それから凡そ30分後。智樹、駐車場に車を止めて歩きながら…。
スマホに着メロ。
「もしもし、俺~~。」
「あっ、兄貴~~。どうだった~~???さっき理沙から電話あって、楽しかった~~って…。いつって決まってないけど…。また今度って…???」
杏美である。
智樹、
「あ~~、うん。ファーストインプレッションは、良かったよ~~うん。ただ、こっちも仕事…、土日って、シフト表見てみないと…。…また、おまえに電話するけど、いいか…???」
杏美、
「分かった~~、うん。理沙にもそう言っとく~~。」
「おぅ。」
7月の下旬。高校は夏休み。
前回の智樹とのデートから2週間ほど経つ。
幾ら大学からのアプローチはあったと言っても、
勉学を疎かにする事は出来ないと受験勉強に精を出す理沙。
既に、順応天大学の蒲原には、「よろしくお願いします」と…。
スポーツセンターに出向いてくれた蒲原と真希子としっかりと固い握手。
そしてこちらも同じく、自分たちのスタイルでの受験勉強の将輝と馨。
けれども土日は将輝、理沙と和奏と共にスポーツセンター。
そして日曜日は、今度は馨も合流してのバスケの練習。
そして麗亜も瑞樹家に遊びに来るようになっていた。
そして、平日のある日。
杏美から理沙に電話。智樹からお誘いである。
理沙、
「うん。分かった~~。」
「…ってか、兄貴の電話番号ってまだ…???」
杏美、スマホ口で少し、理沙を揶揄い気味に…。
そんな声にも理沙、平然と、
「ふん。…だって、話の成り行き上、なんか、連絡先聞くような感じでもなかったから~~。」
杏美、咄嗟に、
「ふん…???話の成り行き上…???なんだそれ…???…てか、まっ、いっか。明日、またこの前と同じ時間にね~~。」
「う~~ん、ありがと~~。」
そして理沙、リビングに。
「おかあさ~~ん。明日、また智樹さんと~~。」
その声に和奏、
「え~~。あ~~、う~~ん。行っといで~~。」
理沙、
「さて。何か冷たいものはっと…。」
キッチンの冷蔵庫を開けて…。
そして翌日、智樹が瑞樹家の玄関に。挨拶から始まり、車に…。
そして車はゆっくりと動き、走り去る。そして、その凡そ3時間後にはしっかりと瑞樹家に。
前回同様に智樹、笑顔で…。
ただ、前回同様、また和奏のお茶の誘いには…、
「今度、またゆっくりと…。ありがとうございます。」
そして、8月。瑞樹家のバスケットコートでは、はしゃぐ3人の声。
「おらおらおら~~。」
将輝。
「ヘイヘイヘイヘイ~~。」
馨。
「いいよ、いいよ、いいよ~~。そぃ。」
器用にハンドルリムを操り、車椅子を動かす理沙。
当初とは比べ物にならないほどに動きが鋭くなっている。
そして…。今までの賜物であろう、シュートの質と数とその体勢もめまぐるしく成長している。
すると、いきなり頭の上から…雨…???
将輝、馨、頻りに頭の上を見て、
「えっ…???」
「…へっ…???」
理沙も、
「なんで…???」
そして空を見ていた目が今度は下に降りてぐるりと。
「あ~~~。もぅ~~。お姉ぇ~~。」
「かっかかかかか。」
栞奈がホースでバスケットコートの遠くの空目掛けて水撒きである。
将輝と馨、
「な~~んだ~~。雨降って来たかと思った~~。こんなに天気良いのに~~。」
「かかかか。でも、気持ちいいや~~。」
理沙もニッコリと、
「うん。」
そして、それからまた2週間程経つ。
瑞樹家の玄関には理沙を玄関まで送り届けた智樹。
けれども今度は和奏が留守。買い物に行っているのである。
そして、和奏が買い物に行っている間に理沙が自宅に戻ったと言う事は、
今回は、ふたりの時間が…、1時間ほど早い。
けれども理沙は、その短かった時間の理由を智樹に尋ねる事なく、ニッコリと、
「ありがとうございました。」
智樹もそんな理沙に、笑顔で、
「うん。楽しかった。大丈夫、おかあさん、いないみたいだけど…。」
その声に理沙、
「うん。大丈夫。」
そして玄関のスロープを…。けれども、さすがに、ここだけは…。
智樹、
「はは、うん。」
そして車椅子のハンドルを握って…。
理沙、フロアに…。
そして智樹、脇にあるタオルで、
「確か、これ…。」
タイヤを奇麗に拭く。
理沙、
「ありがとうございます。」
「いえいえ。じゃ。また。」
理沙、ニッコリと、
「はい。」
智樹は、引き戸を閉めて外に…。それを確認して理沙はリビングに…。
外から、車のエンジン音。そして走り去る音が聞こえる。
誰もいない瑞樹家。
理沙、
「ふ~~~。あ~~。静かだ~~。」
バッグをテーブルに。そして理沙、珍しくテーブルに両肘を就いて、そして両手で頬を…。
そして顔だけ庭のバスケットリンクに…。
「ふふ…。」
ニッコリと…。
「理沙。理沙。」
頭の上で名前を呼ばれて、
「ん~~~???」

信じて…良かった。 vol.233. 「理沙から電話あって、楽しかった~~って…。」
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