店員、椅子をひとつ片付けて…。3人に笑顔で、
「ごゆっくりとどうぞ。」
和奏、店員に、
「ありがとうございます。」
そして店の中を見回して、
「凄い、広いよね~~。しかも…スペースも十分。」
理沙、
「うんうん。ドアに、車椅子もOKってシールあったからラッキーって。」
「うんうん。将輝君、何にする…???」
何故か、違和感なく、理沙の隣に将輝。
…と、言うか、椅子を外した時点で、そこが理沙の席になってしまったのだった。
将輝、
「僕は…。ん~~。」
メニューを取り出して…。
理沙、
「おかあさんは何にするのよ。」
その声に和奏、ニッコリと、
「んふ…。」
そんな和奏をチラリと見て将輝。またメニューを…。そして数秒後、
「僕は…、この…、シーフードピラフ。いいですか…???」
和奏にメニューを。
和奏、
「もちろん。」
将輝、メニューを理沙に。
理沙、
「私…は~~。」
カレーを見て、
「ポークカレー。」
和奏、
「ヨシ、決まり。」
そして…、店員を見て手を…。
和奏、店員に、
「シーフードピラフ。それと、ポークカレー。そして、カルボナーラ。」
「かしこまりました。」
理沙、
「カルボナーラ…???」
席を離れる店員。
和奏、
「うん。そっ。カルボナーラ。」
メニューを見て理沙、
「へぇ~~。パスタなんだ~~。はは、私、マジ、初めて知った~~。」
和奏、顔を傾げて、
「そっ???…ふふ。女子に人気のメニューよ~~。」
そして数分後…。揃って、
「いただきます。」
食べ始めたと思ったら、さっきの女の子が母親に手を引かれて、
「バイバイ。」
と、右手を振る。
そんな女の子に和奏もニッコリと、左手を…。
理沙、それを見て、右後ろに顔を。
すると女の子、
「車椅子のお姉ちゃん。バイバイ~~。」
理沙もニッコリと、そして右手で、
「バイバイ~~。」
和奏、
「ふふ。か~~わいっ。」
それから…、また1時間少々掛かり…。
将輝、
「ありがとうございます。食事までごちそうしてもらって。」
和奏、
「何言ってる~~。また、お願いね。」
その声に将輝、照れながら、
「はい。」
和奏、
「あっ、それと、流美さんや麗亜ちゃん、また遊びにって。待ってるから。」
「あ、あ~~。ありがとうございます。言っておきます。」
「うん。じゃね。あっ、コピー、持ってるよね。スポーツセンターの…???」
将輝、
「あ~~。はい。大丈夫です。じゃ、ありがとうございました。」
和奏、
「じゃ、また、部活で。」
「はい。お待ちしてます。」
理沙は後部席で口を尖らせて右手をチョコンと。
和奏、「パン」とクラクションを…。
将輝、玄関に、
「ただいま~~。」
理沙、帰宅後、1時間はベッドで休んだろうか。
和奏も30分程休み、それからは法律事務から依頼された在宅ワーク。
けれども、和奏の在宅ワークはあまり栞奈と理沙には知られていなかった。
家族には知られない時間帯での在宅ワーク。
そのために理沙が母親の日中のパソコンを使っている姿を見て、
「おかあさん、やる~~。」とも言われたのであった。
和奏、理沙には、
「お姉ぇには内緒。」
理沙、可笑しがって、
「かかかかか。うんうんうん。」
確かに和奏、20年前には法律事務所を退職している。
けれども、その後も法律事務所のメンバーとは付き合いが続いている。
そして、丁度、理沙が高校に入学した時点で、法律事務所からの、
空いている時間を利用しての在宅ワークを進められたのだった。
確かに、瑞樹家としては、大黒柱の蒼介の収入で生活が可能である。
栞奈が生まれて、そして理沙が生まれて…。とにかく和奏は子育てに奔走。
奔走とは言っても、ワンオペではない。その条件で蒼介と結婚している。
和奏と蒼介は、2歳差。和奏の方が年上。「姉さん女房」に当たる。
和奏の方からの蒼介へのプロポーズだった。
理沙、庭に出て懸命にボールを持ち、そして車椅子を…。
すると、
「理沙~~。」
杏美や麻理絵たちである。しかも、一樹も。
玄関のチャイムが鳴る。
庭からリビングに理沙、
「おかあさん、先生~~。」
テーブルでパソコンを使っていた和奏、
「えっ…???うそ…???」
そしていきなりモニターを見て、
「は~~い。」

信じて…良かった。 vol.109. 違和感なく、理沙の隣に将輝。
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
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