咳をしながらも汐梨、
「…あ、うん。…何とかね。…けど、全く~~。参った~~。何とも、朦朧としてる。」
その声に耀司、
「おぃおぃおぃ。」
汐梨、
「あん。でも、パパがいるから全然、大丈夫だから。」
その声に勝臣もニッコリと。
「何たって、頼れるからね~~。コホッ。」
スマホから耀司の声、
「はいはいはい。ご馳走様です。」
「まだ、熱は、38度6。」
その声に耀司、
「うえ…。」
「しっかし…。どこから、誰にうつされたのか、全く分かんない。朝、会社に電話したら、スタッフのひとりもダウンして休んじゃったって。」
耀司、その話を聞いて、
「え~~~???」
耀司、パソコンを閉じて椅子から立ち上がり、
「いやいやいや。」
そしてドアを開けて、
「…って言うか、芙美花の学校も。」
スマホから、
「え~~~???」
汐梨、勝臣を見て、
「芙美花の学校もだって。」
勝臣、途端に顔をぐんにゃりとされて、
「わお。」
汐梨、
「あ。でも、芙美花は…。」
耀司、廊下を歩いてリビングに。
「あぁ、今は。」
睦美を見て、
「睦美さん、来てくれている。」
汐梨の声、
「睦美さん…???…来てるの…???」
勝臣を見て。
勝臣も目を真ん丸に。そして、口を噤んで。
汐梨、
「芙美花、インフルなのに…???」
睦美、電話をしている耀司を見て、
「…???」
耀司、
「汐梨から。」
睦美、瞬きをして。
耀司、スマホに、
「来るなと言われても、来ますって。」
スマホから汐梨の声、
「わお。」
そして、
「かかかかか。コホッ。」
耀司、スマホに。
「マスクして~~。手には、しっかりと、グローブで。」
スマホから、
「わお。」
睦美、
「電話。汐梨さん…???」
耀司、睦美に、
「うん。」
「代わって、いいですか。」
耀司、
「はいよ。OK~~。」
耀司、スマホを睦美に。
睦美、スマホを耳に、
「もしもし。睦美です。汐梨さん。」
その声に汐梨、
「あ。睦美さん。コホッ。」
勝臣をチラリと見て。
「あん。…ごめんね~~、睦美さ~~ん。」
声は完全に掠れている。
睦美、スマホに、目を真ん丸にして、そして首を振りながら、
「あぁ、いえいえ。でも、汐梨さん、物凄、辛そう~~。声が…。」
「うん。」
汐梨。
「完璧に最悪なの。声は枯れるわ、鼻は詰まってるわ、熱はあるわ。咳は出るわ。朝からず~~~っと、寝てたから~~。コホッ。さっき起きて、パパからお粥作ってもらって、それ食べて~~。まっ。意識はハッキリとしてるから~~。」
こちらは睦美。スマホに、
「私も、こちらに来て、芙美花さん、着替えをして、お粥とヨーグルト。はは。全部食べてくれて~~。今、ぐっすりと休んでる~~。」
スマホから汐梨の声、
「ありがとう~~。コホッ。…まさか、私もインフルなんて~~。一度も罹った事ないのに~~。」
睦美、目を丸く、
「え…???…一度も…???…インフルエンザ。」
耀司、テーブルの傍で立ったままで。
「あ~~。うん。俺の記憶する限り、俺も汐梨も、生まれてこの方、病気らしい病気は一度も。」
その話に睦美、
「凄~~い。病気に一度も…???」
汐梨、コクリと。
「うん。そう。だからね~~。最悪~~。」
睦美、
「お大事になさってくださ~~い。…私は、去年に、しっかりとインフルエンザに。1週間、寝たきり状態。酷かったですから~~。」
汐梨、頷きながら、
「うんうんうん。コホッ。とにかく、芙美花の事、お願いねぇ~~。」
睦美、ニッコリと。
「はい。分かりました。」
汐梨、
「…で。兄さんの事も。」
ペコリとして、
「お願いします。」
睦美、耀司を見て口角を上げて、
「はい。畏まりました。今、カレー、作ってますから。」
掠れた声で汐梨、ニッコリと。
「わお。」
そして、
「すみませ~~ん。」
睦美、微笑みながらもスマホを耀司。
耀司、頷いて。そして、
「とにかく、ゆっくりと休みな。おま、その感じじゃ、相当~~。」
汐梨の声、
「あん、兄さん。うん。」
そして。
「芙美花、悔しがってたでしょう~~。芙美花も一度も病気って。」
耀司、
「あぁ。悔しがってた。悔しいよ~~、一度も病気、した事なかったのに~~って。」
その声に汐梨、
「だよね~~。」
傍で勝臣、
「ママ。」
汐梨、その声に頷いて。そして、
「じゃ、兄さん。」
耀司、
「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」
汐梨、コクリと。
「うん。じゃあね。」
通話は切れる。
耀司、カレーの匂いに。
「おほ。いい匂~~い。」
睦美、
「そろそろ。ですね~~。」
耀司、睦美に一礼をして、
「ありがとうございます。」
そして…。初めての…。テーブルを挟んでの、夕食。
耀司、カレーを一口。そして、眉間に皺を。
「うん。旨い。アチ。」
その声に睦美、ニッコリと。
「ありがとうございます。」
何かしら、耀司、ふっ切れた感があった。そして…。いつも通りに。空腹であった。
美味しそうに食べる耀司を見て睦美、
「ははは。耀司さん、本当に美味しそうに食べますよね。」
その声に耀司、睦美を見て、
「うん…???」
そして、ニッコリと。
「ははは。」
そして、
「当~~然。」

ママでいい…。 vol,309. 耀司、「おぅ。任せろ。一晩くらい、寝なくたって俺。芙美花の事は任せろ。」
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