「…なら、良いんですけどね~~。」
葉子、目を真ん丸に、
「…あまりに、リアル。」
匡子の前でまた葉子、お昼休みに輪湖と秀美に話した事を…。
輪湖、
「まさかね~~。葉子は、寝ていなくとも、蝶が出てくる。」
その声に匡子、
「えへ…???」
佐武郎も、両眉を歪ませて顔を傾げる、
「……???」
葉子、
「仕事しててさ、いきなりだよ、いきなり。体が宙に浮いちゃった。」
匡子、
「は、あ~~ぁあ…???」
「すぐ、輪湖、秀美ちゃんって、呼んだんだけど、全然聞こえないし。本人の私も何の事なく仕事してるし。…しかも、周りの尚子さんやみんなも仕事してて、私の事なんて全く見えてないし。」
匡子、可笑しがりながら、
「何それ…???」
「そんな風にしてたらいきなり体が吸い込まれるように、パソコンの画面の中にスゥ~~っと。いやいやいや。」
「それよりびっくりしたのが~~。」
輪湖、
「葉子、幽体離脱中に~~。」
葉子、輪湖を見て、
「うんうんうん。」
輪湖、匡子に、
「私も…、葉子がワンピース着た姿…、全く見た事ない。」
匡子、その輪湖の声を聞いて、葉子を見て、
「うそ。」
葉子、下唇をビロンと。そして頭をコクリと。
「私、ワンピース、持ってないし。…って言うか、子供の頃から殆ど行動範囲、ないし。扶桑に入ってからだよ。輪湖からお化粧、教えてもらったくらいだから。」
その話に輪湖も、クスクス笑いながら、
「ごもっとも。」
「うっそ。信じられない。あの…、グラフィックデザイナーの選由佳理の娘だよ。こんな、滅茶苦茶可愛い…、と言うか、奇麗な顔で、何…???…じゃあ~あ~。大学卒業するまで、お洒落って…。」
葉子、キョトンとした顔で…。そして顔を左右に振りながら、
「ないない。」
「まっ。元々、初めて会った時から、葉子、すっぴんでも可愛かったし。」
輪湖。
瞬間、匡子、素早い瞬きで、
「あ、あ~~、なるほど。…うんうんうん。確かに。子供の頃から顔立ちがハーフって…。可愛いに決まってるし。」
そこまで言って匡子、
「えっ…???…何の話…???」
輪湖、
「あ~~~。うんうんうん。ワンピから…ね。ワンピ。…でぇ~~。そんなワンピを来た葉子。」
匡子も、
「うんうんうん。」
「これが…、とにかく~~不思議。」
「はっ…???」
サワーを一口飲んで葉子、
「うん。私にも全く、理解不能。なんで…???」
顔を傾げて…。
輪湖、
「その幽体離脱の中の葉子、口から出る言葉が…。」
そこで一旦声を止める輪湖。
匡子、そんな輪湖を見て、
「うん…???…何…???」
秀美、顔をグッと傾げながら、
「私も、有り得ないって…。うん。」
輪湖、匡子に、
「何と葉子、口から出る言葉が…。…日本語には非ず。え・い・ご。」
匡子、いきなり、
「はっ…???なんで英語、話さなきゃいけないのよ。日本にいて。しかも、ヨウちゃん、日本人で~~。」
途端に葉子、
「分かんないよ~~。そんな事、私に訊かれても~~。自分で自分を疑っているんだもん。なんで私、日本語で喋ってんのに、聞こえる自分の声は英語…???…訳分かんないし~~。…で、着ているのはワンピースだし…。…それより、何で私が宙に浮いてる…???…しかも、蝶の後を着いてくの…???…って言うか、蝶に誘導されるみたいに~~。訳、分かんない~~。」
匡子、その葉子の声に、
「はっ…???…何…???ヨウちゃんも蝶~~???」
そんな匡子、葉子、
「そうだよ~~。私…、インフルに罹ってもないけど…。なんで蝶…???」
そこまで言って葉子、口を捩じらせて…。
「…って言うか~~。最後…、物凄い…、切ないって感じ…。なんなんだろ、あれ…???…なんでか…、涙…出て来た…。訳分かんないけど…。」
「切ない…。涙…。…ん~~???」
「それにしても…。」
輪湖。
「凄いよね~~。」
それには葉子も頷いて、
「うんうんうん。ゆっくりと、なんだけど…。宙に浮かんで…。まっ、蝶みたいにゆらりゆらりと…。最初は、人事部。そこの部長さんに。…でも、その部長さんを一周するだけでまた別のトコ。」
匡子、頷きながら、
「うんうん。蝶に導かれたように…。」
輪湖、
「そゆこと~。」
葉子、
「…で、次に、取締役のひとり。…なんだけど~~。会った事もない。」
輪湖も、顔を振り、
「私も…。…ってか、名前自体…、知らないし…。そんな取締役…、いた…???」
匡子、
「あらららら。」
「…でも。…その取締役も、一周して…。また別の…。今度は、常務、女の人。社員からも愛されてるっちゃ~~、愛されてるよね。優しくって。」
輪湖も、
「うんうんうん。私も好き~~、伊丹常務~~。」
「でも、またそこも一周して…。」
葉子。
匡子、
「ふん。」
「そして、訪れたのが、専務取締役。」
そこで葉子、隣の秀美を…。
匡子、秀美を見て微笑むように…。
葉子、
「小田島専務、机の上の3台のパソコン。ひとつのパソコンに横領の証拠が…。」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,205. 輪湖、「葉子は、寝ていなくとも、蝶が出てくる。」
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