芙美花、スマホを耳に、
「何で、何で…???…何でそんなことに。」
耀司、何とか、記憶を辿って芙美花に事の顛末を。
芙美花、
「病院って、まさか、入院…???」
キッパリと耀司、
「それはない。汐梨が今、こっちに向かってるから。」
芙美花、その声に、
「あん。うん。おばちゃんが行ってくれるなら。」
いきなり睦美、高井戸に、
「すみませんけど。」
そう言ってスマホに手を差し出し…。
目をパチクリと耀司、自然にスマホを睦美に、
「あ、はい。」
睦美、スマホを受け取って。
「もしもし。眞鍋睦美と言います。今日は、おとうさん、申し訳ございませんでした。ごめんなさい。」
スマホを持ったままで睦美、深々と頭を下げる。
いきなり芙美花、目をパチクリと。
「えっ…???…誰…???…女性の人。」
瞬きしながらも…。何とか冷静に。目の瞳が…。
「あ。…眞鍋さん…???」
晄史も誓も、
「姉さん。」
「お義姉さん。」
耀司も思わず、
「睦美さん。」
睦美、スマホに、
「あ、すみません、いきなりで。あ、はい。私、眞鍋睦美と言います。本当にごめんなさい。私が…。」
芙美花、話を聞いて、
「あ。いえ…。…で、おとうさんの…、その…。具合は…。」
睦美、
「あ、はい。高井戸さん、左肩を打撲。…さっきも、高井戸さん、言ってましたけど…。左肩、ガッシリと固定されてます。それに…。右足の軽い捻挫。…階段から転がり落ちて。…あの、その時。私が…。」
高井戸の傍にあるカバンを見て。
耀司も自分のカバンを。そして、小声で、
「これだよね~~。」
晄史も誓も、
「あ、あ~~。」
睦美、スマホに、
「私が階段の上で誰かから押し倒されそうに。その時に、高井戸さんのカバンのベルトを引っ張って。」
そして睦美、また、
「ごめんなさい。」
耀司、そんな睦美に、
「睦美さん。」
右手を。
睦美、ゆっくりとスマホを高井戸に。
耀司、スマホに、
「そんな訳だから。…今、言ったように、肩と足。その他は何とも。…肩は…、まぁ。」
3人を見ながら、
「1、 2週間は…。でも、足の方は…。数日で…。…だから、おま。あんまり心配しないで。」
スマホから、
「心配しないでって言われても~~。」
すぐさま耀司、
「はは。確かに。まっ。帰ったら、詳しく話すよ。」
スマホから、
「うん。分かった。」
そして、
「気を付けてよね~~。」
耀司、
「あぁ。じゃ、切るよ。」
芙美花の声、
「うん。」
通話は切れる。
晄史、姉に、
「姉さん。」
睦美、晄史を、そして誓と高井戸を見て、
「あ、あ。あ、いや…。ほんとにごめんなさい。」
耀司、
「あ、いや…。でも。…そんなに…、睦美さんが謝らなくとも…。実際、睦美さんが悪い訳じゃ。」
その頃、汐梨は車を運転しながら、後部座席には麻沙美が…。
「んもぅ~~。何やってんのよ、兄さん。」
病院のロビーで。晄史、
「確か、あの時。」
誓も、
「うん。数人、どたばたと。」
耀司、
「…と、思ったら、いきなり…。」
睦美、
「誰かに…、体…。私の…、肩…???」
「う~~ん。…と、思ったら、僕も…。」
睦美、思い出しながら、
「倒れそうになって…。咄嗟に、カバンのベルト。」
高井戸のカバンを
見つめながら…。
「…で、僕も反射的に…。…でぇ~~。…それからが、どうなったのか…。」
晄史、記憶を辿りながら、
「何か…。高井戸さん、姉さんを抱き抱えるように…、かな…。」
耀司、
「はは。もぅ、完璧に…、憶えてないや。とにかく、反社的…、だったんだろうねぇ。」
誓、
「高井戸さん、足、痛みます…???」
その声に耀司、
「あ、いや…。…と、言うか、多分、動けば、また、痛みが…。今は、鎮痛剤。」
晄史、
「あぁ…、痛み止め。」
「うん。」
耀司、コクリと。
誓、今度は、
「肩は…。」
耀司、顔を傾げて、
「ん~~~。確かに。…普通じゃ、ないよね~~。何か、変な感じ。」
そして、耀司、病院の中を。
「はは。何だか、懐かしいや。」
その声に3人、
「えっ…???」
耀司、3人に、
「あ、ほら。僕のカミさん。看護師だったから。」
「あ、あ~~~。」
「確かに。」
「ですね。」
睦美、誓、晄史。
耀司、睦美を見て、
「あ。でも、睦美さん。ホールで何を。」
瞬間、晄史も誓も、
「あっ。」
睦美、ドキン。
「あ、あ~~~。」
耀司、睦美を見て、
「うん…???」
睦美、口を噤んで…。けれども、
「あ、あの…。その…。」
そして…。
「実は~~。…マテリカルゴールドって…。私の…、知り合いの…。ジャズバンドなんです。」
瞬間、3人、
「えっ…???」
晄史、瞬きして、
「えっ…???…それって。」
誓、
「お義姉さん…???」
耀司、
「睦美…さん…???」
晄史、また瞬きして、
「姉さん。…まさか…、それって…。あの…。…彼の…。」
誓と耀司、
「彼の…???」
睦美、難しそうな顔をして…。…けれども…。
「う、うん。」
僅かに頭をコクリと。
いきなり晄史、
「そういう事~~。」
誓、瞬きしながらも、
「ぇえ…???…何…???…そういう事って…???…晄史。」

ママでいい…。 vol,111. 「何で、何で…???…何でそんなことに。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
