尊、梶に、
「社長、終わりました。」
タブレットで撮影した絵を。
梶、それぞれを見て納得したように、
「うん。ありがと。」
そして部屋の入口に顔を。そしてコクリと、
「敦盛さん。おばあちゃん、ありがとうございました。」
基世、丁寧に梶にお辞儀をして…。
理江子、腕時計を見て、
「いよいよ。ですね。」
控室での理江子以下、佐津香、菜帆子、順平、そして小埜瀬。深く深呼吸をして、
「すぅ~~~~~。」
佐津香、
「では。行きますか。」
菜帆子、その声に、
「うん。」
順平、
「了解。」
小埜瀬、
「分っかりました~~。」
そして小埜瀬、佐津香に口を真一文字に、そしてコクリと。
佐津香もそんな小埜瀬に、ニッコリと頷いて。
理江子が先頭に立ち控室を出る。
佐津香、スマホでサササと。
会場からはまずはフランス語でアナウンスが…。そして、次には英語で。
吉竹、
「いよいよ。ですな~~。」
舞桜も、
「いよいよ。…さて。」
圭衣子と励、顔を見合わせながらも、
「あん、もぅ~~。ドキドキする~~。」
圭衣子、励の右手を自分の左胸に。
いきなり励、
「圭衣子さん。」
目を真ん丸にして、
「何…???凄い、こんなに…???…わお、凄い感触。ドキドキじゃ~~ん。」
圭衣子、
「当然でしょ。とにかく、人生初、こんなの。一生涯、ないからね~~。」
その声に励も、
「うんうんうん。当然。」
圭衣子、ステージを見ながら、
「課長~~~。お願い~~~。」
両手を合わせて。
励、
「でも、凄いよ。」
そして励、圭衣子を見て、
「今まで、こんなプレゼン、目の当たりにした事ないもん。」
圭衣子も、
「うんうんうん。…けどさ。私、ちょっと、気になるんだけど…。」
励、圭衣子の声に、
「うん…???」
「もしかして…。もしかして…、だけど~~。」
圭衣子、ゆっくりと頭を左に、右に。
励、そんな圭衣子を見ながら、
「うん…???」
励の左側では、2つの三脚のスタンドにセッティングされた2つスマホが、
別の角度から映像を捉えている。ライブ動画がアップされている。
圭衣子、
「…って言うか~~。まず、有り得ないと思うん、だけど~~。」
励、いきなり、
「はい…???」
口を尖らせて、今度は、下唇をビロンと。そして口を捻じ曲げて、
「万が一~~。課長と、佐津香さん。」
そこまで言ってまた圭衣子、顔を左に傾げて、
「出来てる。…な~~んて事。」
励、またいきなり、
「はい…???」
圭衣子を見て。
圭衣子、
「かかかかか。ないよね~~。有り得ない。」
励、身を乗り出して圭衣子に、
「圭衣子さん…???」
そんな励を見て、圭衣子、思わず慌てて、
「ははははは。冗談、冗談。」
両手をヒラヒラと。
「まさか、課長と佐津香さんが…。」
また左に顔を傾げて、ニコニコと笑いながら、
「かかかかか。有り得ないよね~~。…だ~~って、全くその素振り~~~。かかかかか。」
けれども圭衣子、今度は口を搾って、腕組みをして、
「でもね~~~。」
励は励で、
「かかかかか。圭衣子さん、考え過ぎ~~。…んな訳。…あの…、佐津香さんですよ~~。大御所佐津香さん。まさか…、課長と…。ははは。」
「…でもさぁ~~。…な~~んか、気になるんだよね~~。」
励、その声に、
「ふ~~~ん~~???」
遠くの方にテレビカメラが…。圭衣子たちを捉えている。
圭衣子、
「こっちに来る前に~~。1回。そして~~。こっちに来て、あんとき~~~。まっ。確かに、課長の重責を考えると~~。あ~~、なっちゃうかな~~~とも、思うんだけど…ねぇ~~~。」
励はのほほん的に、
「ふ~~~ん~~???」
圭衣子、
「こっちに来る前に~~、最後にラスカで、食事したじゃ~~ん。」
励、
「ふん。」
「多分、かなりの緊張感だったとも、思うんだけど~~。…課長…、お酒に、潰れてなかった~~???…なんか…、ラスカの玄関の近くの椅子で、課長、順平が座っている隣の椅子で、目を閉じて…、いたような…。寝ている…って感じ~~。私には順平、軽く、お疲れ~~って、言ってはくれたけど~~。」
励、圭衣子に、
「圭衣子さん、何が言いたい…???」
圭衣子、
「でぇ~~~。こっちにきての最初の日の夕食で~~。今度は、課長を佐津香さんと菜帆子さん、やたらとヨイショ的に~~。…まっ。確かに、一番ナーバスになるはずの…、人が~~。課長だから~~って、物凄い緊張感。」
励、
「それは、あるでしょ。今迄のいろんな国のプレゼン見てても凄いもん。みんな映画ばり。見ているこっちが緊張だもん。」
圭衣子、
「ははは。私の考え過ぎかな…???」
励を見て、舌をチロリと。
励、そんな圭衣子を見て、眉間に皺を寄せて、
「ないない。ないないないない。ましてや、あの佐津香さんだよ~~。」

好きになれない。 vol,236. 「あん、もぅ~~。ドキドキする~~。」
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