蒼介、理沙を見て、
「…もしかしたら…、乗りかかった船。」
その声に理沙、
「乗りかかった船…???」
和奏、キッチンで…、
「えっ…???…どういう意味よ…???」
蒼介、
「うん。つまりはだ。理沙が今、前向きになって、ここにいる。」
理沙、キョトンとして、
「うん。」
「まっ、確かに、それは、理沙の努力の賜物でここにいる。」
和奏、
「うん。そうだけど~~。」
「けどさ~~。…もしかして…。もしかしてだよ。理沙が…、これから車椅子バスケを目標とする。…けど、その目標の車椅子バスケの存在を知らなかったら…。」
すぐさま和奏、
「あっ。」
蒼介、
「確かに、理沙がこうやって退院できるようになるまで、大勢の方の応援、あったから、だって、お父さんは考える。」
理沙、
「うん。」
首をコクリと…。
「でも…。」
そんな夫を見て和奏、ニッコリと…。
「でも、一番は…、その、車椅子バスケを教えてくれた人物。しかも、同じところの女の子のお兄さん。そしてお姉さん。そして看護師さん。先生だって。将輝君には感謝してただろう。…だから…。もしかして…、この話、いい方に進めば…、何かしら…、結果オーライになるのかも~~。」
そして蒼介、ニッコリと。
「な~~んってね。お父さんは、そう思う。まっ。…でも、決めるのは理沙だけど…。うん。」
そして翌日。鴻上高校バスケ部。
馨、
「えっ…???彼女を、ここに…???」
将輝、
「あぁ…。あいつ、退院して、名城のバスケ部、見たんだと。麗亜が電話で…。」
「へぇ~~。かかか、中々彼女、やるじゃん。」
「…けど、名城のバスケ…。麗亜から聞いて…悪いけど…笑っちゃって。」
馨、
「は…ぁ…???」
「動きが遅いんだと。」
すると途端に馨、
「はぁ~~???かかかか。なんと。」
「ふん。…けどさぁ~~。そしたら自然に、ウチの部が頭に浮かんで…。」
馨、
「ふん…???」
「麗亜に言っちゃってた。ウチの部、見に来ればなぁ~~。…そしたら麗亜、あっ。お兄ちゃん、それ。それだよ、理沙お姉さん、鴻上のバスケ。…そしたら、俺も、段々その気になって。」
「…で、ウチのバスケ…部…。」
シュート練習をしながら監督の方を向いて。
そして将輝、列を離れて…。
馨も…。
将輝、監督の弓狩に、
「監督、ちょっと話…って言うか、相談…あるんですけど…。」
そのふたりを見て主将の且元尚哉、
「お~~い、そこのふたり~~、何やってんだぁ~~。」
弓狩、その尚哉に右手を上げて…。そして将輝と馨を見て、ニッコリと、
「どうしました…???」
マネージャーの涼香と恵も、
「…???」
将輝、
「実は~~。」
凡そ5分…。
将輝、
「どう…ですか…???」
馨も弓狩の顔に、
「監督。」
弓狩、そんなふたりに、目を真ん丸と…、そして笑顔満面で、
「素敵ではありませんか~~。大~~い歓迎です~~。うんうんうん。是非こちらからもよろしくです~~。ほっほっほっ。」
途端に将輝、パッと顔を明るく、
「ほんとですか~~。」
馨、
「かかかかか。」
「ぃや~~~った~~。」
思わずガッツポーズの将輝。
涼香、
「へぇ~~。将輝にそんな女の子、いたんだ~~。しかし…、車椅子の女の子とはねぇ~~。」
尚哉、
「何やってんだ、あいつら。」
部活が終わって自宅に将輝、廊下をドタドタと…。
部屋から出てきた丈師、いきなりの将輝に、
「うぉ~~。びっくり~~。」
キッチンでは流美が夕食の準備、
「はい、おかえり。」
将輝、麗亜に、
「麗亜、麗亜、あいつにライン。バスケ部、来て良いって。」
麗亜、
「ほんとっ!!!!…かかかかか。うん。」
流美、
「へっ…???何々…???」
冷蔵庫からウーロン茶を…、丈師、
「ふ~~ん…???」
流美、
「あっ、義兄さん、もうすぐご飯。」
「おっ。」
机の上で勉強中の理沙のスマホにライン。
「あっ。」
すると…、
「わぁ。おかあさ~~ん。バスケ、見に来ても良いって~~。」
車椅子を動かして廊下に…。
和奏もその声に廊下に…。
理沙、スマホの画面を。
「ほらほら。」
和奏、
「へぇ~~~。」
その日の午前中に和奏、漆原総合病院に…。
凪に電話して駒田に伝言したのであった。
そして駒田からの電話で、
「瑞樹さん。どうぞ、進めてください。いい話ではないですか~~。かかかか、麗亜ちゃん、将輝君、やりますね~~。」

信じて…良かった。 vol.058. 「…もしかしたら…、乗りかかった船。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
