「…と、言う事で、お馨さんが~~。連れてきた人~~。尾田伸永~~。」
カウンターでぐったりとしている奈都美に翔。
翔の話を聞きながら奈都美、
「ふ~~ん。芸大出身なんだ~~。あの子…。」
翔、
「いやいや、ナツ~~。あの子って…。しっかりと…今、25だからね~~。」
その声に奈都美、
「え゛っ!!!25っ!!!うそ。私と同い年じゃん。え~~~~。」
「まっ、そいうこと~~。」
剛輔、
「へぇ~~。おだ…のぶなが…。正に、戦国武将…、あっ、いや…、征夷大将軍…かっ。凄ぇ~名前だね~~。」
「かかかか、剛さん、でも、漢字で書くと、全く、そういう風に感じないから…。」
「ふ~~ん…???」
翔、スマホで、
「尾田伸永。」
剛輔に見せて…。
剛輔、
「おっと~~。そう…来たか~~。」
その時、店の電話のベルの音。
「はい、モシモシ。パブ、マルシェでございます。」
子機を持って屋舗美玖(やしきみく)。
パブ・マルシェのウェイトレスである。
「はい。少しお待ちください。」
そう言って美玖、口をへの字にして、申し訳なさそうに…。
「ナッちゃん、ナッちゃん。」
奈都美に子機を…。
奈都美、
「ん~~???」
剛輔、
「ほ~~ら、きた~~。」
奈都美、子機を右耳に、
「はい。」
いきなり電話から、
「何やってんの~~!!!!どこ、ほっつき歩いてんのよっ!!!みんな、結婚式の話、聞きたくって集まってんのに。なんで、電話、何度も掛けてんのに、繋がんないのよっ!!!」
その声に奈都美、いきなり、
「耳痛った!!!へっ…???私のスマホ、スマホ。」
バッグから取り出して。
「えっ…???電源…入れて…ない…。」
「さっさと帰ってらっしゃい!!!」
電話から聞こえる声。
奈都美、
「わっ!!!」
子機を手に。
その子機からの声が翔の耳にも、剛輔の耳にも。
「わ~~お。」
「だから…、早く、帰んなって…言ったのに…。」
剛輔、こちらも口をへの字にして。
奈都美、腰を低くして、
「ごめんなさ~~い。すみませんでした~~。」
美玖と剛輔、翔に、腰を低くしながら右手を額に付けるように…。
剛輔、
「おぅ。かかかか。」
美玖、
「おみやげ、ありがとう~~。」
翔、
「あしたな~~。」
そして店の玄関のドアに奈都美。
翔、
「…ったく…。かかかか。」
剛輔、
「かかかか。相変わらず、都だよな~~。幾つになっても…。」
美玖、
「…でも、ナッちゃん、私、好き。全然、飾りっ気なくって…。…で、面白いし。な~~んか、みんなに好かれそうな感じ。うん。」
そんな美玖に剛輔、
「おぅおぅ、随分と都、持ち上げるね~~、美玖ちゃ~~ん。」
「うん。それに、可愛いし。ふふ。」
剛輔、
「…だ…そうですけど…。幸村翔(ゆきむらかける)殿~~。」
そんな剛輔に翔、
「ありがたき、しあわせ。はは。」
翔と奈都美、付き合い始めてから2年になる。
その時、美玖、入ってきた客に、
「はい、いらっしゃませ~~。」
翔、
「おぅ~~、お疲れ~~。」
「あれ…???ナツは…???」
葉月。
木綿子、
「うん、いないけど…???」
右左見て。
翔、
「帰宅命令がありました~~。あれ…、見なかった…???今さっき、帰ったばかりだけど…。」
葉月、
「ううん…。…て、言うか、方向違うからね。」
その10分程後、他の客からオーダーが入って向かう美玖。
店に入ってきた客に、
「いらっしゃいませ~~。」
「おぅ~~。来てたか~~。我らがヤング~~。」
「こんばんは。マスター、いつものね~~。」
剛輔、
「お疲れ様です。いらっしゃいませ~~。承知~~。」
入って来たのが、内海と瀧澤である。
カウンターで3人、
「お疲れ様で~~す。」
テーブル席の椅子に腰掛ける内海と瀧澤。
瀧澤、
「あれ…???ナッちゃんは…???翔~~???」
背中で聞いて、翔、
「おかあさんから帰宅命令~~。」
その声に、
「おやおや…。」
内海。
瀧澤、
「ぷっ。」

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