靖子、腕組みして、
「仕事は…確かに出来る。まっ、主任だから~~。…けど…。営業の社員からも、ある意味…、孤立してるって言うか~~。」
奈都美、葉月、
「ん~~。」
勇喜雄、
「男の俺が言うのもなんだが…、男に…だらしない。…訊くところに依ると、あちらこちらに…。」
奈都美、
「凄っ。ムラさん。さすが、私たちより情報通。」
「綺麗っちゃあ~~、綺麗…なんだけど…ねぇ~~。」
靖子、
「胡桃ちゃんに、言っちゃおぅかな~~。」
顔を顰めて、両手を両脇に、靖子。
その途端、奈都美、
「ぷっ。」
「まっ、とにかく…、男性に対して、いろんな噂がある人…だから…。」
奈都美、その話に、
「ふ~~ん。」
翔を見て…、
「……。」
そして、夕方近くになって、ひとりの女性が商品企画開発部へ。
廊下に出ようとして歩いてきた勇喜雄、
「おやおやおや。これはこれは…、どうも…。お疲れ様です。」
女性、
「樫村さん、お疲れ様~~。」
勇喜雄、
「はいはいはい。…では、失礼致します。」
遠くの窓際の席で瀧澤、女性を見て、
「ん~~~。ふふふふ。」
内海、
「おやおや。これは、これは。」
康、靖子、
「あっ。」
奈都美、
「紀本…。」
そして小さな声で、翔に、目で合図して…。
「翔、翔。」
翔、
「えっ…???」
女性、
「お疲れ様です。」
その声に、葉月、翔、振り返って。
「紀本…営業主任。」
「瀧澤部長、内海課長、お疲れ様です。」
瀧澤、内海、
「お疲れ~~。」
紀本千尋(きもとちひろ)、営業主任である。
翔に、
「幸村君。徳嶺部長からの指示で、加瀬の代わりにアレフーズ東京、あなたと一緒にお願いって言われて…。」
翔、
「あ、あ~~。はい。」
伸永、
「この…人が…、紀本…千尋。」
千尋、
「よろしく。」
そして、
「今、外から戻ってきたばかりなの…。出来れば…、時間…あるかな…。今までの事…、知りたくって…。…あっ、それから…、帰りに、私の方から、加瀬の代わりに私が幸村君と務めさせていただくって、加賀美さんの方には、連絡…入れておきました。」
翔、
「あ、あ~~。」
そうしながらも、一度、奈都美を見て、そして立ち上がって、内海と瀧澤を見て…。
千尋、
「内海課長、瀧澤部長、幸村君、少しばかりの時間、お借りして、よろしいかしら…。」
瀧澤、
「どうぞ~~。」
ボールペンを持った右手を持ちながら手のひらをブースの方に差し出して。
「ありがとうございます。」
翔、そそくさと、アレフーズ東京の資料を…。
そして、椅子から立ち上がり、
「どうぞ、こちらへ。」
千尋、
「ありがと。」
葉月、奈都美の方を見て、真ん丸い目で、キョロキョロと。
奈都美は奈都美で、翔と千尋の後ろ姿を…。
伸永、少しばかり、椅子から腰を上げて、覗くように。
その恰好を見て葉月、
「ぷっ。尾田ちゃん。」
伸永、
「えっ…???」
奈都美、
「かかか。何やってんのよ。」
瀧澤、書類を見つめながらもブースに入っていくふたりを見て。
そんな瀧澤を内海も…。そして、
「ふ~~ん。」
アレフーズ東京、フーズ・デベロップメント事業部内、亮平、
「いやいや。なんとも…、ここにきて加瀬さん、熱中症とは…。」
伊織、
「うん。代わりに…紀本…さん…???営業主任。さ~~てね~~。どちらかと…言うと…、若い人の…アイディア…。欲しいんだけど~~。」
「どんな人…なんでしょうかね…。」
そんな亮平に伊織、
「さあ…???」
そして30分後…。ブースから出る翔と千尋。
翔、
「ありがとうございました。」
千尋、
「いえいえ。こちらこそ。これから、よろしく。」
そしてスタッフ一同にお辞儀をして千尋。ドアの外に。
靖子、
「ねね、翔~~。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。