少し…、緊張気味の柚香と幸乃。
そんなふたりを見ながら吾大、真輝を見て、顔を傾げて、落ち着かない。そして、
「かあさん。かあ…。」
愛佳、トレイを持ちながら、
「はいはい。柚香さん、仕事、忙しいでしょう。」
そんな愛佳の声に柚香、僅かに顔を右後ろに、
「あ、はい。お蔭様で。」
そして、柚香と幸乃の前にお茶を。
「どうぞ~~。」
吾大、ようやく、ニコニコと。
そして…。愛佳も夫の隣に。
「…で…???…どうなさったの、おふたりで…。」
幸乃、
「あ、はい。」
柚香、
「あ、あの…。」
愛佳、
「どうぞ、お飲みになって。」
その声に幸乃も柚香も頭を下げて、お茶を一口。
そして…。幸乃、
「実は…。」
柚香を見て…。
吾大、訝し気な顔で、
「うん…???」
柚香、両手をお腹の前に。そして、
「ご、ごめんなさい。私。」
吾大、増々訝し気な顔で…。しかも、泣きそうな顔で…。
愛佳も、僅かに顔を強張らせて…。
真輝、
「な…、なに…???」
柚香、視線をテーブルに。そして、今度は頭を下げて、
「本当に、ごめんなさい。私。妊娠、しちゃいました。」
頭の中で、
「…言っちゃった~~~。」
数秒、沈黙。
愛佳も吾大も、思わず、目をパチクリと。
真輝も、顔を…、傾げて…。
愛佳、
「えっ…???」
吾大、
「…って…???」
真輝、目をパチクリ、
「えっ…???…はっ…???」
愛佳、
「妊…娠…って…。えっ…???」
吾大、それぞれの顏を見て、
「えっ…???…って~~。それって~…。つまりは…。…えっ…???…って…???…どういう事…???」
愛佳、柚香を見て、
「柚香…さん…???」
柚香、またまた頭を下げて、
「申し訳、ありません。お腹に…。…お腹の中に、真輝君と私の、赤ちゃんが…。」
愛佳、思わず、
「えっ…???」
真輝は、目をパチクリ。
「うそ。」
吾大、顔を小刻みに左右に、
「えっ…???真輝と、柚香さんの…赤ちゃん…???…柚香さんのお腹に…???…今…???」
柚香、その声に、コクリと、
「はい。」
幸乃、頭を下げて、
「申し訳ありません。この子…。」
吾大、思わず、
「えへ…???…柚香さんのお腹に…、赤ちゃん。真輝と柚香さんの…。」
今度はいきなり愛佳、笑顔で口に両手を、
「え――――――――っ!!!」
すると、今度は吾大が…。
丁度その頃、玄関のドアが、
「ただいま~~。」
「万歳—――――――い。赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃんが出来た―――――――っ!!!柚香さん、妊娠~~~。やった―――――――っ!!!」
吾大。
いきなり咲耶、
「うそ――――――っ!!!」
ドタドタとリビングに、
「何々、柚香さん、妊娠…???赤ちゃん。う~~~っわ。…あっ。」
吾大、万歳の連呼、
「やった、やった、やった、やった。妊娠だ~~~。ははははは。」
愛佳も思わず目を潤ませて、
「おとうさん…ったら~~。」
咲耶、柚香と幸乃に、申し訳なさそうにお辞儀をして、
「こ、こんばんは。」
柚香も幸乃も、困ったような顔で、お辞儀をして、
「こんばんは。」
咲耶、
「何々…???…ほんと…???…柚香さん、妊娠…???…お腹の中に、赤ちゃん。」
柚香、コクリと、
「うん。今日、ちょっと眩暈がして倒れて…。…で、病院に。…そしたら、3か月目だって。」
吾大、
「や~~った~~。妊娠3か月目~~。わっほぅ~~~~。」
咲耶、ニコニコしながら、
「かかかか。や~~るじゃん、出来ちゃった婚。」
そして咲耶、兄の肩を右手でバン。
「お兄ちゃん、や~~るぅ~~。あぁだの、こぅだの言って~~。ちゃ~~んと、やる事はやってんじゃん。はは。」
真輝、そんな咲耶に、
「痛ぇよ。…って、マジ…???…柚香。」
柚香、その声にハッキリと、
「うん。」
吾大、
「凄ぇ。凄ぇ~。凄ぇ、凄ぇ~~。かかかかかぁ~~。」
幸乃は逆に、頭を下げて、
「申し訳ありません。この子が…、結婚もまだなのに…。妊娠なんて。」
「とんでもない。」
吾大。顔を振って。
「全然、申し訳ありませんじゃないです。これが、喜ばないでどうするって~~。」
愛佳、目を真っ赤にさせて、
「おめでとう、柚香さん。…そして…。ありがとう。」
柚香も頭を下げて、
「いえいえ。私の方こそ、まだ結婚も。」
吾大、今度は真面目な顔で顔を小刻みに左右に、
「ん~~~にゃ。…んなもん。全然。全然、全然。すぐに結婚しちゃえ。真輝~~~。」
真輝、そんな父親の声に、
「えっ…???…あっ。あ、あ~~。」
柚香、
「真輝君、ごめん。…私も、今日の今日、妊娠、分かっちゃって、どうしよ、どうしよって…。まだ、結婚してないのに。」
真輝、座ったままで、
「いや…。そうだけど…。いきなりで…。」
愛佳、
「真輝~~。」
咲耶も、
「そうだよお兄ちゃん。女性がね、男の人に赤ちゃんが出来たって、どれだけ勇気いると思ってんの。…しかも、まだ結婚してないのに。だよ。」
愛佳も、
「咲耶の言う通り。柚香さん、凄い、悩んだと思うわ。お腹の中に命が…誕生したのよ。並大抵の事じゃないのよ~~。」

LIBRA~リブラ~ vol,224. 咲耶、「…柚香さん、妊娠…???…お腹の中に、赤ちゃん。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
