トンネルを抜けて
列車を降りると
秩父の空は
とても青かった
9月24日
今日は母の誕生日
記憶がかなり曖昧な母だから
話すことが
それほどあるわけではなくて
誕生日ごとに
チューリップの球根を
ずいぶんとたくさん贈ったのを
覚えてる?
おかあさんの花壇には
春が来るたびに花を咲かせるチューリップが
まだあるよ
ああそうかい
母の誕生日が来るたびに
ホームセンターや園芸店で
チューリップや水仙
ムスカリの球根を見ては
母を思いだすのだろう
おそらく最後の誕生日に
なるであろう
今日
母の記憶は花の記憶と
母を見ながら
独りごちた
次に来た時
母は
わたしを覚えていないだろう
記憶の糸を
丹念にたぐりせてたら
思いだしてくれるだろうか
今日のように
母と別れて
いつもの場所に向かい
花を撮った
花には虫がいた
この草むらだけで
いったいどれだけの数のバッタがいるのだろう
びゅんびゅんびゅんびゅん
飛んでいた
普通に歩いていた
ときおり
iPhoneに向かってきた!
母の
晩年の記憶と
ウグイス
tobi
蝶たち
バッタ
四季折々の
それらのいる風景は
セットになっている










