「おとうさん、羽田空港の…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 柚香、ちいさな声で、
「おとうさん、羽田空港の…。……。…でぇ~~。」
また柚香、顔を傾げて、
「…って言うか…、羽田空港…、そんな…、現場って、見学…。」

真輝、
「うん。全然OK。」

「うそ――――――っ!!!私、行ってみた~~~い。」

その声に真輝、一瞬、
「えっ…???」
そして、
「あっ。ははははは。あ~~。機会が…、あったら…、ね。」

柚香、既に夢中になり、時間も忘れて…。
「でででで…。羽田空港に見学…。整備士の…。」

「あ~~、うん。」
真輝。
「まぁ~~。詳しくは、機体工場見学って言うらしいけど…。おじさんとウチの家族、4人でね~~。まっ、かあさんは何回も見た事あるっては言ってたけど…。親父と結婚する前に…。でぇ~~。機体工場見学に行った瞬間。」

柚香、
「うんうんうん。」

「妹がいきなりはしゃぎだした。」
「あは。」

「とにかく物凄いはしゃぎぶりで、周りにいた整備士たちもビックリして、親父、妹を肩車してあちこち連れまわしたんだ。それ以来、もぅ~~。妹は飛行機に憧れてねぇ~~。」

話を聞きながら柚香、
「へぇ~~。」

「…で、それからしょっちゅう~~、妹は親父が仕事の休みにも仕事場に連れまわされて…。はは。何のための休日なのか…。」
「凄いよね~~。」

「まっ。妹のはしゃぎようにも驚いたと言ってるけど…。何々、工場の整備士の人たちが物凄い親切で優しかったんだって。みんなから抱っこしてもらったって言ってたから…。…妹が言うには、確かに飛行機はカッコいい。でも…、外見から見た飛行機より、目の前でドカ~~ンと、全部を曝け出している。そんな飛行機の中、何とも惹かれる~~。感動しかない。…な~~んて言ってるからね~~。完璧に、男勝り。」

柚香、
「へぇ~~。男勝りかぁ~~。会ってみたいね~~。」

真輝、可笑しがりながら、
「かかかかか。うんうん。機会があったらね~~。」

「でも。真輝君の家族、凄いよね~~。おとうさんが航空整備士で、妹さんも同じ道…???…おかあさんは…???」

真輝、
「あん。お袋は、校正者。」

その声にまた柚香、両眉の先端を吊り上げながら、
「こう…せい…者…。」
右目を歪めて…。

そんな表情を見て真輝、またもや、
「ぷふ。かかかか。」

柚香、
「うん…???」
そして、
「あっ。ごめ~~~ん、また、私…、変な顔。」

真輝、可笑しがりながら右手を振って、
「かかかかか。いやいやいや。別に…。うん。」
そしてカップに口を付けて。

柚香、バーガーを一口。
「…って言うか…、おかあさん、テレビか雑誌、ラジオとかの構成者…???」

目をパチクリの真輝、
「あ、あ~~~。企画…、構成とかの…。あぁ、そうか。そっちの構成ね。」

キョトンとして柚香、目をパチクリと、
「へっ…???…違うの…???」

真輝、思いっきり顔を左右に。
「ふん。全然。」

柚香、途端に、
「はい…???」

「構成は構成でも、僕のおふくろ、文字の校正だから…。」

その声に柚香、
「文字の校正…って…。学校の校(こう)に正すの正(せい)。」

真輝、キッパリと、
「そぅ。奥羅(おくら)出版社の校閲部で、校閲の仕事、してる。」

目をパチクリの柚香、
「校閲…って言うと~~。」

「うん。出版する、その原稿…???…その原稿の文章、間違いがないか、どうかを調べる仕事。」

柚香、またもや両目をキョロキョロと。そして小声で、
「校正…、校閲…。文字…。文章、漢字、平仮名…。」
そして数秒…。
「何、滅茶苦茶凄い仕事じゃんよ~~。」

その声に真樹は、顔を傾げて、
「ま、まぁ~~。確かに、凄い仕事で…、ある…かも…、知れないけど…。敢えて、言わせれば…。…物凄~~い、地味な仕事って…。」

「えっ…???…そうなの…???」
「うん。ほら。出版社って、編集者や記者だったら、あちこち動いて写真撮ったり、インタビュー、取材ってあるけど…。それに…、作家の場合も…、編集者、付くでしょ。」

柚香、
「うんうんうん。…でしょうね~~。ドラマやなんか、見てると…。」

「…でも、校正、校閲って…。表舞台にはまず出ない。完璧に、裏方。しかも…、静かなところでコツコツと…、周りは本の山。そういう中でのお仕事。」

柚香、聞きながらもキョトンとして…。
「そういう女性が…、僕のおふくろ~~。」

柚香、
「へぇ~~。凄いんだ~~。航空…整備士の…、おとうさんと~~、出版社の~~校閲の…お仕事のおかあさん。ん~~~。」

腕組みしながらの真輝、
「ん~~~。なんで、ふたりは結婚して…、僕と妹が…生まれた…か。」

柚香も一緒になって腕組みして、
「う~~~ん~~。」

数秒後…。ふたり、共に、お互いを見て…。
「ぶっ。」
「ぷ。」

そして、お互いに、
「かかかかか。」
「はははははは。」








LIBRA~リブラ~   vol,019.   「おとうさん、羽田空港の…。」

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