週足チャートで振り返る【4月13日週の相場まとめ】
Ciao![]()
先週の相場を振り返りましょう。
先週の米市場は上昇。
ダウ平均は3週続伸、週間の上げ幅は1530ドルと、昨年6月23日週の1612ドル以来の大きさ。
ナスダックは金曜まで13営業日連続上昇で1992年1月以来およそ34年ぶりの記録となりました。S&P500も連日で最高値更新です。
地政学リスクの後退を起点としたリスクオン回帰が鮮明となり、調整局面から一気に持ち直す展開となりました。ただしその中身を丁寧に見ていくと、ファンダメンタルズの改善というよりは、イベントドリブンと需給の歪みが解消されたことによる上昇であったことがポイントでしょう。
週初は中東情勢を巡る不透明感が依然として相場の重しとなっていました。前週末に米国とイランの直接協議が合意に至らなかったことやトランプ米大統領がホルムズ海峡の封鎖を開始すると表明したことが報じられ、米国とイラン、そしてイスラエルを巡る緊張感やエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡の安全性に対する懸念が続いていました。しかし停戦に向けた協議が継続されているとの報道や、エネルギー輸送が徐々に再開しつつあるとの認識が米政府高官から示されるなど、市場は最悪期は通過したのではないかという期待を織り込み始めます。
週の中盤に入ると、この流れがより明確になります。ホルムズ海峡の通航に関する制約が緩和されるとの観測や、イラン側の姿勢軟化を示唆する発言、さらには米国側からの停戦に前向きなメッセージが重なり、地政学リスク後退で原油価格が下落したことが株式市場にプラスでした。インフレ圧力が後退し、長期金利の上昇圧力を和らげ、とりわけ金利に敏感なハイテク株にとって強い追い風に。
そして週後半にイランがホルムズ海峡の完全開放に言及し、トランプ大統領が追認する形となったことで、エネルギー供給不安は一気に後退しました。
これにより原油価格は急落し、インフレ懸念はさらに低下。
結果として投資家のリスク選好姿勢は大きく改善し、週末にかけて急速なリバウンド相場が形成されました。エネルギー株には売りが出た一方で、ハイテクや消費関連といったグロースセクターへの資金流入が顕著となり(TSMCの好決算をきっかけにAI関連需要の強さが再確認されたことなども寄与している模様)市場全体としてはインフレ低下シナリオに沿った動きが広がりました。
株式市場に相当量のショートポジションが積み上がっていたところに地政学リスクの後退と原油価格の急落が重なったことで、売り方の買い戻しが連鎖的に発生し、結果として株価はニュースの改善度以上に大きく上昇したと考えられます。
なお、マクロ経済の観点から見ると、金融政策そのものに大きな変化があったわけではありません。先週発表された3月卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と、市場予想の1.1%を下回りました。前月分も下方修正されており、表面的にはインフレ圧力の鈍化を示す内容となっています。
しかし原油価格が急速に落ち着いてきたとはいえ中東情勢に伴うエネルギー価格の上昇は企業コストへの圧力として依然として残っていると考えられます。
総じて先週の米市場は地政学リスクの緩和を起点に、原油価格の下落、インフレ懸念の後退、そしてショートカバーの発生という流れが連鎖的に起こり、急速にリスクオンへと転じた一週間だったと言えそうです。しかし実体経済の改善に裏打ちされたものではないため、前提条件が崩れれば再び不安定化する可能性も十分にあります。特に、原油価格の再上昇や停戦協議の不透明化、あるいは金利の再上昇といった要因が重なれば、ボラティリティは再び高まりやすい局面にあると考えます。
先週の日経平均は週足で1551円79銭の上昇。
米市場同様に地政学リスクの後退から16日の日経平均株価は、前日比1384円高の5万9518円と続伸し、中東紛争前の水準である 2月27日に付けた5万8850円を上回り、過去最高値を更新しました。金曜には利益確定売りが出たものの週末に日経平均先物は6万円近くまで上昇しました。
上昇の中心は、やはり半導体やAI関連といった値がさグロース株で、海外マネーの流入も確認できる典型的なリスクオン相場でした。4月第2週の投資主体別売買動向では外国人投資家は2週連続の買い越し、個人投資家は売り越しです。
ただし、ここで重要なのは「上昇の質」です。今週は日経平均主導の上昇が顕著で、TOPIXの上昇は比較的限定的でした。NT倍率の上昇は相場の歪みを示すといいますが、指数を押し上げているのは一部の大型株であり、市場全体の底上げというよりは集中物色の色合いが強い上昇だったと言えます。
ドル円チャートはあまり方向性がありませんでした。






