獏、
「さすがに佐武郎君、ほんと、旨そう~~。」
秀美、僅かに鼓動が高く…。そして、料理を食べながら何度も頷いて、
「うんうん。美味しい~~。」
匡子、そんな秀美を見てニッコリと。そして匡子、虎一郎と獏に、ビールを、
「はい、どうぞ~~。」
獏、虎一郎に、
「では。」
虎一郎、
「お疲れ様で~~す。」
そして食べながら獏と匡子がお喋りを…。
秀美、小さな声で輪湖に、
「輪湖さん。」
輪湖、
「うん…???」
「海江田課長、なんか、凄い、イケメンなんですけど…。」
その声に輪湖、思わず目をパチクリと、そして瞬間、口を、
「う…。」
そして、思わず上体を僅かに前に。
虎一郎はビールを一気に半分まで。
「ふぇ~~。旨ぇ~~。」
輪湖、秀美の声に、こちらも小さな声で、
「ぷっ、くくくく。秀美さ~~ん。」
秀美の左肘を右肘で僅かに突く。
そんな輪湖を見て秀美いきなり申し訳なさそうに。
輪湖はそんな秀美を見て、僅かに、
「お~~、お~~、お~~。」
匡子、輪湖を見て、
「…ん…???どうした~~???」
そんな匡子を見て、葉子は顔を傾げる。
そして獏も、ビールを飲んで、
「…ん…???」
そこに佐武郎、海江田の前に。
獏、
「おっ、サンキュ~~。」
そして虎一郎の前にも…。
虎一郎、
「へぃ。頂きや~~す。」
それを見て秀美、
「えっ…???えぇぇぇぇ…???」
右左を見て。そしてママを見て、
「えぇぇぇ…???みなさん、まだ…注文って…???」
瞬間、獏、ニッコリと、
「うん。僕たち、まだ何も注文…していない。けれども…、料理が運ばれてくる。意外とこれが。カフェ匡子の凄いところ。客にとっての、ある意味、サプライズ的な事が、ここでは可能みたいだ。ねっ、佐武郎君。」
獏、佐武郎を見つめて。
佐武郎、そんな獏に一礼をして。
獏が続ける。
「まっ、僕なんか、そんな偉そうに言える立場じゃないけど…。隣に座っている選さんや、館城さん、それに虎一郎君なんて、もぅ~~佐武郎君の味に惹かれているようだから…。」
葉子と輪湖を見て。
そんな葉子は口を真一文字に海江田に頭をペコリと。
輪湖もにこやかに。
獏、
「僕なんて、まだ最近だから…。それこそ、何も注文してないのに、何で…???…しかも、食べたら、絶品。いやいやいや。完璧に、売りだよね~~。まっ、メニューは確かに、この通り、ある。…んだけど…、敢えて。そういう事が出来る。客の顔を見るだけで…。どんな味にすればいいのか…。とにかく、凄い。」
匡子、獏に向かって、
「お褒めに預かり、恐縮でございます。…で、いいから、早く食べて。折角の料理が冷めちゃうでしょ。」
その声に獏、
「あっ。おっと~~。失礼~~。ううん。」
僅かに咳払い。
輪湖、思わず、
「ぷっ。」
葉子もいきなり口に左手を当てて。
真ん中の秀美、料理の美味しさに、また食べながら目を閉じて顔を僅かに左右に小刻みに振る。
そんな真ん中の女性を見ての佐武郎、何かしら笑顔に…。
虎一郎もモグモグと、
「うんうんうん。はは。最高~~。」
そして…、また、獏を店に残しての4人が帰路に。
歩きながら秀美、
「へぇ~~。海江田課長の叔母様なんですね~~ママ。び~~っくり~~。」
輪湖、
「うんうん。私らだって、ねぇ~~葉子~~。」
葉子、
「うん。いきなりだったからね~~。そして、いきなり隣にストンと座って。…まぁ…、叔母と甥の間だもん、すぐにカウンターには座っちゃうけどね~~。」
そして輪湖、秀美に、
「ねね、秀美さん。」
と、言いかけた瞬間に、前を歩く虎一郎に気付き、
「あ、あ~~。あっ、まっ、いいや~~。」
最後の方だけ耳に入ったのか虎一郎、いきなり後ろを振り向いて、しかめっ面をして、
「なんだよ、また~~、輪湖、今、何か言い掛けただろ。」
その声に輪湖、
「いいえ。言い掛けてません。」
そしてニッコリと。舌までチロリ。
そんなふたりに葉子、
「…ったく~~。相変わらずだね~~。いいコンビだよ~~。」
輪湖、瞬間、葉子を見て、
「どこがよ。」
虎一郎はまた前を向いて、
「へぃへぃ。言ったれ、言ったれ。」
右手を頭まで上げてひらひらと。
葉子、
「あっ。そういえばさ~~。サブちゃん、なんだか、いつもと違って、凄い、笑顔だったよね~~。」
その声に輪湖、
「へっ…???」
葉子、口を尖らせて、
「…うん…???…気づかなかった~~???」
輪湖、いきなり右手を前にひらひらと…。
「いや…。えっ…???へっ…???」
そして輪湖、
「…って言うか…、私は…???…ん…???…あれ…???」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,052. 「海江田課長、なんか、凄い、イケメンなんですけど…。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
