整理のためにも書いてみました。
自分の頭の中で使っている言葉が多かったため、伝わりづらい部分もあるかと思います。
考察についての質問、議論などはTwitterにて~
@kesk777
「そのアプリのテーマ(モチーフ)はヒットするのか?」
ということの検証方法についてです。
ソーシャルアプリのなかでも、日本では特にモバゲー・GREEのように
携帯アプリが大いにヒットしているというのは周知の事実です。
では、その中でも「大ヒットするアプリ」を作るためには
どのようなモチーフを取り扱うのがいいのでしょうか。
モチーフについてですが、
大雑把にわけると「リアル」と「ファンタジー」の
二種類に分けられると思います。
ここでは、
「リアル」・・・現実を元にしている、またはユーザーの大多数が現実同様に慣れ親しんでいるもの
「ファンタジー」・・・提供者側が独自に作り上げた世界観を基にしているもの
ということでいったん定義します。
前者は農園ゲーム、後者はよくあるRPG系などがその代表例ですね。
で、ソーシャルアプリを企画する祭にはモチーフ決めから入ること、
すなわちどんな世界をアプリ化しようか考えることから入ることが多いのですが、
この「リアル」「ファンタジー」の概念は
アプリがヒットするかどうかに大きく関わってきます。
以下は経験則とヒューリスティックな分析からのまとめなのですが、
【リアルなモチーフ】
■メリット
・世界観を説明する必要がないため大多数のユーザーが受け入れやすい
・実際のモチーフに沿って考えれば、ゲームを設計しやすい
・ストーリー性があまり重要ではないためシナリオライターなどのアサインが不要→コストがかかりにくい
■デメリット
・モチーフ選びに失敗すると全く日の目を見ない
→例えば「アメフト」というテーマに食いつくユーザーの母数は日本ではかなり少ない
・作りやすいため、同じモチーフの競合アプリが多くなりがち
→例えば、今から農園系アプリを作るのはかなり厳しい
・課金力が弱くなりがち(非日常感が薄いため?)
→イベント設計のうまさなど、高度なノウハウが必要
【ファンタジーなモチーフ】
■メリット
・課金力を強めやすい(非日常感が強いため?)
・オリジナリティを出せるため競合とモチーフがかぶりにくい
・アイデアが無限に出せる
■デメリット
・ストーリー性が弱いと陳腐な内容になりやすい
・シナリオライターのアサインなど、コストをかける必要が発生しやすい
・ゲームの設計が難しい
上記のような特徴があると思います。
実際にはこの「リアル」「ファンタジー」の両軸から
バランスをとって作り上げていくことが多くなります。
戦国モノなんかがいい例だと思います。
ちなみに、『怪盗ロワイヤル』は、リアルとファンタジーのバランスが非常にいいと考えています。
ルパンⅢ世という大人気作品の存在もあり、
日本では怪盗というものが非常に受け入れられやすい土壌がありますし。
というところで一度、携帯ソーシャルアプリのヒット作品を見てみると、
■リアル系のヒット作の例とモチーフ
・怪盗ロワイヤル(怪盗。モバゲー)
・戦国ロワイヤル(戦国時代。モバゲー)
・釣りスタ(釣り。GREE)
・ハコニワ(ガーデニング。GREE)
・サンシャイン牧場(農場牧場。mixi)
■ファンタジー系のヒット作の例とモチーフ
・大乱闘ギルドバトル(勇者もの?モバゲー)
・ドラゴンコレクション(モンスターもの。GREE)
などが挙げられるかと思います。
※分類は若干あやしいのであまり突っ込まず・・・
こうしてみると、ファンタジーよりもリアルに近いもののほうが
ヒット作を挙げやすいようです。
実際には「熱血硬派くにおバトル」や「喧嘩番長」も十分ヒットしているのですが、
これらのように元となるゲームがあり、それがヒットしている場合は
モチーフの受け入れやすさという意味でリアル系に分類したほうが
考え方としてはわかりやすいと思い、ファンタジー系に分類していません。
ファンタジー系として挙げてみた2つのアプリについては、
どちらもあまり世界観やストーリー性を前面に打ち出していないようです。
つまり、「ストーリー性で魅せる」というよりは
「ストーリー性をボトルネックにしない」という戦略で
ヒットさせたといえるのかもしれません。
開発者の方がどう考えているのかはわかりませんが・・・
ちなみに手間味噌ながらサイバーエージェントグループでは
・コーデマニア(洋服コーデ。GREE)
・星空バータウン(BAR。mixi)
・行列のできるラーメン屋さん(ラーメン。モバゲー)
という、どこに出しても恥ずかしくないヒットアプリがあるわけですが、
これらはすべて、リアルなモチーフです。
限定イベントなどではファンタジーな部分もあったりしますが、
リリース時は99%リアルというくらいに、世界観がスムーズに伝わるものだったかと。
ドリームプロデューサーについては微妙なところですが、
個人的にはリアル7割、ファンタジー3割くらいで
リアルに寄っているという感覚で企画していました。
現状の評価としては、
やはり大多数のユーザーが受け入れやすい「リアル系」のモチーフのほうが
集客において圧倒的なアドバンテージがあるためヒットしやすいようです。
ソーシャルアプリを企画する方は、
リアルとファンタジーのどちらによった企画を作ろうとしているのか、
ファンタジー寄りならばその世界観は多くの人に受け入れてもらえるのか、
自身の考えを客観的に評価しながら企画を進めていったほうが失敗はしにくいのかなと思います。
なおここからは完全な私見ですが、
今後の携帯ソーシャルアプリにおいては
ファンタジー寄りの要素をどれだけうまくハンドリングしていくか、
という点がヒットアプリかどうかの分かれ目になるのではないかと思います。
すでにリアルなモチーフについては、
既存のものを超えるようなアイデアが出尽くしてきているという感が否めないため、
ユーザーを飽きさせないためにはどうしても
世界観を創作して付け足していく必要があるからです。
ちょうどファミコンが出たてのころは
「テニス」「ベースボール」というような、リアルのモチーフをシンプルに表現したものが多かったのが、
しばらくしてドラクエなどのRPG系、ロックマンなどのオリジナルキャラ系アクションなど
ジャンルが細分化していったというのと同様かと思います。
なお、ここでは携帯ソーシャルアプリの話として書いています。
PCを含めると、端末性能が段違いであるため、
リアルのものを使っても表現部分で大きく差別化することが可能です。
よってPCのソーシャルアプリでは、
まだしばらくはリアル系モチーフががんばり続けるのではないでしょうか。
今回は実務上すぐに役立つ内容とは言いがたいかもしれませんが、
企画の迷走を防ぐうえで重要なことだと思ったため
思考の整理のためにも書いてみました。
自分の頭の中で使っている言葉が多かったため、伝わりづらい部分もあるかと思います。
考察についての質問、議論などはTwitterにて~
@kesk777