スポーツセンターで懸命にゲームをしている理沙。
その陰でその様子をしっかりビデオで録画している将輝。
そんな将輝を見ての小野倉、和奏に、
「将輝君、何か…ありました…???…なんか…いつもと…???」
和奏も、顔を傾げて、
「ふん。…な~~んだよね~~。いつもと…なんか、口数も多いし…。」
小野倉、
「へぇ~~~。」
その瞬間、
「あっ!!!」
和奏、
「わっ。びっくりした~~。」
小野倉、
「あっ、すみません。将輝く~~ん。」
将輝、そんな小野倉の声に、
「あ~~。はい。」
手招きする小野倉。
将輝、顔を傾げて、小野倉と和奏の下に。
小野倉、将輝に、
「将輝君、何か…あった…???…ん~~。もしか…して…、弓狩監督から…。」
その声に将輝、いきなり顔を鬼のように。
和奏、困ったような表情で、
「ま…、将輝…君…???」
将輝、その顔から、
「ん~~~。」
いきなり天井に顔を…、そして体を左に…。そして右に。
そんな将輝に小野倉も和奏も、目をパチクリ。
小野倉、
「ま…、将輝…君…???」
今度は下を向いての将輝、そして小野倉を見て、
「はぁ、はぁ、はぁ。…やっぱ、だめだ…。」
和奏、慰めるような顔で…、
「…えっ…???」
「じ、実は…。実はですね。」
小野倉も和奏も口を尖らせて…。
「僕…、来年の春から、バスケット実業団チームの尾神電工に入る事になります。大学には行かずに。向うから来てくれって。」
瞬間、小野倉、両手をパン。
「や~~り~~。」
和奏、目を真ん丸く、
「え~~~~っ!!!凄~~~。…って事は、完全に、スカウト~~~。」
小野倉、
「かっかかかかか。かかか。こりゃいいや。かかか。理沙君は順応天大学。…で、将輝君は尾神電工。凄ぇ~~。」
和奏、
「小野倉さん、尾神電工って…。」
「はいはい。東京のバスケ実業団チームでも、強豪です。かなりレベル、高いですよ。…って言うか、トップクラス。かかかかか。将輝君、そこからスカウト。いやいやいや。弓狩監督、すんげぇところ、目ぇ付けた~~。」
その瞬間、ホイッスル。ゲーム終了。
メンバーたち、各々礼をして…。
理沙、3人の下に。
「どうしたの~~???」
小野倉、
「理沙君。」
和奏、
「理沙~~。び~~っくり~~。」
理沙、
「へっ…???」
小野倉、
「なんと、驚くな~~。将輝君、バスケット実業団チームの尾神電工から、スカウトされました~~。」
「へっ…???…バスケット実業団チーム…。スカウト…???…どういう事…???」
和奏、
「つまり~~。その尾神電工に、将輝君、来春には、入社が決まったって事。尾神電工が将輝君を欲しいって事。」
「へっ…???うそ…???」
理沙、目を真ん丸く、
「えっ…???えっ…???」
そして目をパチクリ。そして、
「キャハ。や~~~った、やった、やった、将輝~~。きゃっはははははは。や~~ったじゃん。うんうんうん。良かった~~、将輝~~。」
いきなり理沙、将輝の尻を左手でひっぱたいて、
「かかかかか。」
小野倉、
「かかかかか。理沙君、凄い喜びよう~~。」
和奏は思わず、目に涙を浮かべて、
「うんうんうん。」
理沙、
「いやいやいやいや。だ~~って、だって、だって、将輝、勉強全然だめだから、そればっかり心配で~~。どうすのんかな~~って~~。」
小野倉、
「お~~っと、心配してたんだ~~。」
そんな小野倉に理沙、
「いやいやいや。だ~~って、いつもいるひとが、勉強だめで、全然張り合いないって…。そんなのつまんないよ~~。」
「くくくく。」
小野倉、がっちりと頷いて、
「はいはい。その通りで。」
和奏、小鼻を啜り、
「ん、んんん。でも、小野倉さん、順応天大学も、凄いんですね~~。パラリンピック排出者…多いって…。」
小野倉、その声に、
「えぇ。それを含めて、私たち、監督も、理沙君には…。」
理沙、
「とにかく…、何処まで出来るか、分かんない。でも…、やってみたい。」
将輝も、
「おぅ。」
そして…翌日の日曜日。
瑞樹家での練習中に将輝、
「あの…さ、理沙~~。」
理沙、
「う~~ん…???」
「相談が…、あるんだ…けどさ…。」
「ふん…、何…???」
「馨の…、事…なんだけど…さ…。」
「ふん。馨君がどうしたの…???」
コートに転がったボールを拾って理沙。
「馨のヤツ、日曜日に、ここで、練習…、また…いいか…???」
その声に理沙、
「はっ…???」
顔を傾げて、
「なんで…???良いに決まってんじゃん。元々、馨君、初めは将輝と一緒に。…でも、その内に、馨君、来なくなって…。」
「ほら…。俺たち3年…、今、部活…。」
「あ~~、うん。みんな…、大学受験。受験勉強…。」
「だから…、あんまり…部活で…。」
その声に理沙、
「だ~~よね~~。」

信じて…良かった。 vol.230. 将輝、いきなり顔を鬼のように。
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