3人共に、改札を抜けて同じホームに。電車は直ぐに。
そして吸い込まれるように3人共に。
まだ夕暮れには早すぎる時間帯、乗客もごくわずか。
自然にドアのすぐそばに…。凛久、そして茉祐子、薫子の順に。
飲んで食べて…、そして殆ど3人共に、特に話もなく…。
動き出す電車。
5分後、徐に茉祐子、眠気が…。
僅かに揺れる電車、その揺れのためか自然に頭が右に…。
頭が右の何かに触れたよう…。一瞬、その感触で茉祐子、
「わっ。」
そして右側の凛久に顔を、
「す、すみません。」
凛久の顔が笑顔に。
凛久、そんな茉祐子に微笑んで首を振る。
そして茉祐子、今度は必然的に左の方に身体が傾き、薫子の右肩に…。
薫子、そんな茉祐子に、
「ふふ、さては…、疲れたな…。」
その声に凛久、にっこりと、
「そのようで…。」
そして、
「先生…、疲れません…???」
薫子、そんな凛久に、
「ふふ。少しだけね…。でも、大丈夫。」
そんな薫子に微笑んで凛久、
「はは。」
そして…。
薫子、
「茉祐子ちゃん、駅…着いたよ。」
その声に茉祐子、
「わっ。」
いきなり後ろを振り向いて、
「あっ、ほんとだ~~。寝てた~~。」
前に向いて両手を上に。
そんな茉祐子に凛久、
「はは。おはよう。」
いきなりその声に驚く茉祐子。
「わっ。」
そして右に顔を…。
「霧…島…さん。」
そして、チロリと舌を…。自然に頭をペコリと…。
薫子、
「さっ、行きましょう。」
茉祐子、
「うん。」
3人共にホームを降りて。
凛久、
「あっ、じゃ、僕は…こっちですから…。」
薫子、
「へっ…???…と、言う事は…。霧島さん。」
「はい。僕は…三丁目ですから…。」
薫子、
「そうだったんだぁ~~。」
そして、
「うん。」
茉祐子、凛久に、
「今日は、ありがとうございました。」
凛久、
「思いっきりの、サプライズでしたね~~。」
薫子、
「ほ~~んと。」
そして、
「じゃ、お世話様~~。」
凛久、
「ありがとうございます。」
そして凛久、ふたりに右手で。
薫子、そんな凛久にお辞儀をして。茉祐子は右手を上げて。薫子と共に前を歩く。
「そっか~~。霧島さんも…、田園調布だったんだ~~。」
茉祐子。
薫子、
「ねぇ~~。」
「おかあさん、知ってたんだぁ~~。」
「うん。ほら、料理教室に、エッセイストの永瀬さん。彼女が見学に来た時、永瀬さんの住まいの事が話に出て、その時…。」
「ふ~~ん。」
「茉祐子ちゃん、さて、帰ったら、何食べるぅ~~???」
その声に茉祐子、
「え~~っとね~~。」
「うそっ。まだお腹に入るんだ~~???」
「かかかか。…多分…、夜になったら…、お腹…空くかも~~。」
「ふん。…だ~~ね。じゃ、スーパー…、寄ってく~~???」
「OK~~。」
駅を出て、ひとり歩きながら凛久、
「しっかし…、まさか…、六条さんのとこで、彼女たちに会うとは…。思いもしなかった。いやいや。」
その時、スマホに着電。
「おやおや。羽田さん。」
そして左耳に…。
「はい、霧島です。お疲れ様です。」
間髪入れずにスマホの向こう、
「もしもし霧島君。私、羽田。ねね、凄いもの見ちゃった。」
その声に凛久、
「えっ…???」
スマホの中の声、
「び~~っくりするよ~~。まさかって思ったから~~。」
凛久、
「えっ…???」
すると、必然的に六条家での薫子の話を思い出し、
「あ~~。もしかして…成宮先生の…。」
そして今度は何かしら、拍子抜けするような侑里の声、
「へっ…???…知ってたんだ…???成宮親子の事…???」
「えぇ…。お昼過ぎに…。」
その声に侑里、
「へっ…???お昼過ぎにって…、どういう事…???」
凛久、歩きながら、
「かかかか。実は…。」
侑里は丁度、由比子と別れての帰宅、リビングに落ち着いたばかりだった。
スマホを耳に、凛久の話を聞く。
「うんうん。ほぅ。六条さん宅で…。うん。…へぇ~~~。かかかか。…で…???…へっ…???うそっ!!!」
いきなり侑里、口に右手を当てて。
「え――――――――っ!!!」
いきなり身体がシャキッと。すると今度は前屈みになって、両膝に両肘を突いて…。
「え―――――っ。じゃ、なに…。私たちと別れてから六条プロデューサーから電話で。」
また身体を起こして、右手で髪を梳くって、今度はソファに背中を預けて。
「へぇ~~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.68. 頭が右の何かに触れたよう…。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。