金曜日の夜に杏美のスマホに着メロ。
「へっ…???…兄貴…???…なんで…???」
そしてスワイプして、
「もしもし、私~~。」
スマホの向こう、
「おぅ~、杏美~~。俺~~。」
智樹である。
スマホから、
「おつかれ~~。」
杏美、
「なに…???兄貴…、バイト…上がり…???」
「あ~~。」
歩きながら智樹。
スマホから聞こえてくる様々な音。
智樹は都内のガソリンスタンドに勤務している。
自動車2級整備士である。
杏美、
「…で…、どしたの…???」
智樹、背中にリュックを背負いながら、
「実は…、さ…。」
杏美、
「ふん。」
そして智樹の話を聞きながら…。そして、いきなり、
「え゛ぇ~~~~えっ!!!」
瞬間、智樹、
「頼むっ。一生のお願い。」
その声に杏美、顔をグンニャリとさせながら、また、
「え゛ぇ~~~~えっ!!!」
けれども、すぐさま、
「無理っ!!!無理無理無理無理無理無理――――――――っ!!!」
間髪入れずに智樹、
「な~~んでだよ~~???」
すかさず杏美、
「いやいやいやいやいや。なんでだよって…、言われても…、困るんだけど…。いや。絶対に無理っ!!!」
「だから~~。なんで~~???」
一瞬、杏美の頭に浮かんできた、一昨日の学校での理沙との場面。
杏美の頭の中に、
「…なんで、こういう事になるかな~~…ったく~~。」
スマホの向こう、
「なんだよ~~。ハッキリしねぇなぁ~~。もしかして…、彼女、誰か他に…???」
「いやいやいやいや。誰か他にって…。あ~~ん、もぅ~~。」
それから数分後…、智樹との通話は切れる。
杏美、途端に体をガックン。
「…なんで…???」
そして杏美、テーブルに上半々をベッタリ。
数秒後…、顔だけ僅かにあげて、唇を捻じ曲げ…。
「…って…。どうすんのよ~~。もぅ~~。」
そのままの状態で杏美、しばし…、フリーズ。
自室で勉強の最中の理沙。そんな理沙のスマホに杏美から…。
「はい、アズ~~。どしたの~~???」
そして杏美、
「あの…さ…。」
そう言いながらも、
「あ~~。頭が痛い…。」
理沙、右眉を歪ませて、
「へっ…???」
杏美、
「あのね~~。さっき…、私の兄貴から電話があってさ~~。」
理沙、
「うん。うんうんうんうん。……。うそ…。えっ…???え―――――――っ!!!うっそ~~~~。かかかかか。」
思いっきり嬉しがる理沙。
そして、杏美と通話をしながら…。
「うん。うんうんうん。」
けれども杏美、
「あ…、あの…さ…。」
理沙、その声に、
「ふん…???」
「もぅ~~。勘弁してよね~~。」
理沙、キョトンとして、
「何…???どうして、アズ~~、勘弁してって…、なんのよ…???」
杏美、
「あ~~ん、もぅ~~。理沙と友達、やめたくないよ~~。」
「へっ…???」
そして理沙、それからは少し、うきうき気分になって…。
けれども杏美は、何ともしっくりこない面持ちで通話が切れた。
翌日には理沙はまた和奏と将輝と共にスポーツセンターに。
後部席に座っての理沙、何かしら機嫌よく…。
そして練習…。
そして…、練習しながらも、またその練習を見学している一組の男女。
将輝、その男女を見て和奏に、
「おばさん…。あの人たち…。」
和奏も、その声に、
「うんうんうん。なんだか…、この1か月、来てるよね。」
将輝、
「えぇ…。」
「あっ、そういえば、部活にも…、将輝君。」
「はい。なんだか知らない男性の人が…。」
「うんうん。」
そして将輝は理沙の動きを…。
「なんだか…、理沙さん、今日…、変に機嫌…いいみた…い…。」
その声に和奏、将輝を見て、
「えへ~~~???」
将輝、口を尖らせて、
「ふ~~ん。」
そして、練習終了後、小野倉、和奏に、
「練習終わりに、すみませんが…、瑞樹さん、お時間…、ありますか…???理沙君も一緒に。」
和奏、そんな小野倉に、
「あ、あ~~、はい。」
理沙、壁際で水分補給、そして顔をバスタオルで拭きながら、キョトンと、
「…ん…???」
和奏、
「理沙~~。」
理沙、
「あ~~、うん。」
和奏、将輝を見て、
「将輝君も。」
将輝、
「あ~~、はい。」
そして小野倉から会議室に案内された和奏と理沙、そして将輝。
小野倉、会議室のドアを開けて、3人を中に…。和奏、車椅子を前に…。
すると…、奥の席にふたりの男女。
理沙と将輝、
「あっ。」
和奏、そのふたりにお辞儀を…。
3人が会議室に入ると小野倉、ドアを閉めて、前の方に…。
「理沙君、こちら…、順応天(じゅんのうてん)大学教授の蒲原博光(かんばらひろみつ)教授。そして…。」
女性が立ち上がり、お辞儀をして、
「順応天大学スポーツ科学部コーディネーターの、寛仲真希子(ひろなかまきこ)と申します。」

信じて…良かった。 vol.223. 金曜日の夜に杏美のスマホに着メロ。
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