「やっぱり眞鍋さん、ピアノ、凄いんだ~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 万智、教室に備品をと。

その帰りに、
「ん…???…ピアノ…。」
その音に引かれるように空いている教室を。いきなり、
「ウソ。凄っ。眞鍋さん。」

ピアノを弾いている睦美。奥まった教室からの音であり事務局には聞こえるはずもない。
そして…、ある意味、教室長室の部屋の方が近い位置にある。

何とも聞き惚れている万智。
「やっぱり眞鍋さん、ピアノ、凄いんだ~~。はははは。…けど、何と言う曲…???…はて…。」

「リストのラ・カンパネラと言う曲。」
男性のその声に万智、体をビクンとさせて、
「わっ。びっくりした~~。」
振り向くと教室長の善川冴(よしかわさえ)と生野。

万智、
「事務局長~~。それに教室長~~。」

生野、万智にニコニコと、
「ははははは。びっくりさせましたか。」

善川、ピアノのメロディを聞きながら、
「さすがは、眞鍋さん。凄いわね。」

生野、ニコニコと、
「えぇ~~。空いている時間はいつでも。と、言ってますから。」

その声に善川も、
「えぇ。その方が良い。弾いてもらえているピアノも喜んでいるから。」

生野、
「ですよね~~。」

万智、
「えっ…???…じゃあ…、眞鍋さん、いつも…、こんな感じで…???」

 

そんな万智に生野、
「えぇ。」

善川も、
「そうよ。まっ。この人は~~。眞鍋さんは、事務局員よりも、ピアノ講師の方が合っているんだけど。でもね~~。」

生野、教室の中の、ピアノを弾いている眞鍋を見て、
「中々どうして。ピアノ講師も、今以上には…。もし、仮に…、万が一にでも、欠員が出れば…。」

善川も、
「まぁね~~。それはそれで。その時はその時で、亜耶乃さんとも話し合った結果。」

聞けば聞くほど激しさを増すピアノ演奏。万智、
「うわっ。凄。こんなに。」

生野、
「ははははは。眞鍋さんですから、この程度は…。」

善川も、
「ふふふふ。申し分なしね。」

万智、目を真ん丸に。
「マジで。こんなに弾ける。わ~~お。」

生野、
「まっ。確かに。元ピアニスト。…多分、我ヨシカワ音楽教室でも、これだけ弾ける人って言うのは…。何人もピアノ講師、いますけど…。小白川先生以外には…。」
生野、善川を見て、教室の中の眞鍋に顎をクィっと。
「眞鍋さん。…かも知れませんね~~。」

万智、その話に目を丸く、
「うっそっ!!!」

善川もその話に微笑みながら。

万智、途端に口に両手を。
「へぇ~~。凄~~い。眞鍋さ~~ん。」

生野、万智に。
「あ。でも、元嶺さん、この事は他の事務局員には…。」
口に人差し指一本。
「くれぐれも、休み時間を利用しての…。」

「あ、あ~~。はい。」
「それでなくとも、眞鍋さん、自分のプライベートの事は…。」

善川、微笑みながらふたりに、
「それじゃあ、私は。」

生野、善川に一礼して、
「はい。行ってらっしゃませ。」

生野、万智にも、
「まぁ。この教室なら事務局の方にも聞こえませんから。向こうから行けばスタッフルーム。休憩室になりますから。眞鍋さんにもそう説明はしています。」

万智、
「あ、じゃあ、眞鍋さん、いつも、休憩室の方を通ってここに…???」

生野、ニッコリと顔をコクリと。
「恐らく。」
そして、ニコリと。

ピアノの音が止まった。睦美、静かに体を元の位置に。そしてゆっくりと深呼吸。
「ふぅ~~~。」
そして…、頭の中で…。
「…ヨシ。決めよう…。…いつまで経っても…。」
自分自身に納得させるかのように。顔をコクリと。
「だね。」
そしてピアノの蓋を。椅子から立ち上がり入口に体を。
その瞬間、入り口で立っている生野と万智。睦美、思わず瞬きをして。
いそいそと。教室から出て、顔は赤面状態。

万智と生野に顔をコクリと。
「どうも。」

万智、目を真ん丸にして、聞こえない両手での拍手。
「眞鍋さん、凄~~い。」

そんな万智に睦美、困ったような顔をして。けれども微笑みながらも顔をコクリ。

生野はニコニコと、
「お疲れ様。」

睦美、一礼をして、そして来た方向に。休憩室の方向である。

万智、
「あ。やっぱり。」

生野、ニコニコと万智を見て、
「ねっ。」






子供たちのピアノレッスンの時間が迫っている。
事務局を通る子供たち。そして父兄。
「こんにちは~~。」

事務局員たちも、
「こんにちは~~。」

そして…。

木守と麻沙美も、
「こんにちは~~~。」

睦美、そんな木守と麻沙美の声に、カウンターの方に顔を。
そして、昨日の夜の木守の声が頭の中で。
「…お願い。兄さんの事、少し、気に掛けてくれたら嬉しい…。」

事実、睦美、引っ込み思案の自分を、
「そんな風には思わない。」
そんな風に言葉にして言ってくれる人が、すぐ近くにいる事自体に、嬉しさを感じていた。


珠里が木守に、
「木守さん。高井戸さんって、何処か…。…最近、全然見ないから。」

すると、他の事務局員たちも、
「うんうんうん。」
みな、頷きながら。

そんな声に木守、申し訳なさそうな顔で、
「ごめんなさ~~い。兄は今~~。」








ママでいい…。   vol,144.   「やっぱり眞鍋さん、ピアノ、凄いんだ~~。」

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