「課長、ほんと…、声のト~~ン。やたらと…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 愛結美、麦茶のポットを持ちながら、スマホをカウンターに置いて、
グラスに麦茶を。そしてグラスに注ぎながら、
「ん~~~???…密着取材…かぁ~~~。…ん~~。と、なると~~。テレビ局~~。」
そして…、
「いやいやいや。…っと、言う事は、これから…、もっと…。なんらかんらで…。」
頭の中で、社にテレビ局…、カメラ…、のイメージが…。いきなり、ニッコリと、
「ワハッ。」
それとは別に、あるイメージが…。
「それにしても…。課長、ほんと…、声のト~~ン。やたらと…。」





車の中では…。

電話の後、何やらウキウキ感が止まらない小埜瀬。
何かしら、ニコニコとしながらも顔を右に左に。そして上を向いたり、頷いてみたり。

そんな小埜瀬を運転しながらチラリチラリと佐津香。
「課長~~。な~~に、さっきから、何だか、落ち着かないですけど…。」

その声に小埜瀬、思わず佐津香を見て、
「へっ…???…あ、そうですか…???…いや…、特に…。…別に…。」

「…って、顔があっち向いたり、そっち向いたり、やたらと忙しいですけど…。」

小埜瀬、
「うそ。」
と、言って小埜瀬、
「あ。…いや…。ん~~。まっ。…でも…。やっぱり…。…嬉しいですよね~~。」

佐津香、その声に、
「はっ…???」
思わずドキン。

小埜瀬、
「あ、いや…。だって…、嬉しくない訳、ないじゃないですか~~。」
佐津香をチラリと。
「まっ。部長は、確かに。そうですけど…。愛結美さんの言葉には~~。」

佐津香、
「えっ…???」

「ある意味…。ねぇ~~。部長は…、なんていうか…、こぅ…。我々よりも…、格上。…けど、愛結美さんの場合は…、その…。表現は変ですけど…、同じ土俵の…???」

佐津香、
「はい…???」

小埜瀬、また佐津香を見て、
「密着取材ですよ、密着~~。ははは。これが、嬉しくなくって何とする~~。」

その声に佐津香、笑いながら、
「はは。うん。…そうですよね~~。」

小埜瀬、
「いやいやいや。それにしても奇遇~~。と、言うか、偶然…。重なるもんですね~~。あの編集者が、あの時の~~。」

佐津香も、
「ですよね~~。」

「でもですね~~。」
小埜瀬。

佐津香、右折しながらも、
「あ、はい。」

「でも…。やっぱり…。あの景色は…。…はは。」
小埜瀬、にこやかに、
「いいですわ~~。」

その、「いいですわ~~。」の声に佐津香、チラリと小埜瀬を見て、
「えへ…???」

小埜瀬、佐津香を見て、
「いや。そりゃあ~そうでしょ~~。佐津香さん、色紙~~。…あれは。…実に嬉しい~~。」

その声に佐津香、目をパチクリとさせて、また、
「えへ…???」

「目の前で、自分と一緒に働いている女性が、人からサインをねだられる。そして、サインを書く。あれなんて、最高ですよ~~。」

目をパチクリとさせながら佐津香、
「えへ~~~???…いや…。どうして~~???」
一瞬、佐津香、鼓動が高鳴る。そして脳裏に…。

小埜瀬、
「とにかく、嬉しいと言う言葉しか出てこない。…いや…。一生ないですね~~。あぁいう景色は~~。…いや…だって…。……。」

佐津香、昔を思い出していた。


その昔…。エレガンサ化粧品に入社してまもなく…。
大学時代からの続けていた挿絵の仕事。
御馬舎(みまや)出版から出版されている絵本が10万部のベストセラー。
その絵本の作家と挿絵家のダブルサイン会。
その当時、付き合っていた柊真も、是非、恋人の佐津香のサイン会に同席したいと佐津香に。
佐津香、一言返事でOK。

そして…、サイン会の後にふたりでデート。
その時、滅茶苦茶柊真から喜ばれた事を思い出していた。
そして…、その時に、佐津香、柊真からプロポーズ、されたのだった。




「佐津香さん。佐津香さん。」

瞬間、佐津香、
「あ。えっ…???」

「信号、青。信号、青。」

「あ、あ~~~。あ、はい。」
思わず、クスクスと笑う佐津香。そして、小埜瀬に、
「すみません。」
頭をコクリと。

小埜瀬、佐津香を見て、
「どうか…、しました…???…何だか…、遠くを見ていそうな…。」

佐津香、そんな小埜瀬に、
「へっ…???…あ、あ~~~。ははは。」
ニッコリと。
「ちょっと…、昔の事をね~~。」

小埜瀬、キョトンとしながらも、
「…昔の…事…。」

佐津香、ゆっくりと頷いて、
「え~~。昔の事。懐かし~~い、昔の事。ふふふふ。」
そして佐津香、頭の中で、
「…あんな事も…、あったな~~~。はは。パ~~パ…。」







家に帰っての…。

「嘘~~~~~。」
優維香、目を真ん丸に。

そして、こちらも、
「う~~っそ。マジで~~~???」
菜帆子。

自宅に仕事を持って、それがひと段落しての愛結美から電話で…。

菜帆子、
「いやいやいやいやいやいやいや。す~~ご~~~。密着取材。当然、テレビ局~~。カメラ~~。」

愛結美、スマホに、
「うんうんうん。」








好きになれない。   vol,177.  「課長、ほんと…、声のト~~ン。やたらと…。」 

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