「月とアマリリス」町田そのこ 2025年


あらすじ
北九州の山中で発見された白骨化した遺体。

元事件記者の飯塚みちるの元に
編集者で元同僚元恋人の堂本宗次郎から
仕事の依頼を受ける。
記者時代のある事件での自分のミスで
辞めざるをえなかったみちるは
もう記者はやらないと決めたものの
自分の地元での事件ということもあり
気になり探り始める。
次々と明かされていく事実と
引き返せない思いがみちるの心を揺さぶる。


葛藤に苦しむみちるの言葉が胸に滲みる。
「自分自身が怖い
無意識に誰かを傷つけて
でも、傷つけられたことだけをしっかり覚えて
自分だけはまっすぐ生きてきたような顔を
していた愚かな自分が。
こんなわたしが、これからもぶれることなく
事件を追えるのだろうか。」

寄り添う井口の言葉に救われる。
「誰だって誰かを傷つけて生きているんだよ。
自分もそうだと気付いたのなら
これ以上傷つけないように
気を付けていくしかない。
あなたにも誰かを傷つけた過去があったことを
教えてくれたその人に感謝してさ。
生かせばいい。それだけなんだよ。
向き合うのは大事だけど
考えすぎるのはダメだ。」
(一部抜粋)


事件の真相が次々と明かされ
そこには人の弱さや痛み苦しみが
複雑に絡み合って歪んだ結果だった。
誰しもその歪みの沼にはまる可能性は
あるのだと思った。

町田さんのメッセージが
胸に強く伝わってくる作品だった。
重い題材の中でもどこか救いのある…
やっぱり町田さんの作品が好きだ✨