内海、椅子をスライドさせて、
「かなり…警察の方にも情報…、入っているそうです。…時間の問題ってわけじゃ…ありませんが…。何とか、早期…解決と…。」
瀧澤、
「うん。ありがと。」
「…で、そっちは…???」
「うん。これから…、常務…。」
内海、椅子から立ち上がり、一礼して、
「お願い…します。」
葉月、
「仕事終わったら…、ユッコ…。」
向かいから奈都美に。
「もっちのろん。」
その声が靖子にも聞こえて、
「あっ。私も行くわ。昨日は行けなかったから。」
奈都美、
「うん。」
会社組織としては公に公表する事はなかったが、
人事と経理の方から、事は進められ、総務の方に。
そして、それぞれの部署に…。
夕方近く、翔のスマホに着電。スマホを机の上から、
「また…この番号…。誰だよ。」
葉月、
「ん~~???」
10回のコールで途切れる。…と、その途端、今度は電話に。
翔、受話器を取って、
「商品企画開発、幸村。」
受話器の向こう、
「お疲れ様です。営業の加瀬です。」
「優里亜…。」
隣の葉月、
「…ん…???」
「すみません。携帯の番号に掛けたんですけど…、出てくれなかったようで…。」
その途端、翔、
「えっ!!!…あの番号って…。優里亜…。」
「そうです。私の番号です。忘れた…???」
翔、その声に、
「あ~~。あ~~いや~~。」
「…でも、…うん。忘れちゃうよね…。あれから…長いから…。」
翔、頭を撫でながら、
「あ…、はは。あ~~。」
優里亜、
「翔~~。なになに…、ユッコ…。」
その声に翔、
「あ…、あ~~。」
「どうして…、そんな事に…。」
「説明…すると…、長くなるんだ…けど…。」
葉月、黙って翔の方を見て。
翔、上を見て、机の上の書類見て。
そして左隣の伸永を見て、そして今度は右隣りの葉月を見て…。
その時、いきなり自分を見ている葉月にドキン。
少し仰け反るように。
「あ~~。はい。分かりました。こちらからまた、お電話します。すみません。失礼します。」
受話器を戻す。そして葉月の顔を見ながら、
「は…、はは…。はい。うん。人事部から…、うん。」
にっこりと。
その声に葉月、
「な~~にが、人事部よ~~。しっかりと聞こえました。優・里・亜って。」
翔、
「あ~~。いや~~。違うよ~~。」
焦ったような顔をして。
すると葉月、プィッとした顔をして、
「ふん。」
翔、溜息混じりに、
「ふ~~~。」
けれども、
「…ん…???」
目をキョロキョロと…。
「…いや…なんで…???…向こうから電話…掛かってきて…、俺…、責められてる…???」
その瞬間、葉月、口をすぼませて、
パソコンの画面を見たままで、目だけ、キョロキョロと。
翔、そんな葉月に、
「矛盾…してない…???ねっ、神田さん…。」
すると葉月、椅子から立ち上がり、
「あ~~忙し、忙し。資料室行ってきま~~す。」
席から離れる。
翔、そんな葉月の後ろ姿に、
「ねぇ~~、神田さ~~ん。」
葉月、後ろに振り返り、
「べぇ~~~。」
そんな葉月の顔が見えた奈都美、頭を傾げて、
「何してんの、カンちゃん…???」
翔、椅子を戻して、自分のスマホを見て。画面の電話番号を…。
「これ…、優里亜の電話番号……。か…。」
画面を切り替えて、スワイプして…。奈都美の名前。
病室に訪れて痛々し気に木綿子を抱しめる靖子に、
「ヤッさ~~ん。」
泣き顔をして。
靖子も、
「ユッコ~~~。あ~~ん。かわいそ~~。」
そして…。
「へぇ~~。ここって…、尾田ちゃんのお姉さんの旦那様…勤務してんだ。」
靖子。
「うん。」
木綿子。
「かかかか。今日、尾田ちゃんのお姉さんの旦那様。池辺先生。来てくれた。」
奈都美、葉月と顔を見合わせて、
「へっ…???うそ。」
伸永、
「へぇ~~。」
木綿子、
「すんごい、かっこいい。イケメン。そして、もんの凄い、貫禄。」
赤い顔をして。
奈都美、葉月、
「へぇ~~~。」

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