そして…、それから…8年。現在で…ある。
「それにしても…。」
虎一郎。天ぷら蕎麦を食べながら…。
そんな虎一郎に輪湖、
「何よ。」
ゆっくりとおかずを食べている葉子。
「営業の…、俺より3つ年下の草薙(くさなだ)っているじゃん。」
輪湖、
「あ~~、うんうんうん。コイチとしょっちゅうカラオケと合コン行ったりしている、彼…???」
「うん。」
「彼がどうしたの…???」
「結婚、決まったとよ。」
瞬間、輪湖、
「え゛…???え~~~ぇえ…???…マジで…???」
その声に虎一郎、口を尖らせて、
「ふん。マジで…???」
葉子は、その話に、
「ふ~~ん。じゃ、また、コイチ、先、越されたか~~。」
「…って言うかさ~~。俺…、マジで落ち込むんだけど…。」
輪湖、
「なんでよ…???」
「いやいやいや。だって、草薙、あいつ…。体重…、80だぜ…。それで俺と大した身長、変わんなくってよ。…なんで…???」
「何々…???…で、相手って、まさか…、合コンであった女性とか…???」
虎一郎を見て輪湖。
そんな輪湖に虎一郎、
「ビンゴ。」
瞬間、輪湖、
「ぷっ。くっ。」
そして、
「それは、もぅ~~。仕っ方、ないじゃんよ~~。ねぇ~~。葉子~~。」
そんな輪湖に葉子、
「まね~~。第一、あんたが浮気性なんだから、どうしようもないよ~~。」
その声に虎一郎、頭を傾げて、
「俺って…、そんな…???…そんなんじゃないって、思ってるんだけどな~~。」
輪湖、その声に、右目を歪めて…、
「はっ…???」
葉子、
「どの口が言う…。」
「…って言うか、財務の方だって、春に、寿退社。」
右目を歪めたままの輪湖、虎一郎に身体を向けて、
「何が言いたい…???…私たちだって…。」
「その…、私たちだってが、今や…。」
葉子、
「うるさいよ~~。…あっ。けどさ~~、輪湖~~。例のあの話って、その後…どうなったの~~???」
輪湖、葉子のその声に、僅かに顔を傾げて、
「ん~~。イマイチ…。」
「へっ…???イマイチって…。なんで…???迷ってんの…???」
いきなり虎一郎、
「何々…???…例の話って…???」
今度は輪湖が虎一郎に、
「うるさいよ。」
葉子、
「輪湖、この前、スカウトされたんだって。」
いきなり虎一郎、
「え゛っ!!!え゛~~~ぇえ…!!!」
そして、
「おぃおぃ。おぃおぃおぃ。」
輪湖、そんな虎一郎に、
「いや。だから、あんたはうるさいって。」
「いやいやいや。だって、おま、スカウトだろ、芸能界…。」
葉子、
「何…、迷ってるの…???」
「迷ってるって…言うかさ~~。」
輪湖、
「まっ、そりゃ、嬉しい事は…、嬉しい…けど…。何か…、今更…???…って感じが…。」
その声に葉子、
「今更って…、何…???…もしかして…、私たち、30だから…???」
輪湖、口を捻じ曲げて、そして両眉を上下に、
「うん…。まぁ…、それも…、あるけど…。…仕事…的に…。」
いきなり虎一郎、輪湖の頭からゆっくりと下を…。
輪湖、虎一郎に、
「ちょ…何…???コイチ。やっだ~~~。その目ぇ~~。」
虎一郎、
「いやいやいやいや。いや…、だってさ~~。ズバリ言って、全然、申し分ないでしょ、輪湖なら~~。」
その声に輪湖、ニッコリとして、
「そお…???」
けれども、すぐに、
「そんな訳、あるか~~ぃ。」
そして、
「…で…、調べてみたんだけど~~。」
葉子、
「うん。」
「まっ、確かに、まともな芸能事務所…、みたい…、なんだわ…。」
「うんうんうん。」
葉子、弁当を片付けながら…、ふと腕時計を…。
「わっと~~。時間~~~。」
瞬間、輪湖、
「わお。ほんとだ。」
途端に虎一郎、顔をグシャリとさせて、
「え゛~~~ぇえ~~。」
「輪湖、戻ろう~~。」
「オッケイ~~。」
ふたり、同時に席から立ち上がり…。
虎一郎、
「お~~~い。」
輪湖、虎一郎に、
「じゃね~~~。」
いそいそとトレイを持って。
「なんだよ、そこまで話しておいてよ~~。たく~~。」
虎一郎も輪湖の後に着いてトレイを持って。
輪湖、急ぎ足で葉子の傍に。そして社員食堂を後に。
虎一郎もその後を追って、
「待てよ~~。話の次~~。」
輪湖、後ろを振り向いて、虎一郎に、
「べぇ~~。」
夜の7時。
葉子と輪湖、馴染みのカフェレストラン、ドアを開けて、
「こんにちは~~。」
その声に、
「あは、来た来た。いらっしゃ~~い。」
そして目の前の客に、
「噂をすれば…、なんとやら。お待ち兼ねよ~~。」
カウンターには、虎一郎。
瞬間、輪湖と葉子、
「わっ。」
「あっ。」
虎一郎の1メートル後ろで…。
輪湖、葉子に、
「場所…、変えようか…。」
葉子、その声にキョトンと。
瞬間、虎一郎、
「お~~い。」
カウンターの中の女性、
「そんな事、仰らないで~~。」
口をへの字に。顔はニッコリと…。

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,005. そして…、それから…8年。現在で…ある。
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