「何やってんだか。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 5人共に、正面玄関とは異なる方向に…。
耀司、右手で後部座席のドアを。

晄史が補助して、
「よっこいしょっと~~。右側から乗るしか…。」

晄史、
「左足は大丈夫ですもんね~~。」

耀司、晄史にニッコリと、
「うん。」

汐梨は運転席に。そして、
「じゃあ、行くよ。」
窓を開けて。汐梨、3人に、
「それじゃあ。」
ニッコリと。

晄史、睦美、誓、一礼して、そして高井戸にも一礼を。
「おやすみなさい。」


車は動き出す。



汐梨、右見て、左見て、
「おし。」
そして、
「や~~れやれ~~。」

後部座席から耀司、
「何ともな~~。」

「それはこっちの台詞~~。電話来て話聞いてビ~~ックリ~~。」

耀司、その声に、
「面目ない。」

「何やってんだか。」

耀司、唇を尖らせて。

運転しながら汐梨、
「ま~~た、またまた、ひと手間増えたわ~~。」

耀司、
「だから~~。面目ないって~~。」

「はいはい、聞きました~~。…って言うか…。それにしても、さすがに凄いね。」

耀司、前を見ながら、
「う~~ん…???」

「階段から落ちて、すぐさま人を庇って抱き締めて…、で、落ちる。ドラマや映画じゃないんだから~~。…それに…、刑事ものでもないんだから~~。…それで、肩の打撲に足の軽い捻挫。」
汐梨、バックミラーを見ながら、
「ね。」

耀司、
「うん。」

「階段って、どんな階段だったの…???」

「ん~~~。」
耀司。
「確か…。ロビーから踊り場までは何段…???…そこから右に折れて…、10段以上は、あったかな…。踊り場までより、踊り場からが長い。勾配にして…???…30度くらいかな~~。まっ。ロビーの天井自体、高かったからな~~。」

汐梨、
「ふ~~ん。…そっから、転がり落ちた。」

「うん。」
耀司、顔をコクリと。

「…って言うか。」
汐梨。
「家庭の階段…???…まっ。その殆どは木造だろうけど…。ホールだからねぇ~~。鉄筋…???」

「うんうんうん。多分。…まっ。そんな詳しくは見てないけど…。」

いきなり汐梨、
「う~~~。ゾッとする~~。」

耀司、
「何が言いたい。」

「まっ。一言。」
またバックミラーを見て、
「良くぞ、ご帰還。」

「当たり前だ。」

「かかかかか。…さ~~てと~~。芙美花、心配してるぞ~~。」






こちらは…。

タクシーを拾っての晄史、睦美、誓。睦美、晄史と誓に挟まれて。

「高井戸さん、大丈夫かな~~。」
晄史、
「打撲と捻挫。ん~~~。」

誓、
「それにしても、凄いよね~~。」

睦美、誓に、
「ん~~~???」

「お義姉さんを抱き締めて転がり落ちる。」

睦美、
「あ~~ん、それ、もぅ止めて。」
両手で顔を覆いながら、
「もぅ…、申し訳なくって、申し訳なくって~~。高井戸さんにもしもの事あったら~~。」

晄史は晄史で、階段から落ちた、その時の事を頭の中で…。
…けれども…。考えれば考える程…。そして…、いきなり。目尻から涙が…。

誓、
「ちょっと~~。晄史~~。聞いてる~~???」

瞬間、晄史、体をビクンと。そして数回の瞬き。そして鼻を啜って。首をぎこちなく、
「うん…???…えっ…???…何…???」
体を動かして姉と誓を。
「うん…???」

思わず睦美、瞬きする晄史を見て、
「うん…???」
僅かに頭を引くように、
「どうしたの。」

車内、暗くてあまり良く分からないが、何かしら、鼻声の晄史。

睦美、誓、
「もしかして…。涙…???」

晄史、ふたりのその声に、
「えっ…???…あ…。はは。いやいや。…ってか。」

そんな晄史を見る睦美と誓。

晄史、
「ん~~~。何て言うか…。」
瞬きしながら、
「高井戸さん。」
そこまで言って、思わずニコニコして、
「ははは。凄いや。って、思って…。…いや。だってさ。姉さんを抱きながら階段。…はは。あの時の事、考えたら、なんでか…、涙…、出て来た。ははははは。」

その声に睦美、
「晄史。」
そして、ニッコリと。
「ふふ。うん。」

晄史、
「とにかく…。姉さん、何ともなくって。」

睦美、そんな晄史に、
「ありがと。心配してくれて。」

いきなり誓、シートに深く。そして、
「はは。どんなもんだい、私の旦那様。」

睦美、思わず誓の右肩に自分の左肩を押し込んで、
「え~~~~???…はははは。私の弟なんですけど~~。」

誓、目を真ん丸に、
「わお。そうでした~~~。かかかかか。」






チャイムの音で芙美花、玄関に。
「おとうさんっ!!!」

汐梨、耀司の後ろから、
「ただいま~~。」

芙美花、父の姿に、
「大丈夫なの~~~???」

松葉杖を使って、
「んしょっと。」

汐梨、
「おっと、兄さん。」
耀司の右肩を支えながら。

バセットもゆっくりと玄関に、
「クゥ~~ン。」

耀司、ゆっくりと玄関のフロアに腰を下ろして、右手で靴を。
「何とかね~~。大丈夫…。とは、言えないけど~~。」

芙美花、
「もぅ~~~。」

汐梨も、
「はい。私も、そのもぅ~~は、言いました~~。」

芙美花、
「電話で眞鍋さん…???」

耀司、
「あぁ。」
そして耀司、ゆっくりと立ち上がり、
「おしっと。」








ママでいい…。   vol,114.   「何やってんだか。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 


《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ