元利用者が旅立った。
最後に会ったのはいつやったかな。
記憶の中の元利用者は、前歯のない口を開けてニヤリと笑ってイタズラするんよね。
集中力があって、細かい作業もお手の物。
疲れて体調壊すんじゃないかとこっちがヒヤヒヤするくらい、根気強い。
食べ物にはさほど興味なくて、何でも人に分けてあげるんよね。
自分の分がなくなっても、ニカッと笑って、人が受け取ってくれたことに喜んでたのが印象的やったな。
急やな。急すぎる。
こんなことでもないと思い出さへん私も酷いな。
いつでも行けば会えるって思ってたわ。
あのニカニカした顔で、前みたいに叩こうとしたり、冗談で噛みつこうとしたり。
薄情すぎたな。
ごめん。
あなたに教えて貰ったことは山ほどあるのに、私は何か返せたんかな。
なにか貢献できたんかな。
記憶の中のあなたが思い返されて、後悔も混じって、涙が止まらへんわ。
明日は私にとって、久しぶりの同窓会みたいやな。
懐かしい顔がたくさん見られるわ。
やっぱり私の原点は、今の私があるのは、今の仕事で役立っているのは、あなたたちの存在が大きい。
間違いなくあなたたちのお陰なんや。
人としての根本的なことを学ばせて貰ったのは、あなたたちからなんや。
人への関わり方を教えてくれて、経験させてくれて、私を成長させてくれたのは、あなたたちなんや。
感謝してもしきれへんわ。
貢献する前に、飛び出してごめん。
ありがとう。
ゆっくり休んでな。
ほんまにありがとう。