そんなふたりを目の前に理沙、
そして和奏と将輝もゆっくりとお辞儀をして…。
理沙、将輝、
「こんにちは~~。」
博仲真希子、
「ごめんなさいね、いきなりお引き止めして。」
その声に和奏、
「あ…、いえ…。」
和奏、頭の中で、
「…順応天大学…。」
小野倉、3人に椅子に座るように促す。
和奏、その促しに頷いて、将輝に、そして椅子を取り除いて…。
小野倉、
「あっ、すんません。椅子。」
和奏、
「ありがとうございます。」
そして将輝と和奏の間に車椅子の理沙。
小野倉が間に入って、
「実はなんですけど…。」
小野倉、椅子には座らず、間に入って立ったままで…。
いきなり和奏と理沙の方に体を向けて、
「瑞樹さん、申し訳ない。」
顔の前で両手を合わせて、僅かに体を前屈みに…。
その声に理沙も和奏も目をパチクリとさせて、
「へっ…???」
「はっ…???」
蒲原博光も寛仲真希子も笑顔で…。
和奏、
「あ、あのぉ~~。小野倉…さん…???」
小野倉、
「実は…。こちらのおふたり…、理沙君に紹介したいおふたりで…。」
その声に理沙、
「えっ…???」
「多分、理沙君、今、学校では、これからの進路。」
その進路と言う言葉にすぐさま反応する理沙と和奏、ふたり、共に、
「えっ、え~~。」
「あ、はい。」
「…で…、理沙君、その進路って…???」
理沙、
「あ、あ~~。それが…、まだ…。」
小野倉、その声に頷いて、
「…で、あるなら~~。如何かと思いまして、こちら…。」
男性と女性の方に左手を…。
「順応天大学スポーツ科学部。…理沙君を是非にと…。」
いきなり理沙、驚いたような顔で、
「えっ…???うそ…。」
和奏、思わず目をパチクリ。
小野倉、
「いえね、今までちょっと…、3人には、黙っていたんだけど…。…って言うか、黙っていてくれと…頼まれたと…言うか…。時が熟すまで…???…って、かっこつける訳じゃ…ないんですけ…ど~~。弓狩監督から、言われてね~~。」
3人、共に、
「監督。」
「え、え~~。…実は、弓狩監督、なにやら、もぅ…、去年から、理沙君の…これからを考えて…。まっ、水面下で…と、言うか…。なんだかんだと…。」
理沙、いきなり、
「えっ…、え~~。私…???」
その声に小野倉、頷いて、
「…で、そんな折に、弓狩監督と私がアプローチしたのが、順応天大学スポーツ科学部。蒲原教授とは私、以前から知り合いで…。そして、蒲原教授は弓狩監督とは何度か面識があると言う。」
蒲原、
「いえね。私が大学の教授になる前にアメリカにおりまして、その折に弓狩監督と知り合いまして、意気投合。」
理沙、目をパチクリさせて、
「監督って、アメリカに…???」
将輝を見て…。
将輝、理沙に、
「あっ、ごめん、言ってなかった。うん。大学辞めた後に、アメリカに渡ってNBAの視察旅行に…。」
理沙、途端に、
「へぇ~~。そうだったんだ~~。」
けれども理沙、将輝に、
「…って、あんた、それって、誰から…???」
瞬間、和奏、
「これ、理沙。」
理沙、母親を見て、
「あっ。」
舌をチロリ。小さくなって、
「す、すみませ~~ん。」
真希子、笑顔で微笑んで。
小野倉、
「…そんな訳で、弓狩監督からの推薦もあり。…そして…。私からの、推薦でもあり…。順応天大学スポーツ科学部…、如何かな~~と。…で~~。以前から、こちら、蒲原教授に、寛仲さんには、理沙君の事。」
将輝、いきなり口の中の物を飲み込んで、頭の中で、
「…凄ぇ~~。向うからやってきたってか~~。」
和奏、
「あ、あの…。ひとつ、聞いても…。」
小野倉、
「えぇ、どうぞ…。」
「私ども、先日、この子の学校に行って、進路の事…。その帰りに、学校の玄関で男性の方を…。」
和奏、バッグから名刺を…、
「確か…。」
そして、
「あっ、これ…。…やっぱり…、順応天大学スポーツ科学部部長。古館英(ふるたちあずさ)さん…って…。」
その声に蒲原、
「あ~~はい。ウチの部の古館です。私の方から、名城高校さん、伺わせて頂きました。」
和奏、笑顔で、
「そうでしたか~~。そっか~~。弓狩監督の~~。」
そして和奏、理沙にニッコリと、
「うん。」
蒲原、
「瑞樹さん、車椅子バスケ、練習、しっかりと拝見しました。是非、ウチの大学で頑張ってもらえたら…。まっ、確かに、ウチの大学にも、身障者大勢。ですが、そんな身障者でも、しっかりと…、目標に…。あなたにも、その目標の、私ども、お手伝いをしたい。まっ、確かに、通常通り、大学受験は、受けてもらいますが…。…それ以上に、あなたの将来を見てみたい。」

信じて…良かった。 vol.224. 博仲真希子、「ごめんなさいね、いきなりお引き止めして。」
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