そして通話はプツリと切れる。
麗亜、将輝に、顔を傾げて、
「お姉ちゃん、帰ったら、理沙お姉さんのとこ、行くって。」
将輝、
「はぁ~~あ…???なんのこっちゃ。」
瑞樹家ではまずは尺上のサバから…。
栞奈と理沙、
「凄~~~い、綺麗~~。」
蒼介、
「おほほほほほ~~。」
和奏も、
「見せて、見せて。」
そして、エプロンで両手を拭いながら、
「わは~~。お~~いしそう~~。」
エプロンのポケットのスマホに着メロ。
和奏、すぐさまスワイプしてスピーカーに、
「流美で~~す。今から行きま~~す。」
蒼介、
「かかかか、おいで、おいで~~。旨そう~~。」
流美の車に将輝、麗亜、乗り込んで…。
将輝、
「まさか、とうさん、瑞樹家に…。」
流美、
「私だってびっくりよ、ほら。」
将輝と麗亜の前に、和奏が撮った画像。
麗亜、
「わは。」
流美、
「行くよ。」
麗亜、ニッコリと、
「うん。」
夕方のラッシュ時ではあったが、なんとか、いつもよりは早めに到着。
瑞樹家のリビングではまだ丈師が魚を捌いている。
将輝と麗亜、
「凄ぇや。」
「凄~~い。」
ソファでは既に蒼介がビールで一杯。
「かかかか、これは堪んないね~~。」
栞奈も、
「うんうんうん。最高~~。」
理沙はテーブルの端で捌きを見ながら。そしてお皿の刺身を…。
「麗亜ちゃん。かかかか、お~~いし。」
流美、キッチンに向かって、和奏に、両手を目の前で、目を閉じて、
「何も用意しなくてごめん。」のゼスチャー。
和奏、その姿にニッコリと。
そして流美、小皿を準備してソファに、そしてテーブルに。
丈師も缶ビールを一口。
「かかかか、うんうん。いいねぇ~~。ねぇ~~。理沙さ~~ん。」
理沙、そんな丈師に、ニッコリと、
「うん。」
「俺ってさ~~。」
捌きながら丈師、
「物凄い、不器用な訳よ~~。だからね~~。瑞樹家には、こんなふうにしか、お礼出来ないのよ~~。幾ら感謝しても、し切れないんだなぁ~~。これが~~。かかかかか。」
その声にキッチンの中の和奏、
「丈師さん…。」
そしてソファの蒼介も、
「丈師さん…。」
栞奈、
「おじさん…。」
けれども理沙だけがニッコリと、
「ありがと、おじさん。すんごい、美味しい。ねっ、麗亜ちゃん。」
麗亜もニッコリと、
「うん。」
そんな理沙と麗亜の顔を見て丈師、
「そお…???かかかか。それなら良かった。うん。いっぱい食え。まだまだ捌く。」
流美と将輝はソファに座って…。
蒼介、
「なんか、凄~~い、贅沢だよね~~。こんなにお刺身、食べれる機会なんて、ないぞ~~。高級料亭で食べてる気分になれる~~。物凄い美味しいもん~~。」
和奏、
「ねぇ~~。はい。これ~~。」
流美、
「OK~~。」
それから1時間弱掛かり、大型クーラーボックスの中は空っぽに。
そして宴もたけなわ。
蒼介、丈師とビールを飲み交わしながら、
「俺も…、釣り…、やってみようかな~~。」
丈師、
「あっ、いいっすね~~。」
「だ~~って、こういうのが釣れるんだよ~~。」
その声に隣の栞奈、
「いやいやいや、とうさん。おじさんはもう、これ、釣り、本格的趣味だから~~。」
そんな栞奈に蒼介、
「まっ、そりゃ、そうかも知れないけど~~。素人にも、釣れるチャンスって、あるんじゃな~~い~~???」
そんな蒼介にテーブルの和奏、
「はは、スイッチが入った~~。言い出したら、聞かないからね~~。誰かさんと同じで~~。」
麗亜、理沙の隣でニッコリと、
「ねぇ~~。理沙お姉さ~~ん。」
理沙、口をへの字にして困った笑顔で、
「否定は…、しないけどね~~。」
ゆっくりと時間は過ぎて行く。
結局、明朝早く、車を取りに来ると、流美の小型の乗用車をガレージの脇に止めて。
丈師の車で4人。車は瑞樹家から動き出す。
そして、この日を皮切りに蒼介と丈師の釣り物語も始まって行く。
そして、季節は秋から冬へと…。
クリスマスは瑞樹家にまた杏美や雅美、そして菅田家と馨も揃っての賑やかに。
静かな正月を過ごしていよいよ受験生にはここ一番の大切な日。
「センター試験」である。
理沙、会場の玄関で、
「ヨシ。」
こちらは、家の中で落ち着かない麗亜、
「お兄ちゃん、大丈夫かな~~。」
そんな麗亜を見て流美も丈師も、ニッコリ。
「だ~いじょうぶだぁ~~。」
そしてこちらでは…。
試験会場とは異なる別室での試験に向かう理沙、
「ふぅ~~。」
同じ部屋には理沙以外にも数名。その部屋のまた、別室は保護者の部屋。
和奏、スーツ姿で椅子に座り、テーブル上、順応天大学スポーツ科学部の資料を…。
試験官の、
「初め。」
「初めてください。」

信じて…良かった。 vol.238. 「流美で~~す。今から行きま~~す。」
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