ルシア、幸乃に振り向いて、ニッコリと、
「えぇ。」
そして、陽織に向き直って、
「もぅ~~。全然大丈夫だよ。うん。」
肇も、
「うんうんうん。問題ない。…それに…、お客さんも陽織ちゃんの事、心配してるから。とにかく、逮捕されてもおかしくないような事を。あの客はやってたんだ。…逆に、陽織ちゃんからあれくらいの言い方をされても当たり前なんだ。」
陽織、
「オーナー。店長。」
ようやく陽織、ルシアの顔を見て、何とか笑みを…。
ルシアも、ニッコリと、
「うん。…だから、早く元気になれ。」
陽織の左頬を右人差し指でツンツンと。
その後、ルシアと肇は汀家の玄関で…。幸乃に丁寧にお辞儀をして…。
ルシア、
「これで…、少しは陽織ちゃん、元気に…。」
幸乃、ふたりにこちらも丁寧にお辞儀をして、
「わざわざ、ありがとうございました。そんな事があったなんて…。亮輔さんから聞いてもぅ~。びっくりしましたから~~。」
ルシア、幸乃の顔を見てニッコリと。
「えぇ…。…でも、陽織ちゃん、以前と比べて…。」
その声に幸乃、後ろを向いて、
「えぇ…。とにかく…、信じられないほどの…。」
少し、頭を傾げながら…、
「まぁ…。実際は…。あの子…。柚香の体の中で…。…そして…、意識だけが…。…でも…。」
その話にルシアも、慰めるように、
「えぇ…。実際は、柚香さんの体…。…確かに…。私たちも…。」
肇を見つめて…。
肇、
「とにかく、これで…、何とか…。」
幸乃、ふたりに、
「えぇ…。様子を見てみます。」
ルシア、
「はい。」
ニッコリと。
「…そして…。…とは言え、無理強いは…、出来ませんけど…。もし、本人が…、希望するので…あれば…。また…、お店に。」
幸乃、ルシアにお辞儀をして、
「重ね重ね。ありがとうございます。」
ルシアと肇はお辞儀をして汀家を後にした。
幸乃、柚香の部屋で…。
「陽織~~。おまえは…、いい人たちに…恵まれてるね~~。おばあちゃん、安心だよ~~。」
その時、柚香のスマホに着電。幸乃、スマホを手に、
「あら。メグちゃん。」
そして…。
「もしもし、メグちゃん。幸乃だけど…。」
いきなりスマホから、
「ごめ~~~ん。全然時間、取れなくって~~。2週間後に控えている演劇祭でもぅ~~。てんやわんやでさ~~。」
その声に幸乃、
「おやおやおや、メグちゃん、そりゃ~~頑張んなきゃ。」
「うん。真輝君からも陽織ちゃん、寝込んじゃったって聞いて~~。ユズは、そんな事、今まで一度もなかったから~~。理由がなんなのかさっぱりで~~。」
幸乃、愛実の声に陽織を見ながらも、
「うんうんうん。そうだよね~~。ごめんね~~。みんなに心配掛けちゃって~~。」
「…で…???」
耳に届く、愛実の声。
幸乃、
「うん。まっ。まだ、ベッドから起きては来ないけど…。あれから…、熊沢先生にも診てもらって。間違いなく、風邪でしょうって。」
「あ~~。」
「熱は、38度、39度、行ったり来たり。」
「えぇ~~ぇえ~~。そんなに~~???」
「今は、氷枕。そして薬でね~~。」
そして、幸乃、事の顛末を愛実に。
愛実、目を真ん丸に、
「うそ。そんな事があったの~~。えぇ~~ぇえ~~???」
「…で、心配で、真輝君も亮輔さんも、阿須賀さんも。」
「あ、あ~~。…で、結局…。」
「うん。男は逮捕された。」
「うんうんうん。エンカントのオーナーと、店長…。」
「さっきまで…。お見舞いに。」
「な~~るほどね~~。まっ、これで何とか…、陽織ちゃん。」
そこで少し、会話は途切れるのが…。
愛実、
「ん~~。今回も…、陽織ちゃん、長いよね~~。」
幸乃も、ゆっくりと頷いて、
「そうだね~~。」
「でも…、また、何か…。」
その瞬間、愛実、
「あ、おばあちゃん。」
幸乃、キョトンと。
「うん。なんだぃ…???」
「おばあちゃんが…、あ、ほら…。この間話してた…。」
そこで愛実、僅かに口ごもり…、
「その…、なんとも…、心霊…。」
「あ~~。」
幸乃。
「うんうんうん。ま。毎日では…、ないけど…。続いてるね~~。」
その声に愛実、
「う~~~っわ。」
けれども幸乃、
「でも。これが…、不思議なくらい…。」
幸乃、両目を斜めに、
「ん~~。…こんな事を言うと、変な人って言われるかも…、知れないけど…。不思議に…、恐くもなんとも…。顔が驚くほどクッキリと見えて…。何かしら…、夢でも見ているような…。まっ。その後はまた、ぐっすりと…。だからね~~。不思議なもんだよ。…ただ…。」
スマホから愛実、
「ただ…???」
「…ただ…、何かは…話している…、みたいだけど…。それが…。陽織…、お願い…。年…。…何を言っているのか、あんまり…、聞こえなくてね~~。」
「へぇ~~~。…でも、毎回、同じような…。」
幸乃、
「うんうんうん。これで…、何回目…、だろうね~~。」

LIBRA~リブラ~ vol,189. 「もぅ~~。全然大丈夫だよ。うん。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
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