翠、「あっ。ユッキ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 珂帆の前を、建物を眺めながら歩いてくるひとりの男性。
珂帆とすれ違い…。

翠、
「あっ。ユッキ。」

建物を見ながら、そしてひとりの女性に気が付く、
「みど。」

翠、
「来てくれたんだ~~。」

薫郎、
「ふん。遊馬君…???」

「うん。今、お母さんや、親族の…人かな…、病室…。」
「そっか…。」

翠、薫郎の左腕に絡みつき、薫郎の左肩に自分の額を右左に擦りつける。
そして、鼻水を啜り、
「怖かった~~~。」
がっちりと薫郎の左腕を右腕で締め付けるように…。

薫郎、
「帰ろ。」

翠、コクリと首だけ…。





カウンターからメニューをトレイに、絃、
「みどさん、まだ出張から…???」
雅樂に。

雅樂、
「あぁ…。来ねぃよな…。」
頭を傾げて…。



店の前…。

翠、
「もう…並んで…ないよね。」

薫郎、
「あぁ…。でも…店の中…。」

「うん。」


裏口から入って。

薫郎、翠に、
「まっすぐ部屋…行ってな。」

翠、
「うん。ごめん。」


薫郎、店の方に、雅樂に右手を挙げて、「今、帰った。」のゼスチャー。

雅樂、首を2、3度小刻みに…。
数秒後、絃に、
「ふたり…けえったよ。今。」

絃、
「へっ、ほんと…。えっ…、でも…。どうして…???」



翠、力なしげに、ようやくパジャマに着替えて、
「ユッキ…。私…、寝る…。」

薫郎、
「あぁ…。おやすみ。」



それから10分程経って…。

薫郎のスマホに、
「一体、どうなってる。みどから連絡来ないけど…。」
呉羽からである。

翠のスマホは電源が切れたまま…。

薫郎、
「コバちゃん、ごめん。さっき、みどと俺、部屋…着いて…。もうみど…、寝てる。」
そして、深呼吸して、
「かな~~り、深刻な状態。」

その声に呉羽、
「はい…???どういうこと…???」

そして薫郎、
「実は……。」


片やこちらでは…、
「おっかしぃな~~。部屋に帰ってきてもいないし…。ラインも既読にならないし…。電話も電波…???…どういう事…???…これだったら、店にも電話…できないし…。」
橙である。夕方から何度も巽に電話、そしてラインのメールをしていた。

けれども既に巽のスマホは…。

その2時間前、ルッポラで…。
珂帆の帰りを待っていたスタッフたち。

柴乃、
「店長…。」

そして、閉店後…、巽の事実を聞くことになる。驚愕のスタッフたち…。



翌朝、薫郎、
「みど、大丈夫か…???」

翠、
「…うん。何とか…。休むわけに、いかないもん。それに、昨日の今日。コバちゃんに何も連絡入れてないし。…怒ってるよ~~きっと。」

その声に薫郎、
「それ…なんだ…けど…。」

「ふん…???」
「ゆうべ、コバちゃんから、電話…あった。みど寝てから…。」

「へっ…???」
「さすがに、凄い剣幕で…。…で、昨日の事、俺から、話…、しておいた。」

翠、
「あっ。あ~~~。」
髪を掻き上げて…。

薫郎、
「いや…。仕方ないよ、事が事だけに…。」
言い訳になるような感じで薫郎。

けれども翠、
「あああああ。ううん、ユッキ。…そうじゃなくって…。」

薫郎、
「へっ…???」

翠、首をコクリと、
「ありがと。」

薫郎、口を尖らせて。

翠、
「それだけでも、救われるよ、私…。うん。」

薫郎、
「あ…。あ、うん。」
そして…、
「久しぶりに…一緒に…出るか…???」

翠、
「ん~~。ふふ。…そうして…くれると…助かる。」

「おぅ。」






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