夢乃、
「もぅ~~。パ~パ~~。初めての人に、みっともないし、汚いし~~。」
そんな夢乃にも君人、右手を縦に、
「すまん、すまん。」
なんとか落ち着きを取り戻したように…。
「あぁ~~。ひでぇ~。いきなり器官に入って、咽ちまった。」
夢乃、その事を英訳してスコットに。
スコット、すぐに頷いて、
「スミマセン。ホントウニ、ダイジョウブデスカ…???」
なんとか落ち着きを取り戻しての君人。何度も頷きながら…。
聖子、そんな夫を見て、
「もぅ~~。何やってるんですか~~。みっともない~~。」
けれども聖子、すぐさま娘の夢乃を見て、
「でも、夢乃、あんた、ちょっと失礼じゃない…???」
その声に夢乃、目を真ん丸にして、
「へっ…???」
スコットも、同じく、
「…???」
聖子、真面目な顔をして…、けれども夢乃を怒るような顔で…、
「さっきから、聞いてると、スコットさんの事を、スコッ。スコッ。…なんて、何かで突き刺すような呼び方で…。私は…、何て言うか…。」
瞬間、夢乃、目をパチクリ。
当然ながらスコットも…。
すると夢乃、いきなり、
「ぷっ。」
右人差し指を口に。
スコットは、思わずクスクスと…。
すると、今度は君人も、
「はぁ~~あ…???何言ってる、かあさん…。」
聖子を見て…。
瞬間、聖子、
「へっ…???だって、何か、嫌じゃないですか~~。スコッ、スコッ。なんて~~。」
夢乃、いきなり、
「ぶ~~~。」
瞬間、両手を合わせて叩いて、
「キャッハハハハ。」
スコットも同じく、笑う。
そんなふたりを見て聖子、逆に目を真ん丸く。
「……。」
君人、体を妻の前に向いて、
「あのな、かあさん。スコッ。と言うのは、アメリカでは、それが普通の呼び方なんだ。最後のトは発音しない。…まっ、日本人からすれば。失礼みたいに聞こえるかも知れないけど…。」
その声に夢乃とスコットが、君人を尊敬の眼差しで…。
君人、妻に、
「ほら。ニューヨークのマンハッタンなんかも、最後の方のタは、発音しない。小さい、のリトルも…、トは発音しない。」
そんな父の話に夢乃、
「あ、あ…、パパ、スコットは、アメリカ人じゃない。オーストラリア人。…でも、まぁ~~。確かに、英語圏の発音となると…。正解。まぁ…、私は、スコットと話しているときは、常にそうだから…。」
聖子、そんな話を聞いて、
「へぇ~~。そうなの~~。」
スコット、ニッコリと…。
その後、なんとか君人の気分も穏やかに…。
そしていよいよ…。
君人よりは、凡そ、一回り…、いや…、それ以上に…、大柄な男性、スコット。
そんな男性から、何かしら、見降ろされるような感じの君人。
更には、そんな男性から、姿勢を正され、キリッとした面持ちで…。
そんな男性を見て、君人、口を尖らせながらも、両眉を少し歪ませて…。
スコット、
「ユメノサント、ケッコン、ユルシテクダサイ。オネガイシマス。」
そう言って頭を下げる。
その瞬間、君人、何とも体が動かず…。
聖子、そんな夫を見て…。
夢乃も…。
君人、黙ったままで凡そ30秒ほど…。
スコットはまだ頭を下げたままで…。
聖子、
「お父さん。」
夢乃、
「パパ。」
瞬間、君人、いきなり目をパチクリさせて…、
「えっ…???…あ。あ~~。」
目の前で頭を下げている男性に君人、
「君。君。頭を上げてくれないか…。」
男性に手を差し伸べて…。
「ハハ。ハハ。」
夢乃、
「えっ…???」
そしてスコットの両肩を抱くように、体を後ろに引く。
スコット、夢乃の顔を見て、頭を上げる。
聖子、
「お父さん…???」
君人、いきなり汗を掻いたような感じで…、
「あっ、いや…、スマン。…ちょっと…、頭がボゥ~~として…。なんか…、目の前が真っ白に…。」
夢乃、
「はい…???」
聖子、
「お父さん…。じゃあ…。」
君人、そんな妻を見て、頷きながら、
「あぁ…。」
そして、
「よろしく、頼む。」
その声に聖子、
「はぁ~~あ…???」
聖子、今度は、夫の肩に両手を、
「はい。こっち。」
君人、
「あ、あ~~。」
そして、目の前の男性に向かって、力なく、
「娘を、よろしく、頼む。」
その瞬間、夢乃、
「パパ。」
表情を明るく。そして、スコットに、
「スコッ。OK~~ッ!!!」
いきなりスコットを抱き締める。
スコット、
「WHA~~O!!!」
聖子、そんな夫を見て、目を潤ませて、
「おとうさん…。」
君人、いきなり頭を掻いて…。
夢乃、スコットに抱き付きながらも…。
君人、
「俺の目に適うなんて…、レベルじゃねぇだろ。」
小さくなりながら、
「こっちの方が、お願いしますでぇ。…いやいやいや。…最初っから、圧倒されまくりでぇ。…ったく。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.206. 「…最初っから、圧倒されまくりでぇ。…ったく。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
