「わっ。その日、ダメ。私…、無理。」愛実。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

幸乃、熊沢と電話で話をしてからの…。
ただ、柚香にはその話はせずに…。

確かに…、信じてくれる…、とは、思うのではあるが…。
今、柚香は自分の意志で決めたフランス行きに躍起になっている。
しかも…。幸いに今度は柚香に戻って1週間近く、陽織にまた戻った形跡はない。

ただ…。
「このまま、柚香のままで…。」
でも、そういう思いから、すぐに次の思いに。
「でも…。…もしかして…、フランスにいるときに…。陽織に…。」
そんな思いが、頭の中で…、交差するのだった。




パスポートを申請した後の、ようやくの受領。
つまりは…、凡そ、1週間…。柚香、陽織に変わる事はないままに…。

そして…。

「わっ。その日、ダメ。私…、無理。」
愛実、柚香の電話に。

柚香、
「へっ…???」

「ごめ~~ん。私、その日~~。約~~く束しちゃってるんだ~~。最近…、なんだかんだで…、会ってなくってさ~~。」

その声に柚香、
「あ~~~。はいはいはい。…そういう事~~。うんうんうん。」
ニコニコとしながらの柚香。けれども、
「…って言うか~~。ある意味…、この半年近く、私~~。メグともあんまり…、会ってないんですけど~~。…あんまり…って言うか…。殆ど…???…もしかして…、全然…???」

その瞬間、愛実、
「あっ。」
目…だけ…。瞳だけ…、空を…。
そして左右にキョロキョロと…。
「たし…か…に。」
そしていきなり顔を右に。
「…って言うか…、会ってんの…、もしかして…。…陽織ちゃん…???」
語尾を弱めて…。

愛実の声に柚香も…。口を尖らせて…。そしてこちらも目をぐるりと…。
「…そう…、なるの…かな…???」
そして記憶を辿る柚香。
「だって…。確か、私がメグの顏、見たの…は~~。うんうんうん。世田谷観音。心肺停止から…、蘇生しての…、病室~~。みんなが見舞い来てくれた~~。」

「あ~~。はいはい。確かに~~。あ~~。そっか~~。あれから…、私…、舞台でなんだかんだで…。」

「そぅなのだよ。」
そう言葉を出して柚香、
「…で…???…どうなの…???その後…、煌也(こうや)君とは…???」

その声に愛実、
「う~~ん。まね~~~。あっちも、かなり…、忙しい…、みたいでは、あるのかな~~。」

「将来は、映画監督。」
「ふ~~ん~~。どっちが、先に、映画監督になるか。役者になれるか…。ってね~~。」

「ど~~っちも、凄いじゃんよ~~。」
「まっ。確かに。なるとは思っても、なれるかなれないかはね~~。とにかく、やってみないと分からない。…で…???…ユズの方は~~。フランス~~。」

「ん~~。まだ…、実感は…。正直言って、湧かない。確かに。パスポートは御蔭様で、ゲットは、した。けど…。」
「旦那と行ってきな~~。買い物~~。」

その声に柚香、顔をグシャリと。そして、
「そういう事、言わない~~。」

けれども愛実、
「な~~に言ってんのよ~~。あれだけ、散々、引き摺り回して~~。」

間髪入れずに柚香、
「引き摺りって~~…。」

「あっ。」
愛実。
「こりゃ、失言。…って言うかさ~~。ユズの事でも、陽織ちゃんの事でも~~。真輝君、様様じゃんよ~~。彼、いなかったら~~。」

柚香、愛実の声に、
「まっ。確かに…???…なんだかんだ…。無理も聞いてもらってる…。かな~~。」

「な~~にが、かな~~???よ~~。散々、扱き使ってる癖に~~。」
「だ~~ってさ~~。…だ~~って、だって、だって…。結局はさ~~。」

「まっ。あんたの方からライン。しちゃったんだし~~。この、好奇心旺盛女子が~~。」

その声に柚香、ブスッとしながらも…。
「いや…、だって…。病院で…、顔見知りになって…。…それから…。…って言うか~~。…私の周りに、メグ以外に、いないでしょ。そんな…、何でも相談する人って~~。」

「かかかかか。」
いきなり愛実。
「…で…???…幸い、住んでいる場所も、同じ、世田谷だって…???…私なんて、うそ――――――っ。」

「もぅ~~~。分かった、分かった分かった~~。真輝君に頼むよ~~。」
「はいはいはい。その方がおよろしいかと…。…でぇ~~~。…もしもの場合も…。」

その声に柚香、一瞬、
「あっ。」

「ユズのままで…。今回、何とか…、1週間…???…今までのケースから言うと~~。」

柚香、また、
「確かに。いつ…、どこで、陽織に…。」

「陽織ちゃん、ユズがフランスに行くって事、知らない訳じゃん。これは~~。おばあちゃんか~~、真輝君から聞かない。言われないと~~。」
そこまで言って愛実、
「あっ。亮輔さんや阿須賀さんもいるか…。同じ大学。」

「ふ~~ん~~。確かにね~~。分かった~~。真輝君に~~。」
「嫌とは…、言わないはず。…まっ。ちと、めんどくさいとこ、あるけどね~~。」








LIBRA~リブラ~   vol,199.   「わっ。その日、ダメ。私…、無理。」愛実。

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