汐梨、そんな耀司の声に、
「かかかかか。確かに。蔵の一部をジャズスタジオにしちゃったもんね~~。改造までしちゃって~~。」
そこまで言って汐梨、両手を叩いて、
「かあさんも、好きな事やっていられたらボケないんだよ。な~~んて。」
耀司も、
「なぁ~~~。」
そして顔を傾げて、
「親父、今も弾いてんのか、ベース。」
汐梨、目を見開いて、
「70で…???」
顔を傾げて、
「ん~~、まぁ~~。…ってか、音楽って、年齢、関係ないし。」
耀司、
「ふ~~~ん。かかかか。否めませんなぁ~~。」
その頃、ヨシカワ音楽教室では…。
「…と、言う事は~~。来年の~~コンクール…。年長さんクラスで言えば~~。小白川先生も推しの、木守、麻沙美ちゃん…かぁ~~。いいんじゃないですか~~。」
教室長から受け取った資料を見ながらの、生野安海(おいのあずみ)事務局長。
「ねぇ~~。眞鍋さ~~ん。」
他の事務局員たちも、
「うんうんうん。ですね~~。」
眞鍋、奥まった席で、ニッコリと。
「はい。私も麻沙美ちゃんなら大丈夫だと思います。」
生野、にっこりと、
「ですよね~~。元ピアニストの眞鍋さんも言うんだから、間違いなし。」
事務局員たち、一斉に拍手。
眞鍋、ニッコリと。
大卒でヨシカワ音楽教室に入社した元嶺万智(もとみねまち)。
「でも、本当に眞鍋さんのピアノ、凄いですよね~~。とにかく圧倒~~。いつから弾いてるんですか~~。」
その声に眞鍋、
「私は、3歳です。」
他の事務局員も、
「うんうんうん。そうなんですって。私たちも、聴いてビックリ。とにかく本格的。」
そして、他の事務局員も、
「クラシックから始めたの…???」
その声に眞鍋、
「あ、はい。そうです。ふふ。」
そして眞鍋、また仕事に。
生野、
「はは。まぁまぁ。その辺で。」
汐梨、
「あ、兄さん。じゃあ、彼女に会ったのなら、ほら。発表会の時に、彼女が弾いてた曲。」
耀司、その声に、
「あ~~~。…確か~~。チャイコフスキーの、くるみ割り人形の…。」
そこまで言って耀司、顔を傾げて、
「あれ…???…何だっけ。」
汐梨、スマホでササッと。
「ふ~~ん。花のワルツ…かな…???…この曲。」
耀司、汐梨のスマホ、聞こえるメロディにすぐさま、
「あ。それそれ。うん。」
汐梨、すぐさま動画を。音量最大にして。
「あ~~。」
耀司、
「あ、うんうん。この曲、この曲。」
汐梨、
「かかかかか。この曲~~。なんとも。さすがに凄いね~~。これ、彼女、弾いたんだ~~。」
耀司、ニコニコと、
「うん。いやいやいや。奇麗だったな~~。ピアノのメロディ。まさか、事務局の人が~~ってね~~。」
「うんうんうん。確かに。」
そして汐梨、耀司に、
「名前を、眞鍋睦美(まなべむつみ)さんと言う。」
耀司、
「眞鍋…。」
目をキョロキョロと。そして、
「あ~~ん。確かに~~事務の人、確かに、眞鍋さんって、言っていたような…。うんうんうん。」
汐梨、
「奇麗な人でしょ。」
耀司、
「うん…???」
空を見て、右眉を歪めて、顔を傾げて、
「うん。う~~ん~~。」
語尾を上げて、
「なんだ。」
顔をぎこちなくしながらも、
「ろぅね~~。うんうんうん。」
その表情を見て汐梨、
「くくくくく。何よ、そのしっくりと来ない顔~~。」
耀司、咄嗟に、
「あ、いやいやいやいや。いや…って。しっくりって…。」
汐梨、耀司に、目を見開いて、口を真一文字にして、
キャビネットの上の家族写真を見ながら…。
「まぁね~~~。義姉さんと比べれば~~。そぅなっちゃうんでしょうけど~~。」
汐梨、椅子から立ち上がり、写真楯をひとつ、ひとつ。
「とにかく奇麗な人だよ。義姉さん。しかも、滅茶苦茶家事が得意と来てる。」
そこまで言って汐梨、
「…ってか、義姉さんだったら、男性に、引く手数多だったんじゃない。…って、思うんだけど、まさか、合コンでね~~~。」
耀司、そんな汐梨に、
「…って言うか、昔の事だし。」
汐梨、耀司の声に、
「うんうんうん。昔の事。でぇ~~。去年。」
瞬間、耀司、
「お~~い。蒸し返すな~~。」
汐梨、思わず、目を潤ませて、
「おっと。ごめん。」
麻沙美は動き回るルンバに付きっ切り。
「はははは。動いてる~~。」
「…って言うか…。世の中、何が起こるか分からない。」
汐梨。
「私だって、義姉さんのお蔭で結婚~~。」
耀司、
「かかかかか。ま。確かに。勝臣君と知り合う結果となりました~~。…ってね~~。…で、あんな可愛い麻沙美が産まれました~~~。って~~。」
その声に麻沙美、振り返って、
「えぇ~~。な~にぃ~~???」
耀司、麻沙美に、
「可愛く生まれてくれてありがとう~~。」
その声に麻沙美、ニッコリと笑顔で、
「どういたしまして~~~。」
耀司、その声にヒョットコのような顔で、
「何とまあ、躾けのよろしい事で。」
汐梨を見て、
「わお。」

ママでいい…。 vol,026. 「とにかく奇麗な人だよ。義姉さん。」
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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
