徳美、他の3人も見て、
「わざわざ、ありがとうございます。」
瀧澤、
「お見舞いがてらに…。いきなりだったので…。」
葉月、奈都美、伸永、徳美に丁寧にお辞儀をして。
徳美、
「病室、こちらになります。どうぞ。」
4人、
「ありがとうございます。」
病室のドアを開けて、中にいる女性に、
「クック・ル・ポットの…みなさん。…心配で、来てくださった。」
和服の女性、
「あらあらあら。まぁ~~。」
椅子から立ち上がって、4人に丁寧にお辞儀をして、
「わざわざ、ありがとうございます。」
そして女性、
「どうぞ、どうぞ。近くの方で…。その方が、父も喜びます。」
瀧澤、葉月。徳康の右側の方から。そして奈都美と伸永、左側から…。
瀧澤、
「休まれていても。さすがに…。」
葉月、
「うん。」
「昨日の…夕方…。店で、いつも通りに椅子に腰かけてお茶とお菓子を…。食べ終わって、席を立った途端に…。店の子から、おじいちゃん、倒れた―――――っ!!!!って…。…全く体…動かなくって…。すぐに救急車。」
女性。
瀧澤、
「そう…だったんですか~~。」
奈都美、
「静かに眠ってる。」
伸永、
「うん。」
瀧澤、和服の女性に向かって、
「あっ、すみません。ご紹介遅れてしまって…。」
そしてバッグの中から名刺を差し出し、
「食品会社、クック・ル・ポット…瀧澤馨子と申します。初めまして…。」
女性に丁寧にお辞儀をして。
女性も、
「ご親切にありがとうございます。」
ソファに置いておいたバッグから名刺を取り出して、
「翡翠堂の…、蓬田季実子(よもぎだきみこ)と申します。」
そして、他の3人にも名刺を渡して…。
瀧澤、名刺を見て、
「女将…さん…。」
徳美、
「私の…母です。」
瀧澤、
「おかあさん…???」
そして、一瞬、
「えっ…???」
名刺を受け取った葉月と奈都美も、同じく、
「おか…。えっ…???」
徳美、
「僕…一人っ子で…。家族は…、祖父の徳康と…母の季実子。そして…私だけの3人…。」
瀧澤、
「そう…だったんですか~~。」
とは…言いながら、なにやら顔を傾けたような瀧澤。
それは奈都美も葉月も同じく。伸永だけが…、キョトンと…。
瀧澤、
「失礼かとは…存じますが…。」
その声に季実子、
「はい…。」
そして、目の前の、自分を見つめている女性の顔を見て、すぐさま口に右人差し指を…、
「ぷっ。」
その仕草を見て徳美も、思わず頭を掻く。
季実子、
「そうよね~~。私みたいな女に、こんなおっきぃ…、しかも…40過ぎの息子が…いるなんて…。」
笑顔で…返事に困ったような顔の瀧澤。
季実子、
「ごめんなさい…。」
瀧澤始め、奈都美も葉月も…。
「いいえ…。とんでもございません。」
「後妻…なんです。」
「えっ…???」
葉月。
徳美、
「僕が…高校を出たばかりの頃に…。私の母は、店の料理人と恋愛関係になって、駆け落ち。」
葉月、
「わお。」
奈都美、
「カンちゃん…。」
「あっ、ごめん。」
「当然、仕事を優先した父が、母の事を許せなくって…。結局は…離縁…。」
徳美。
瀧澤、奈都美、葉月、
「……。」
「丁度その頃、祖父の合気道仲間が、父が離婚したのを聞きつけて、自分の娘を祖父に紹介したんです。」
奈都美、
「凄っ。」
今度は葉月が、
「ナツ~~。」
瀧澤、
「そうでしたか~~。」
そして、今度は瀧澤がニッコリとして、
「お若くって驚きました。」
葉月、
「失礼ですけど…。」
季実子に。
そんな声にニッコリと季実子、
「50です。」
徳美、
「僕と…8つ違い。」
奈都美、
「ぅわ~~お。」
季実子、
「ぷっぷぷぷ。楽しい方々~~。」
瀧澤、困ったような顔をして、
「申し訳…ございません。」
「いえいえ。とんでもない。…逆にお会い出来て光栄です。」
そして、
「でも…、今…、お父さんが…。」
瀧澤、
「えぇ…。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。