隆英、頭の中で、「凄いや。スルスルと…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ …つまりは…。賀寿恵のハンドル捌き。
確かに、信号待ちもあるが…。凡そ、気持ちの良い走りに。

隆英、頭の中で、
「凄いや。スルスルと…。」

けれども…。走り出してから15分。賀寿恵の目線は…。
全く隆英を捉える事はなく…。とにかく黙ったままで…。

それから…、5分後…。
運転席の車載ホルダーのスマホが…。

賀寿恵、
「OK Google」

すると…、スマホの画面に麗子の姿。
「おつかれ~~。…その分じゃ、隣に隆英、乗ってるね。」

賀寿恵、画面は見ずに、
「もぅ~~。麗子さん~~。」

「隆英、スマホをあんたに向けな。」

賀寿恵、
「お願いします。」

隆英、
「あ、あ~~。はい。」
そして隆英、スマホを自分に…。

隆英の顔が映る。
「おはよう。」

隆英、画面に向かって、
「おはようございます。…って、おはようございますじゃないでしょ、麗子さん。」

いきなり画面の麗子、
「かかかかか。ごめん、ごめん。」

隆英、眉間に皺を。
「ごめん、ごめんじゃないですよ。弓さん、困りまくっちゃって。」

「おや。今度は賀寿恵じゃなくって、弓かぃ。」
「麗子さん。」

「かかかかか。」
「麗子さん…、今、何処に…???…その感じだと…、タクシーの中…???」

麗子、
「ちょいとした、用事があってね。」

賀寿恵、頭の中で、
「…用事…???」

スマホの画面から麗子の声、
「ある人から会食に誘われててね。」

賀寿恵、また頭の中で、
「…ある人。」
賀寿恵はまっすぐ前を…。

隆英、麗子の顔を見ながら、
「ある人…。…って言うか…、弓さんは…、一緒じゃなくとも…???」
チラリと賀寿恵を見て…。

麗子の声がスマホから、
「あ~~ん、大丈夫、大丈夫。その辺は全く問題なし。まっ。たまには賀寿恵も、私から解放してあげないとね。」

その声に隆英、
「おや。」

「…って言うか、賀寿恵、あんた、運転してからどのくらい経つんだい。」

隆英、
「運転してから…???」
そして腕時計を見て…、
「かれこれ…、25分…、経つかな…???」

麗子の声、
「賀寿恵、もしかしてあんた、運転してから、一言も話してないんじゃないのかい…???」

その声に隆英、
「あっ。」
チラリとまた賀寿恵を…。

賀寿恵思わず顔を赤く。

隆英、小さく、
「確かに。」

麗子、いきなり、
「かかかかか。隆英、聞こえたよ。その…、確かに。かかかかか。…だろうね~~。」

隆英、またポツリと、
「だろうね…???」

麗子、笑いながら、
「いや。こう言っちゃあなんだけど…。賀寿恵、とにかく、才色兼備…。…なれど…。どうしても…。これだけはダメって言うのがあってね~~。」

思わず隆英、
「えっ…???」

賀寿恵、未だに目は隆英を捉えることもなく前方に。そして目だけは右左に…。
そして、手捌きの良いハンドルテクニック。

麗子の声がスマホから…。
「まっ。何処に連れて行くのかは、賀寿恵が頭の中で段取っていると思うから、その辺は心配なし。…なんだ…、けど~~~。ある意味、隆英。」

いきなり名前を呼ばれて隆英、
「あ、はい。」

「何年振りかの東京、…けど…。数年前でも、東京、ガラリと変わっているからね~~。」

その声に隆英、
「えぇ。こっち来てから、アレ…???…っと思う事が多くて…。」

「隆英。あんた、しっかりと賀寿恵、リードしてあげな。」
「えっ…???…はい…???」

「そう見えて、賀寿恵、男性には全くのオクテだからね。」

その声に思わず隆英、目をパチクリと。
「えっ…???…はっ…???」

いきなり賀寿恵、
「麗子さん。」
顔はまた赤面状態。

「頭脳明晰。しかも、プロポーション抜群。それに、機敏。運動神経も抜群。…とは言え、男性にはからっきし。」

隆英、またまた目をパチクリと、
「はっ…???」

麗子の声、
「それだけ顔立ちも奇麗で、頭も良い。男のふたりや3人、いたって可笑しくない。…なんだけど~~。全くの男っ気なし。かかかかか。おかしな話、旦那から。」

間髪入れずに賀寿恵、
「麗子さん。」

その声に麗子、
「おっと。まっ。これは賀寿恵と私だけの秘密って事で…。隆英。だから、しっかりとあんたが賀寿恵をリードしな。いいかぃ。分かったね。」

いきなり隆英、
「いやいやいやいや。リードって…、そんな…。僕が…???…ですか…???」

「どっちみち、運転しながら賀寿恵、あんたに全く話掛けてないだろ。」

「え、え~~~。」
賀寿恵をチラリと見て、
「まぁ~~。そぅ…なります…けど…。」

「いつも、私と一緒にいるから、そんな事はまずない。…これは会社でもそぅ。」

「…で…、しょうね~~。」
「…けど…。いざ、ひとりで男性の前。…つぅたら…、全くの、ネンネ、だからね~~。」

一瞬、隆英、目を真ん丸に、
「うそ。」

「うそな事、あるもんかい。その証拠に、まだあんたに声掛けてない。」

賀寿恵、
「麗子さん。」

麗子、スマホの画面で笑いながら、
「かかかかか。」








好きになれない。   vol,162.  隆英、頭の中で、「凄いや。スルスルと…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 


《PR》
庄司紗千 きっと大丈夫

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ