寿司屋「仁(じん)」カウンターで薫子と茉祐子。
「へぇ~~。素敵なお店~~。」
「うんうん。」
茉祐子、
「早い時間帯だから…まだ、空いてる~~。ふふ。」
薫子、
「うん。ナ~~イス。」
店主の稲垣仁(いながきじん)、
「いらっしゃいませ~~。一見さん、大歓迎~~。へへへへ。」
にっこりとさせながら…。そして薫子を見て、今度は腕組みをして、顔を傾げて、
「ふ~~ん。」
その顔を見て薫子、
「あの~~。何か…???」
茉祐子も、
「ふん…???」
仁、
「ふ~~ん。お客さ~~ん。どっかで…。」
その一言に薫子、目をパチクリと、そして唇を真一文字に。
すると、茉祐子も、
「ぷっ。」
そこに、少し離れた場所で若い板前、仁の左肩をトンと叩き、
「TBAテレビの料理番組、ハートクッキングの成宮薫子先生。おやっさん、いつも、見てんじゃん。何、店、入ってきたとき、気づかなかったんすか~~。」
瞬間、仁、いきなり腕組みを外して左手の平に右拳をペン。
「あ~~。あ~~。あ~~。かっかかかか。そうだ、そうだ、ハートクッキングの成宮薫子。」
そう言って、
「あっ、失礼しやした。お客さんの前で、呼び捨てで…。」
丁寧に頭を下げる仁。
薫子、可笑しくってクスクスとしながら…、
「いえいえ。構いません。大将の頭の中に、私…、覚えて頂いていること。感謝です~~。ありがたい限り。」
仁、
「とんでもない、とんでもない。いつも番組、楽しく拝見させて頂いておりやす。」
そして、
「いやいやいや。番組で見ても、綺麗だけど、実物はもぅ…。更に…。べっぴんさんやわ~~。」
薫子、
「ありがとうございます。お世辞でも、嬉しいです~~。」
その声に隣の茉祐子、
「ぷっ。くくくく。」
「こら、笑うな。」
けれどもますます笑う茉祐子、そして…、右拳を口元に、数回頷かせて、
「はい。申し訳ございません。」
仁、
「いやいやいや。」
そして仁、隣の女性を見て、
「お仕事の…方で…???」
薫子に…。女性を見ながら…。
薫子、
「あ~~~。いえいえ。娘です。」
その声に仁、
「へっ…???」
ほかの板前も、
「…???」
仁、目をパチクリとさせながら…、
「あ…、あ~~~。はははは…???」
板前たちも女性たちふたりをチラチラと。
女性店員が、
「お待たせしました。お飲み物…、お持ちしました。」
薫子、茉祐子、
「ありがとうございます。」
そして薫子、
「まずは…。」
茉祐子、
「うん。」
ふたり同時に、
「おつかれ~~。いただきま~~す。」
仁、ふたりを見ながら、
「どうぞ~~。」
にっこりと。
そしてふたりの話を聞きながら仁、
「へぇ~~。そうですかぃ~~。8つ違い。しかも…、家族は先生と…、娘さん…、おふたり…。」
薫子、
「はい。」
そして食べながら、
「うんうんうん。おい~~し。」
茉祐子も、
「うんうんうん。どんどん食べられる。しあわせ~~。」
「ねぇ~~。」
仁、
「ありがとうございます。料理の先生からそんなふうに褒められるのって…、なんともありがたい限りで…。」
それから凡そ1時間後、薫子、茉祐子、
「ご馳走様でした~~。」
店の中で…。
「ありがとうございました~~。またのお越し、お待ちしておりま~~す。」
店から出て茉祐子、
「おいしかった~~。」
薫子、
「うんうん。なかなかどうして~~。また…来たいけど…。そんな…チョクチョクは…、無理かな~~。」
そんな声に茉祐子も、苦笑いして、
「か~~もね…。あの…チケット…あったから…。」
「うんうんうん。…それにしても、なんともあったかい大将ね~~。」
「うんうんうん。はは。」
「さて…、帰りますか。」
「うん。」
薫子、歩きながら、
「日曜日は…、パパの七回忌…かぁ~~。早いな~~。もぅ…あれから6年。」
茉祐子、
「うん。6年か~~。」
そして薫子の左腕に絡まりながら…。
薫子、そんな茉祐子に、
「ふふ。可愛いぞ、こんにゃろ~~。マユコ~~。」
茉祐子の髪をぐしゃぐしゃにしながら。
茉祐子、
「かかかか。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.3. 薫子、茉祐子、「ご馳走様でした~~。」
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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。