亮輔も、
「うんうん。…確かに、前までは、いなかったけど…。」
藪岡、
「ふ~~ん。亮輔の大学の~~。」
そして、
「あっ。肇ちゃん、今、陽織ちゃんって言ったけど…。」
その声にルシアが、
「あん。汀陽織。太陽の陽に織るって書いて、陽織ちゃん。」
そこまで言ってルシア、
「あん。それ以上はね~~。彼女、何聞いても、恥ずかしいらしく何も話さないんだわ。まっ。でも、とにかく手際が良くってさ~~。ただ、彼女、3時になったら帰るけどね~~。」
藪岡も亮輔も、
「3時…???」
「うん。何だか。訳アリみたいでね~~。」
亮輔、
「3時って…。何それ…???」
ルシア、カウンターの端でビールとスナックを食べている陽織に、
「陽織ちゃ~~ん。」
そして手招き。
陽織、そんなルシアに、
「は~~い。」
その時、後ろの女性客が、
「ごめん、彼女~~。これ、もぅいっぱいお願い。」
陽織、その声に、
「あ、は~~い。店長~~。」
肇、ニッコリと、
「あいよ。」
ルシア、ニッコリと。そして藪岡と亮輔に、
「ちょっと待ってね~~。」
肇、ビアグラスにビールを…。そして陽織に、
「はい。お願い。」
陽織、
「ありがとうございます。」
そして女性に、
「お待たせしました~~。」
女性客、ニッコリと、
「ありがと。」
ルシア、また陽織に手招き。陽織、ルシアの元に。
藪岡、
「おっと。」
すぐさま席を開けて、
「はい。どうぞ~~。ごめんね。僕が座ってた席だけど…。」
陽織、
「あ、いいえ~~。」
そしてルシアと肇を見て…。
ルシア、
「どうぞ。座って。」
陽織、
「あ、はい。」
そして、左右の男性を見て、少し照れ臭そうに、
「すみません。」
亮輔、
「どうも。」
陽織も、
「どうも。」
「あのさ。俺の顏、見た事、あるよね。」
その声に陽織、目をパチクリと、そして顔をコクリと、
「あ、はい。」
そして顔を傾げて、
「確か…。2度程…。」
瞬間、亮輔の隣の女性、目を真ん丸に、おちょぼ口にして、
「う~~~。」
そして、
「そ~~~。」
すると亮輔、
「うんうんうん。」
笑顔で、
「だよね~~。」
陽織、目をパチクリと…。そして肇とルシアの顔を見て、また顔を傾げて…。
亮輔、
「なんだ…けど~~~。」
陽織、またまた顔を傾げる。
亮輔、
「俺さ…。大学で、君を見てさ。…その時、君、俺を見て、どこかで…、お会いしました…???…って。…言ったんだけど…。」
その声に藪岡、ルシア、
「んん…???」
肇は目をパチクリと…。
亮輔、
「あの時、君、俺を見て、あのぉ~~。どなたか存じませんが…、人違いじゃ…。…っても…。」
藪岡、
「はっ…???」
「そして~~。」
亮輔、
「この店の事を言った時に~~。はっ…???…エンカン…???…なんですか、その…。…って。」
いきなりルシアと藪岡、
「うそ。」
「だから…って、言うのも、変なんだけど~~。君…、ウチの大学の…、生徒…だよね。」
陽織、話しを聞きながら…、困ったような顔で…。今度は全然、口を…。
肇、
「陽織ちゃん。」
藪岡もルシアも、
「……。」
亮輔の隣の女性、亮輔に、
「何なんのよ、この子。」
藪岡、
「ふん。まっ。何やら…。確かにルシアの言う通りに…、訳アリ…かな…???」
そして女性に、
「汀…陽織さん。」
陽織、その声に、困った顔で、下を向きながら…、
「あ、はい。」
「分からなかったら、別に…、そのままでいいよ。うん。」
そして、ニッコリと…。
…やがて、陽織、
「ご、ごめんなさい。…私…。」
藪岡、そんな陽織に、優しく、
「うん…???」
「…私…。実は…。」
ルシア、亮輔を見て、
「……。」
藪岡、
「うん…???…どうしたのかな…???」
陽織、
「実は…。」
下を向きながら、
「……。…記憶が…。…ないんです。」
思わず、亮輔、ルシア、
「!!!!」
藪岡、
「記憶…が…、ない。」
目だけ、キョロキョロと…。
ルシア、小さな声で、
「…記憶…。喪失…。」
藪岡、そして初めに亮輔をチラリチラリと見て…。
亮輔も、目をキョロキョロと…。
藪岡、
「…記憶が…。ない…かぁ~~。」
そして、腕を組んで。
「そぅ…かぁ~~。記憶が…、ない…かぁ~~。」
亮輔、小さな声で、
「…記憶…、喪失…。」
隣の女性、
「何々…???…記憶…、ないの…???…って…、大学、来てんじゃん。」
瞬間、亮輔、目をキョロキョロと、そして口を尖らせながらも、
「ふん。確かに。」
ルシア、
「はん…???…どういう事…???」
カウンターの中で肇、顔を傾げて…。
藪岡、
「ふん。陽織ちゃん…、自身は記憶が…、ない。」
その声に陽織、顔をコクリと…。
藪岡、顔は真っすぐに。けれども目だけ陽織の方に…。
「けれども…、大学にはいる…。…ふ~~ん。」
そして…、
「ねね、陽織ちゃん。」
陽織、そのままの姿勢で…、
「はい。」
「…3時になったら家に帰るって聞いたけど…。…それからは…???」
陽織、顔をそのままで…、
「私…。…寝ます。」
それぞれがそれぞれを見つめながら…。
藪岡、
「ん~~~。まだ、3時…、確かに。寝るしか…。…でも…、それから…???…朝になれば…。」

LIBRA~リブラ~ vol,029. 藪岡も亮輔も、「3時…???」
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