「初めての人。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 汐梨、耀司を疑いの目で。右目を歪めて。
「な~~んか、気になるな~~~。」

耀司、困ったような顔で、右手をヒラヒラと汐梨に。
「いやいやいや。そんな…。気になるな~~、なんて言われても…。」

何故か、その、「初めての人。」を聞き出したく汐梨。
口をグンニャリとさせながら、
「初めての人ね~~。」
顎を突き出して、
「…と~~、言う事は~~。会社の人じゃ~~、ないんだ~~。」

耀司、キッパリと。
「ありません。」

「男、女、どっちも…、って~~、言う事は~~。恋人同士…???…かな~~~???」

耀司、思わず可笑しがって、
「いやいやいや。…って。そこまで突っ込む~~???」

「いやいや。」
汐梨。口を尖らせて、
「そこまで突っ込む~~???…って、突っ込むわよ~~~。」

耀司も、口を尖らせて、
「いやいやいや。なんで~~。」

「いや。だ~~ってさ~~。兄さん。今、リモートでしょ。会社に行かないで自宅での仕事~~。」

つっけんどんに耀司、
「そうだよ。」

「でぇ~~。家の事は芙美花任せ~~。」

「…です。」
「…で、芙美花には申し訳ない。…と、思いながらも~~。兄さん、プライベートの事は~~。何でも芙美花には話す~~。」

耀司、話を聞きながら、目をキョロキョロとさせながら、
「ん、ん~~~。ま、ぁ。確かに。」

「高校2年。3年になれば~~。当然、受験の準備。」

耀司、その声に、
「…ですよね。」

「当然、そうなれば~~。…って言うか、今でも、何かしら、学校の事で、分かんない時は~~。芙美花の友達のご両親にも、電話で話を。」

口を窄ませて、
「うん。たま~~にね~~。」

「…で。どんな人。」

いきなり耀司、汐梨に、崩れた顔をして、
「あは…???」

「初めての人。」
「お~~い。」

「いや。…って言うか~~。初めての人。…しかも、男と女。…で、食事までしてきて、それで終わりって事は、ないでしょ。」
汐梨、ニンマリとしながらも…。

あっけらかんとしている耀司。
「そこまで考える。」

いきなり汐梨、口を尖らせて、
「いやいやいや。当然でしょ。今、私ね。高井戸家で、兄さん、あんたに家事を教えてんの。…でぇ~~。家事全般をしている芙美花の事も応援してんの~~。」

「はいはいはい。分かります~~。」

ルンバが足元で…。

思わず耀司、
「おっと。邪魔だったかな、ルンバ…???」

麻沙美が耀司の傍でルンバにキャッキャッと。

「高井戸家に何かあったら、私がおかあさんに言われるんだから~~。あんた、傍にいて何してんのって。」

瞬間、耀司、頭の中で、
「…駄目だ。これじゃあ、イタチごっこだ。」
「はいはいはいはい。」
そして、また頭の中で、
「…このまんまじゃ、こいつ、音楽教室であれこれと聞きまくるなぁ~~。」

不貞腐れた顔で兄を見つめている汐梨。頬杖をしながら。

耀司、麻沙美の頭を撫でながら、
「あるご夫婦と知り合った。」

汐梨、いきなり、
「ご夫婦…???」

「そっ。ご夫婦。」

頬杖をしながら。
「…どんな夫婦よ。」

「レコード会社に勤務しているご夫婦。」
「レコード会社…???」

「うん。ダイナムズって。」
「ダイナムズって、あの…???」
いきなり汐梨、両手でテーブルを。

耀司、
「うん。あの、ダイナムズ。」

「すっご~~い。」
けれどもそう言いながらも顔を傾げて、
「…うん…???…って言うか…、そんな…、大手レコード会社のダイナムズの人と出会って、食事って…。どういう事…???…まぁ。兄さんがサックスを吹いてるんだったら話は分かるけど。…って言うか、兄さん、聴く側専門でしょ。…で、別に、音楽のウンチクなんて何もないし。」

いきなり耀司、
「おぃおぃお~~い。ウンチク、何にもないしって、ちょっと、酷くない…???」

下唇をビロンと汐梨、
「だって、聞いたことがないし。」

そう言われて耀司、こちらも下唇をビロンと。
「ま・ぁ。確かに。話した事はない。」

汐梨、唇を丸くしながらも、
「じゃあ、何でよ。」

耀司、顔を傾げて、
「いや。…何でよ…って、言われても…。何でって…。困るんだけど~~~。要するに~~。その人たちから…。食事、誘われちゃった。」

汐梨、いきなり、
「は・ぁ…???」
そして、両手を振り振りしながらも汐梨、
「いやいやいや。…そりゃないでしょ。ジャズフェスに行って~~。…で、ジャズのウンチク話す訳でもないのに~~。レコード会社の男女ふたりの夫婦に食事に誘われた~~???…普通、有り得ないでしょ。何かしらが、ない限りは。しかも、初めて会った男女、夫婦って。…逆に、失礼でしょ。」

「ん~~な事、言われても~~。」
口を尖らせて耀司、
「証拠に、名刺も貰ってるし~~。」
瞬間、耀司、頭の中で、
「…ヤバ。…言っちゃった~~。」

半目をしての汐梨。そして…。耀司に、
「ほぉ~~~。名…刺~~~。」








ママでいい…。   vol,037.   「初めての人。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 


《PR》

庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

アメーバ