3人を見ながら敬嗣、
「結局、榎本さん、父親の両親。つまりは祖父母から育てられた。あの顔立ちだからね~~。とにかくみんなから愛されたらしい。」
またまた優維香と、悠里、
「うんうんうん。それ、分かる~~。」
「いや。一目見て、なんでこの人が要注意人物~~って。全く信じられなかった~~。」
敬嗣、思わず可笑しがり、
「ははははは。確かに。もぅ、とにかく微笑ましい限りの顔の女性だよね~~。…でぇ~~。」
敬嗣、表情を変えて、
「それからは、もぅ~~、貪欲に勉強をしたらしい。あの顔で。」
瞬間、優維香も悠里も、頷きながら、
「うんうんうんうん。分かる分かる。何度も言うけど、あの顔の何処に、要注意人物ってレッテル、貼られているのか。」
敬嗣、
「はは。うんうん。確かに。全然、そんな風には見えないよね~~。何とも、菩薩様みたいな顔だから~~。」
黙って話を聞いている小埜瀬。
「…で、そんな榎本さん。大学で若くして投資をしている学生と知り合いになった。それが、今の僕の投資仲間の城戸(きど)さんなんだけど。高校時代からの夢が実現するって話で持ち掛けられた。…で、僕が700、城戸さんが300。」
いきなり悠里、
「えっ…???…どうして、そんな金額の差。」
「それは仕方がない。城戸さんには家族がいる。子供5人だぜ。」
優維香、いきなり目を真ん丸に。
「凄い。」
敬嗣、
「僕は、この通り、ひとりもんの余裕持ち。かかかか。なんてね。…と、言うか、子供5人もいての300万の投資が出来る城戸さんの方が凄い。」
瞬間、優維香と悠里、顔を見合わせて、
「あ、確かに。」
小埜瀬も頷いて…。
「まっ。」
敬嗣。
「残りの1000万は、他のふたりが何とか銀行から融資を漕ぎ着けての。奔走したみたいだけど…。」
優維香、
「へぇ~~~。」
敬嗣、
「まっ。…けど、頑張ったと思うよ。そのふたり。確かに、事業計画はしっかりとしてる。けど、全くの与信がない。その3人を知る著名な人もいない。つまりは担保もないんだ。そんな3人の計画に乗って万が一にでも、回収できなかったら。銀行も考えるよね。」
悠里、
「あ~~ん。確かに~~。」
「でぇ~~。」
敬嗣。
「城戸さんが俺に、この話を持ってきた訳だ。…つまりは。俺が横井土正嗣の孫だって知ってるから。」
小埜瀬、すぐさま、
「なるほど。」
優維香、悠里も顔を見合わせて、ニコニコと、
「うんうんうん。」
そして敬嗣、3人をそれぞれ見て、
「…で…???…どうしたいの…???…と、言うか、麗子おばさんから話が来るって事は…、凡そは…。見当…。」
優維香、頭を下げて、
「申し訳、ありません。」
その時、ノックの音。絢美がトレイにお茶を…。
テーブルに揃えて。
敬嗣、絢美に、
「絢美さん。この人。」
優維香を指して、
「柿崎佐津香さんの娘さん。」
瞬間、絢美、
「へっ…???…うそっ。」
優維香、頭を下げて、
「柿崎佐津香の娘の優維香と言います。」
絢美、
「あら~~~~。…まぁ~~~。」
ニコニコとしながらも、
「び~~っくり~~。佐津香さんのお嬢さ~~ん…???…娘さん。あらららら。」
そして、
「もぅ~~。佐津香さんには何とお礼言って~~。ここ、横井土家を紹介してもらって~~。」
そして、3人に深々とお辞儀をして。ニッコリと。
「ごゆっくりと、どうぞ~~。ふふふふ。」
そして絢美、微笑みながらまたドアに。
「失礼します。」
優維香、再び敬嗣に頭を。
「すみません。あの…。」
悠里、
「実は…。」
敬嗣、ふたりの話を聞きながら、
「あ~~~。な~~るほど~~。…そういう事か~~。伊玖伊那ねぇ~~~。はは。じゃあ~~。そうなるか。うんうんうん。」
敬嗣、右手で口と顎を撫でるように。
「ふんふんふん。まっ。じゃ、榎本さんには、可哀そうだけど…。伊玖伊那との縁を大切に。と、言うしかないですねぇ~~。…ただ、今後の事業には…、難しくなってくるとは、思うけど…。」
瞬間、小埜瀬、顔を傾げて…。
優維香と悠里、
「えっ…???」
顔を見合わせて、
「それって…???」
「どういう…???」
「つまりはだ。」
敬嗣。
「だって、後ろ盾、失くしちゃうんだもん。」
優維香、悠里、
「へ…???…と、言う事は…???」
敬嗣、
「答えは簡単。投資の件は白紙。…そんな…。こっちも、将来性を見据えての…。…しっかりと…、投資しての…、それ以上の利益は見込める。と、言うので話に合意した。それを、たかが親戚筋だからって…。そんな…。これから凡そ、たかが知れてるインテリアショップに舵を切り直すんだったら~~。」
優維香、
「たかが知れてるインテリアショップ…。」
悠里も、優維香を見て、
「…って…???…伊玖伊那の…???」
敬嗣、
「ふん。そぅ。…こんな事、ジョエルの人たちには言いたくないけど。まっ。確かに、伊玖伊那は凄いよ。あそこの梶美耶乃社長…???…あの人は政界とも財界とも繋がってる。…と、言うか、まっ。ある意味、家族ぐるみでね~~。」

好きになれない。 vol,303. 「菩薩様みたいな顔だから~~。」
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